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あなたは取り戻せる?過払金の基本と返還してもらえる条件について

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最近CMなどでよく聞く「過払金」という言葉ですが、「もしかしたら自分も払い過ぎているかも?」と思っている方も多いのではないでしょうか?

しかし、過払金として認められるにはいくつか条件があるので、いくら多くの返済をしていても過払金として認められないこともあるので注意が必要です。

この記事では、よくCMで聞く「過払金」とはいったい何なのかということを見ていくとともに、過払金として認められる条件について説明していきます。

自分にも過払金があるのか、過払金で返済を楽にできないかと考えている方は参考にしてみてください。

1 そもそも過払金とは?

過払金とは、そもそも何でしょうか。

字を見ると「払い過ぎた金」ですが、誰が誰に、何を払い過ぎたのでしょうか。

平成18年、最高裁判所の判決により、いわゆる過払金ブームが始まったように思います。それまで消費者金融等の業者は、お金を貸すとき、「利息制限法」という法律で決められていた利息よりも高い利息を設定していました。

例えば、50万円を貸すとき、利息制限法によると、年に払う利息の上限は18%でしたが、実際に多くの業者は、約29%などで貸していました。

この利息を超える部分(今の例でいうと18%を超える部分)は、本来は払う必要がないお金だと判断しました。この払う必要がないお金が、債権者に払い過ぎたお金、つまり「過払金」であり債権者から返してもらえることになります。
過払金とは、お金を借りていた人が、お金を貸した業者に、利息を払い過ぎた場合に発生します。


11月1日、A社は、太郎さんに1万円を利息30%で貸した。
12月1日、太郎さんは、元金1万円と利息30%の1か月分250円(1万円×30%(年利)×1/12)の合計1万250円を返済した。

しかし、利息制限法によると、年に払う利息の上限は20%(2000円)なので、その1か月分の利息としては、167円、元金と合わせて1万167円を払えばよく、それを超える部分(1万250円-1万167円=83円)は、本来払う必要のないお金ということになります。

よって、この例では、83円の過払金が出るので、  太郎さんはA社から83円返してもらえます(※)。

※上記は、過払金の仕組みをイメージしやすい計算式にしましたので正確ではありません。実際には、利息は日ごとに計算するので、上の例では、1万円×30%×30/365日=247円を払ったことになり、本来払う必要であるお金は1万円×18%×30/365日=173円となりますので、過払金は74円となります。

このように、本来(利息制限法によると)いくら払えばよかったのか、それを超えていくら払ったのかを計算しなおすこと、つまりいくら払い過ぎた金があるのか計算することを「引き直し計算」といいます。

この章のポイント
「過払金」とは、貸金業者に返済として支払っていたお金の内、利息制限法の上限を超えて支払ったお金のこと。
この払い過ぎた分(つまり、払い過ぎた額)を計算する方法を「引き直し計算」という。

2 過払金が発生する取引

過払金が発生する仕組みは上で述べたとおりですが、どのような取引であれば、上記の利息制限法を超える取引をしている、つまり、過払金が発生している可能性があるのでしょうか。

結論から言うと、①平成20年頃より前の、②銀行でない業者との、③キャッシング取引の3つの条件が揃っていると過払金が発生している可能性があります。順にご説明します。

①平成20年頃より前の取引であること
上で述べたように、最高裁判所の判決が出たのが平成18年なので、お金を貸す業者はそれ以降に徐々に利息を利息制限法以下で設定します。利息を高く設定しても、後で返さないといけないだけで意味がないからです。

ですので、遅くとも平成20年頃より後に取引を始めた場合は、最初から利息は低い、つまり、過払金は発生していないと思っておいた方がいいでしょう。特に20代の方などは、取引が最近のこともあり、過払金が出ない場合が多いです。

②銀行でない業者との取引であること
銀行は昔から利息制限法の範囲内でお金を貸していました。
銀行以外の業者が高い利息を設定していたのは、甘い審査で保証人などの担保もつけずに、返済能力に不安がある人にもお金を貸していたからです。
つまり、ある程度はお金が返ってこないことを想定した上で、それでも利益をあげるために高い利息をとっていたのです。

銀行は、今も昔も厳しめの審査をしてちゃんと約束通りに返済してくれる人にだけお金を貸し、わざわざ高い利息をつけなくてもちゃんと返済されれば利益が上がるようにしています。ですので、銀行との取引で過払金が基本的には出ることはありません

③キャッシング取引であること
業者が利息制限法を超える高い利息を取っていたのは、現金を貸していた場合、つまりキャッシング取引だけですので、過払金が発生する可能性があるのもキャッシングでの取引だけです。
逆にいうと、カードで物を買った場合や、飲食代を払った場合などいわゆるショッピング取引の場合、過払金は発生しません

この章のポイント
過払金は、常に発生するわけではない。
①平成20年頃より前の、②銀行でない業者との、③キャッシング取引の3つの条件が揃っていると過払金が発生している可能性が高い。
ショッピングの利用や最近の取引だと過払金の発生は見込めない。

3 過払金は常に発生するわけではない

では、2の①から③の条件を満たしていて、かつ高い利息を払っていた取引であれば常に過払金は返してもらえるのか、というとそういうわけではありません。
以下では条件を満たしているものの過払金を取り戻せない例をご説明します。
この辺りは多少複雑ですので、よく分からない場合は一人で悩まれる前に専門家に相談しましょう。

3−1 時効で消えることがある

人や会社に何かを請求する権利は、法律で認められている反面、権利を行使できるにもかかわらず長年行使しないと時効で消滅してしまいます。
過払金を請求する権利も同様で、完済(借金を0に)してから10年で時効にかかってしまいます(取引開始からではありません。)。

例①
太郎さんは、平成5年7月1日からA社からお金を借りては返しを繰り返していましたが、平成17年11月1日に、A社に対し、これまでの借金を全部返した。
その後、太郎さんは、50万円の過払金が発生していることをしたので、A社に対し、平成28年11月1日に過払金の返還請求をした。

この場合、太郎さんがA社に対して借金を全額返済してから11年たっているので、発生した過払金50万円は時効で消えてしまっています。ですので、過払金は返してもらえません。
基本的に、完済してしまってから10年以上経ってから過払金を回収するのは極めて困難ですので、10年経っているかどうか確認が持ていない方は早めに専門家に相談した方がよいでしょう。

では、最後にお金を返したのが10年以内であれば時効で消えている心配はないのかというとそういうわけでもありません。

例②
太郎さんは、平成5年7月1日からA社からお金を借りては返しを繰り返していましたが、平成17年11月1日に、A社に対し、これまでの借金を全部返した。
その後、平成19年11月1日から再びA社からお金を借りては返しを繰り返し、平成22年11月11日に完済した。

例②が例①と違うのは、一度A社への借金を0にして、2年後というだいぶ時間が経ってから再びA社との取引を始めた点です。この場合、太郎さんとA社の取引は①平成17年11月1日までの取引と②平成22年11月1日までの取引という2つの取引をしていたことになります。

この場合、①の取引で発生した過払金は、平成17年11月1日から時効がカウントされます
結果、①の取引だけ時効にかかってしまうということがあるのです。一度0円にしてからどれくらい間が開いたら別の取引とみられるのか、は微妙な問題ですが、1年くらい期間があると別の取引になると考えておくとよいでしょう。
あなたの取引が最初からずっと続いていたものか、一度0にしてからまた取引をしたものかを思い出して時効は考える必要があります。

3−2 相殺されることがある

キャッシングの取引で過払金が発生していたとしても、同じ業者とショッピングの取引があり、その返済が残っている場合、過払金は、ショッピングの支払いに充てられます。


太郎さんは、平成15年ころから、A社からお金を借りては返しを繰り返していたが、平成20年11月1日に全部返済をした。この取引によって、50万円の過払金が発生していた。
しかし、太郎さんは、平成21年ころより、服を買うのも、飲みに行くのもA社のカードで支払いをしており、現時点でその支払いが40万円程度になっており、リボ払いで毎月1万5000円を支払っている。

この場合、太郎さんがA社に対し、過払金50万円を請求したとしても、カードの支払いが残っている40万の支払いにまず充てられますので(相殺される)、手元に返ってくるのは差し引き10万円ということになります。
40万円の支払いはこれまでどおり続けつつ、50万円だけ返してもらうということは出来ない、ということは覚えておきましょう。

3−3 払い過ぎた利息はまず返済に充てられること

ここが一番複雑です。
払い過ぎた利息は、即座に返還してもらえるわけではなく、返さないといけないお金がある場合は、まずその返済に充てられます。最初に使った例を使ってみていきましょう

10月1日、A社は、太郎さんに1万円を利息30%で貸した(貸付①)。
11月1日、太郎さんは、元金1万円と利息30%の1か月分250円(1万円×30%(年利)×1/12)の合計1万250円を返済した(返済①)。
11月2日、A社は、太郎さんに2万円を利息30%で貸した(貸付②)。
12月2日、太郎さんは、A社に1万円を返した(返済②)。このうち、500円(2万円×30%×1/12)は利息の支払いに充てられ、残りの9千500円は元金2万円の返済に充てられたので、あと1万500円を支払うことになった。

1で述べたとおり、返済①の時点で83円の過払金が出ていますが、これは、まずは貸付②の元金の返済に充てられます。よって、①の時点で発生した過払金83円は返還してもらえません。

しかし、太郎さんは、返済②で、結局この過払い分83円と1万円の合計1万83円返したことになります。
そうすると、太郎さんが返さないといけないのは、2万円に利息制限法上の利息を足した2万333円から1万83円を引いた1万250円ということになりますので、A社との契約に基づき返さないといけない1万500円からは1万250円に減っていることになります。
よくCMでいう「借金が減る」というのは、このような計算をいいます。

この章のポイント
利息制限法の上限を超える取引があれば、常に過払金が戻ってくるわけではない。
時効で消えてしまっていたり、今ある取引の返済に充てられてしまうことがあるので注意が必要。

4 まとめ

過払金について知っておくべき知識を述べてきました。
少し複雑な話もありましたが、利息制限法を超える高い利息を支払っていた方は、過払金の回収、それが出来なくても今ある借金の総額の減額など、経済的なメリットが見込めます。
少しでも自分には過払金が発生しているかもしれない、と思った方は、時効で消えてしまうのが一番もったいないので、すぐに専門家に相談してみることをお勧めします。

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