債務整理をしたい方

任意整理のデメリットと向いている人、向いていない人について

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借金返済が苦しくなったら債務整理をすると効果的に問題を解決することができますが、中でも任意整理は手軽で多くの人が利用している手続き方法です。

ただ、任意整理にもデメリットがあります。これから任意整理したいと思っていても、「デメリットやリスクがあるなら心配」ということがあるでしょう。

そこで今回は、任意整理のデメリットと、デメリットがあっても任意整理すべき人、反対に向いていない人について、解説します。

Contents

1.任意整理のデメリットには2種類ある

任意整理をすると、消費者金融業者やカードローンなどの借入先と話し合いをして、返済の利息をカットしてもらい、返済期間を調整してもらうことができるので、借金の返済が楽になります。
月々10万円の支払をしていた人でも、任意整理後は返済額が5万円程度になることもあります。今、借金をかかえている人で、これから任意整理をしたいと考えていることもあるでしょう。

このように、借金の整理に非常に効果のある任意整理ですが、デメリットもいくつかあります。

そして、任意整理のデメリットには、「債務整理一般に発生するもの」と「任意整理特有のもの」の2種類があります

それは、債務整理とは、借金整理のための手続き全般を言うものであり、任意整理はそのうち1つの方法であるため、そういった区別が生まれます。

そこで以下では、債務整理一般のデメリットと任意整理特有のデメリットに分けて、見てみましょう。

2.債務整理全般のデメリット

まずは、債務整理全般について言える、つまり任意整理にもいえるデメリットを見てみましょう。

2-1.ブラックリスト状態になる

どのような債務整理方法を利用したときにも言えることですが、債務整理をすると、いわゆる「ブラックリスト状態」になります。これは、ローンやクレジットカードなどを使うことができなくなることで、平たくいうと「借金ができなくなる」ということです。

債務整理をすると、個人の借金取引に関する情報である「個人信用情報」に「事故情報」という情報が登録されます。

ところが、個人がサラ金やカード会社などに借金の申込をすると、これらの機関は信用情報機関に照会して、それぞれの人の「個人信用情報」を確認するため、このときに「事故情報」を見られて、信用がない人だということがバレます。

そして、債務整理によって個人信用情報に事故情報が登録されている限り、新たにローンやカードの審査を受けても通らなくなります。

世間では、このことをわかりやすく「ブラックリスト状態」と言っていますが、ブラックリスト状態になると、住宅ローンや教育ローン、事業用ローンなどのローン審査に通らないだけではなく、クレジットカードの発行もしてもらうことができませんし、商品やサービスの代金を分割払いで支払うこともできません

今使っているクレジットカードも止められますし、他人の借り入れの連帯保証人になることもできなくなります。

ただし、債務整理後のブラックリスト状態は一生続くものではなく、債務整理手続きによっても異なりますが、任意整理の場合には、おおむね5年~7年くらいで無くなります。

2-2.保証人に迷惑をかけるおそれがある

債務整理をすると、保証人に迷惑をかけるおそれがあります。

借金をするときには、家族や友人、知人などに頼んで連帯保証人や保証人になってもらうことがありますが、保証人は、主債務者(借りた本人)が返さない場合に、代わりに返済しなければならない人です。

主債務者が債務整理をして借金返済しなくなったら、債権者は代わりに保証人に請求をするので、保証人は返済に応じないといけません。

これは、保証人がついている借金を債務整理の対象にした場合のデメリットです。

2-3.社会内で信用を失うおそれについて

任意整理をすると、社会内で信用を失うおそれがあります。

たとえば、会社の同僚や地域のコミュニティで隣人や子どもの学校の保護者などに知られると、「あの人は借金していた」「債務整理したことがあるらしい」などと思われて偏見を持たれるかもしれません。

ただ、債務整理をしても周囲に知られない方法はありますし(4-2で後述)、債務整理をしたからといって、自動的にそのことを周囲に知られることはないので、さほど心配をする必要はありません。
実際に、誰にも知られずに債務整理を成功させている人はたくさんいます。

2-4.家族関係が悪化するおそれについて

債務整理をすると、そのことを家族に知られて家族関係が悪化するのではないかが心配な人も多いです。

借金は家族に秘密にしている人が多いですが、実際に債務整理をしたことがきっかけで家族に借金がバレて、トラブルになる人もいます。

ただ、債務整理をしても家族に知られない方法はありますし(4-2で後述)、任意整理は比較的家族に知られにくい方法なので、この点もさほど心配する必要はありません。

また、はじめから家族が借金のことを知っていて、債務整理に協力してくれる場合であれば、このデメリットは考える必要がありません。

2-5.税金などは対象にならない

これは、債務整理のデメリットというよりは注意点に類するものですが、債務整理をしても税金などの一部の債務は減額や免除の対象になりません。

すべての借金を免除してもらえることで有名な自己破産でも、税金や健康保険料、罰金や故意で加えた不法行為の損害賠償債務などは免除されずにそのまま残ります。

債務整理をしても、本当に「すべての債務」を対象にできるわけではないので、覚えておきましょう。

3.任意整理特有のデメリット

次に、任意整理に特有のデメリットを確認しましょう。

3-1.借金を大きく減らすことができない

任意整理をすると月々の返済額が減るところが大きな魅力ではありますが、実は任意整理はあまり借金を減らす効果が高くありません。

任意整理をするときには、個人再生や自己破産と違って債権者と話し合い、任意で借金の減額に応じてもらいますが、任意で応じてもらえる範囲でしか減額してもらうことができないのです。

過去に利息制限法を超過する高利率な利息で取引をしていたことがあったら別ですが、そうでもない場合には、支払い利息をカットしてもらうくらいが限度です。

つまり、元本はそのまま残ってしまうということです。余りに大きな借金があると、任意整理では解決できなくなります。

3-2.手続き後に返済が必要

任意整理をすると、借金額を減らすことはできますが、0にしてもらえるわけではありません。そこで、手続きが終わった後も返済を継続しなければなりません。

任意整理後の返済期間は標準的には3年~5年ですが、長いときには7年以上にも及びます。その間、確実に返済をしないと、債権者から督促を受けて裁判をされ、最終的に給料などを差し押さえられるおそれもあります。

そのようなことになってしまったら、せっかく任意整理で話し合いをして合意ができても、完全に無駄になってしまいます。

このように、手続き後に長期の返済が続くことは、任意整理のデメリットです。他の債務整理方法である自己破産なら、手続き後の返済を0にしてもらうことができるため、大きな違いといえるでしょう。

3-3.収入が必要

任意整理をすると、手続き後に数年間確実に返済を継続しなければなりません。そのため、その返済ができるように、最低限の収入が必要です。
しかも、任意整理の支払いは毎月払いが原則で、返済期間も長くなるため、安定した収入が必要になります

ただ、任意整理の場合、サラリーマンや自営業者でなければできない、ということはありません。アルバイトや年金生活者、養育費と児童扶養手当で生活している人であっても、返済さえできれば任意整理できます

また、必ずしも自分の収入でなくてもかまいません。専業主婦で自分の収入はないけれども、夫の給料から返済ができるのであれば任意整理をすることができます

他の債務整理である個人再生の場合、収入要件が非常に厳しくなり、無職の人や専業主婦の人は利用できないので、それと比べると任意整理の収入要件は比較的緩やかといえます

3-4.話合いに応じない債権者がいる

任意整理特有のデメリットとして、話合いに応じない債権者の問題があります。

任意整理では、各債権者と個別に交渉をして、借金の減額や条件変更に応じてもらわないといけません。そこで、そもそも話合いに応じてもらえなかったら、任意整理をすることはできません

また、話合いには応じてくれても、互いに希望する条件が合わずに合意ができなかったら、やはり任意整理に失敗します

この点、裁判所を利用する手続きである個人再生や自己破産であれば、強制的に手続きをすすめることができるので、反対する債権者がいても進めやすいです。

個人再生の中でも、頻繁に利用される小規模個人再生の場合には、過半数の人数や債権額の債権者が反対したら再生計画が認可されずに失敗しますが、一部の債権者が反対しているだけなら手続きを進めることができるので、任意整理より使いやすいです。

また、任意整理の段階では、話合いを拒絶していた債権者でも、個人再生になったら諦めて反対しなくなることもあります。

3-5.強制執行を止めることができない

任意整理のデメリットとして、「強制執行を止めることができない」ということもあります。強制執行とは、差押えの手続きのことです。

借金返済が苦しい人は、滞納してしまうことも多いですが、借金返済を滞納すると債権者から督促をされて裁判を起こされることもあります。すると、債権者が裁判所の判決を使って債務者の財産を差し押さえてしまいます。

預貯金や生命保険、給料を差し押さえられたり、家を競売にかけられたりすることもあります。給与差し押さえをされたら、滞納分の取り立てが終わるまで、毎月給料の一部をとられてしまうので、影響が大きいです。

このようなとき、任意整理では手続きを止める効果がないので、差押をされたままになります。個人再生や自己破産をすると、これらの差押を止めることができるので、それに比べると任意整理は不便だといえます。

また、差押えが起こってしまったら、任意整理の話合いでも非常に不利になります。

この場合、相手は、差し押さえている給料から確実に回収できるのだから、任意整理の話合いに応じて減額してあげる必要はない、と考えるからです。このことも、任意整理の大きなデメリットと言えるでしょう。

4.デメリットを避ける工夫

ここまで述べてきたとおり、任意整理にはいろいろなデメリットがあります。しかし、デメリットがあるからといって任意整理を諦める必要はありません。

任意整理のデメリットのいくつかは工夫次第で避けることができるのです。

以下では任意整理のデメリットを避ける方法について説明していきます。

4-1.保証人のついた借金を外して任意整理する

債務整理全般についてのデメリットとして、保証人に迷惑をかけるというものがあります。

しかし、任意整理の場合、このデメリットをクリアしやすいです。任意整理では、対象とする債権者を選ぶことができるためです。

任意整理をするとき、保証人がついている借金を外してそれ以外の借金だけを整理したら、保証人つきの借金には影響がありません。そのまま自分でその借金を支払い続けている限り、債権者が保証人に請求することはないので、保証人に迷惑をかけずに済みます。

4-2.家族や周囲に知られない方法で任意整理する

家族に借金を秘密にしている人が任意整理をするとき、家族に知られるとデメリットが大きいです。会社や近所に知られる場合も同じです。

ただ、任意整理の場合、このデメリットもクリアしやすいです。

そもそも債務整理をしても、必ず家族や周囲にバレるというものではありません
誰かが噂を広めるか、何らかの大きなトラブルが起こりでもしない限り、同居の家族以外の会社や近隣の人などにバレることは、まずありません。

また、弁護士に債務整理を依頼すると、債権者は債務者に直接連絡をしてはいけないことになっているので、依頼後速やかに債権者からの支払い督促や連絡の一切が止まります。そのため、債務整理を弁護士に依頼したら、同居の家族にすら知られずに債務整理手続きを進めることができます

そこで、これまで借金を滞納していて債権者からの郵便におびえていた場合でも、自宅に電話や郵便が届かなくなって家族に借金がバレにくくなります。

また、任意整理の場合、必要書類も少なく、手続きにかかる期間も短くて済むので、他の債務整理手続きに比べてより周囲に知られにくいのです。

このように、任意整理をするとき、工夫をすれば家族や周囲に知られないようにすることは十分可能です。そのためには、腕の良い弁護士に手続を依頼しましょう。

4-3.ローンクレジットを使えないことに対し、工夫して生活する

任意整理をすると、ブラックリスト状態になるので、ローンやクレジットカードを利用できなくなるのがデメリットですが、これについてもいろいろな対処方法があります。

まず、家族名義でローンやクレジットカードを利用することができます

ブラックリスト状態になるのは自分だけなので、家族に信用があったら家族はローンやカードを使うことができるためです。

たとえば、専業主婦が任意整理をした場合、自分は住宅ローンやクレジットカードの審査に通りませんが、夫が普通の会社員などであれば、夫が住宅ローンやクレジットカードを申し込んで利用したら良いので、ほとんど影響はありません。

また、自分名義のカードを使いたい場合には、「デビットカード」を使うと良いです。これは、カードの利用と同時に預金口座から引き落としが行われるタイプのカードです。

クレジットカードが後払いなのに対し、デビットカードは即時払いです。即時払いなので、信用力が問題にならず、預金口座さえあればブラックリスト状態でも発行してもらえます。常に預金口座にお金が入っていないと使えませんが、クレジットカードと同じように決済に使えるので便利です。

また、ETCカードについても、高速道路会社が発行している「ETCパーソナルカード」を利用したら、普通のETCカードと同様に高速道路の料金所を通過して、後からまとめて高速代を引き落としてもらうことができます。

このように、一般的に広く知られていない方法かもしれませんが、ブラックリスト状態でも便利に生活する工夫はたくさん考えられます。しかも、任意整理の場合、5年~7年したらブラックリスト状態は終わるのですから、このデメリットをそれほど大げさにとらえる必要はないでしょう。

4-4.返済方法を確保する

任意整理では、手続き後に返済が残ることと、そのためにある程度の収入が必要になることがデメリットです。ただ、これについても、それほど厳しく捉える必要はありません。

まず、任意整理の場合、個人再生ほど厳密に「収入要件」を考える必要はありません。ある程度の変動があっても、とにかく毎月の返済さえできるだけの収入があったら任意整理はできるからです。

そこで、任意整理をしたいなら、とにかく返済方法を確保することです。

たとえば、専業主婦ならパートに出て月々数万円稼げるようになったら、それを返済に充てれば良いのでそれだけで任意整理ができます。
フリーターやアルバイトの人も、時間を長くしてもらって少し給料を上げたら十分に手続きできるということがあるでしょう。

具体的にどのくらいの収入が必要かについては、ケースによっても異なります。

自分では適切な金額計算ができないことも多いでしょうから、弁護士に相談することをおすすめします。

4-5.他の債務整理を検討する

任意整理は、大きく借金を減額することができませんし、手続きに反対する債権者がいたら手続きを進めることができません。このデメリットに引っかかってしまった場合、無理矢理任意整理をすすめることは難しいです。

また、すでに給料などの強制執行を受けているときには、悠長に任意整理している時間がありません。このように、任意整理のデメリットを克服できない場合でも、他の債務整理手続きを利用すると問題を解決できます。

借金額が大きすぎたり話合いに応じない債権者がいたりする場合には、自己破産や個人再生が有効です。自己破産をすると、税金などの一部の支払いをのぞいてほとんどすべての借金を免除してもらえますし、借金に限度額もないので、どんなに多額の借金があっても全額免除してもらうことができます。

個人再生をすると、借金の金額を、元本ごと5分の1~10分の1などに減額してもらうことができるので、大きな借金がある場合でも効果的に解決できます

また、これらの手続きは裁判所を利用する法律にもとづいたものなので、相手が合意しなくてもその意向にかかわらずすすめることができます。

これらの手続きには、両方とも差押を止める効力があるので、すでに強制執行をされている場合にも非常に有効です

以上のように、たとえ任意整理ができなくても、他に解決方法があるので心配しなくても良いのです。借金に困っているなら、迷わずに債務整理をしましょう。

5.デメリットがあっても任意整理が向いている人

任意整理のデメリットを回避することができても、「本当に任意整理をすべきなのかな?」と不安な方もいるでしょう。

しかし、ここまで紹介してきたデメリットがあっても、他の債務整理の手段に比べて任意整理をしたほうが良い人はいます。

ここでは、どういう人が任意整理に向いているのかについて解説していきます。

5-1.借金額が大きくない人

まずは、借金額が大きすぎない人です。

任意整理では、大きく借金を減らすことができないため、元本と利息を含めた合計金額がすでに莫大になっている人の場合、相手と交渉をしても整理することが難しいです。

たとえば、現在の借金額が100万円の人の場合、任意整理によって返済期間を3年にしたら、毎月の返済額は27000円くらいです(5年払いの場合には16600円くらい)。

200万円なら、任意整理によって返済期間を5年にしたら、毎月の返済額は33000円くらいになります。300万円なら毎月の返済額は5万円、400万円なら66600円くらい、500万円なら毎月の返済額が83000円にもなってしまいます。ここまで来ると、返済がかなりきつい、と感じる人が多いでしょう。

そこで、任意整理が向いているのは、その人の収入状況にもよりますが、だいたい借金額が300万円くらいまでの人です。それを超えると個人再生や自己破産を考えた方がメリットが大きくなることが多いです。

5-2.最低限の収入がある人

任意整理が向いているのは、最低限の収入がある人です。任意整理後は、一定期間返済が残るので、全くの無職無収入の場合には任意整理をすることができません。

アルバイトやパートでも、「生活がぎりぎりで一切の余剰がない」状態では、任意整理は失敗します。サラリーマンで確実に毎月の収入を継続していける、というような人に任意整理が向いています。

5-3.話合いに応じない債権者がいない人

任意整理のデメリットの大きなものとして、話合いに応じない債権者の存在があります。

こうした業者や個人がいると、任意整理による解決はかなり困難になります。その債権者を無視して他の借金だけを整理するしかないですが、それだと根本的な解決につながらないケースがあります。

そこで任意整理に向いているのは、こうした話合いに応じない債権者が「いない」人です。

債務整理に強硬に反対したり、無理矢理裁判や強制執行をしてきたりする債権者がいるのであれば、自己破産や個人再生を検討した方が良いでしょう。

5-4.保証人つきの借金がある人

任意整理には、隠れたメリットがあります。それは、相手にする債権者を選べることです。

この点、自己破産や個人再生の場合、すべての債権者を平等に取り扱わないといけないという債権者平等の原則がはたらくため、一部の債権者だけを対象にしたり、または外したりすることは認められません。

保証人つきの借金があると、必ず対象にしないといけないので債権者が保証人に督促をして、保証人に迷惑をかけてしまいます。

このように保証人がついている借金があるなら、任意整理が向いています。
一般的に債務整理をすると保証人に迷惑をかけると言われますが、任意整理で保証人つきの借金を外して手続きをしたら、債権者は保証人に請求をしないので、保証人に迷惑をかけるおそれはありません

5-5.車のローンがある人

車のローンがある人にも、任意整理はおすすめです。

車のローンがある場合、ローンを完済するまでの間は車の所有名義がローン債権者になっていることが多いです。
これは、債務者がローンを返済しなくなった場合にそなえて、車を担保にとっているのです。債務者が支払をしなくなったら、ローン債権者は車を回収して売却し、そこから得られた金額から残金の支払いを受けます。

車のローンがあるときに個人再生や自己破産をすると、車のローンの支払いを止めざるを得ないため、ローン債権者が強制的に車を回収するので、手元から車がなくなってしまいます。

ここで、任意整理であれば対象とする債権者を選ぶことができるため、車のローンを外して手続きをすると、大切な車を失わずに済みます。車のローンをそのまま支払っている限り、車を回収されることはありません。

5-6.財産を失いたくない人、財産が多額な人

任意整理は、債務整理によって財産を失いたくない人や多額の財産をもっている人におすすめです。

自己破産は借金を0にしてもらうことができても、債務者の手持ちの財産はほとんどすべて失われる手続きです。

たとえば、20万円を超える預貯金や生命保険、車や株式、投資信託や不動産などはすべて手放すことになります。大切な資産があるときに自己破産をすると、不利益が大きいです。

また、個人再生の場合、手続きによって財産がなくなることはありませんが、財産があると、その分多くの借金が残る仕組みになっています。そこで、多額の財産がある人が個人再生をしても、あまり借金の減額を受けられないのでメリットが小さくなります。

これらの手続きに対し、任意整理の場合には、債務者の財産は全く影響しません

任意整理では、債権者に対し、債務者にどのような財産がどのくらいあるのか開示することはありませんし、財産をとられることもありません。財産額によって返済額が上がる心配も不要です。
そこで、守るべき財産がある人や、多額の財産がある人は、まずは任意整理を検討すると良いでしょう。

5-7.費用と手間をかけたくない人、早く手続きを終わらせたい人

任意整理は、数ある債務整理手続きの中でも、債務者の負担が軽い方法です。
裁判所を利用しないため、必要書類もほとんどありません。契約書すらなくても手続きができます。極端な話、どこから借入があるかだけわかったら、「手ぶら」でも弁護士に手続きしてもらえます。

また、手続きにかかる時間も短く済みます。弁護士に依頼してから3ヶ月もあれば、だいたいの手続きは終わることが多いです

さらに、任意整理はコストも低いです。裁判所を使わないので裁判所に支払う高額な予納金などがかかりませんし(予納金は個人再生や自己破産で必要になります)、弁護士費用も他の債務整理に比べて安いです

そこで、債務整理をしたいけれどなるべく費用や手間をかけたくない人や、早く借金整理を終わらせたい人に、任意整理が向いています。

6.任意整理をやめておいた方が良い人

ここまでの話を踏まえて、反対に任意整理はやめておいた方がいい人もいます。
参考にしてみてください。

6-1.借金額が大きい人

まず、借金額が大きすぎる人は、任意整理に向きません。先ほどもご紹介したように、借金額が500万円の人は、5年間に返済するとしても毎月の返済額が83000円にもなってしまいます。普通のサラリーマンではかなり厳しい金額でしょう。

そこで、借金額が大きいなら、任意整理ではなく個人再生や自己破産をすべきです。借金額が500万円の場合、個人再生をしたら借金額を100万円にまで減額してもらえる可能性があります。その場合、3年間で返済をすれば良く、毎月の支払額も27000円程度となって非常に楽になります。

6-2.返済能力がない人

繰り返しになりますが、任意整理をするためには最低限の返済能力が必要です。そのため、全く返済ができない人は任意整理に向きません。

また、ある程度の収入があっても、手続き後の返済額に足りない場合には、やはり任意整理することができません。
このような返済能力がない人は、任意整理ではなく自己破産によって借金をなくしてもらうべきです。

6-3.生活保護受給者、これから生活保護を受給したい人

借金がかさんでいる人は生活苦が原因になっているケースが多いため、生活保護を受けたいと考えていることがあります。
また、生活保護の受給者でも借金してしまうことがあります。

このような人たちは、任意整理をすべきではありません。

生活保護のお金は貴重な国民の税金ですが、近年生活保護の受給額が増えて財源を圧迫していることが問題になっています。

このようなこともあり、生活保護のお金は借金返済に充てるべきではないと考えられています。そこで、借金返済をしている状態では生活保護を受給することができませんし、生活保護を受けている人が借金返済していることを知られたら、受給を停止されるおそれなどもあります。

ところが、任意整理をすると、手続き後に借金支払いが残るので、生活保護の受給をすることができなくなります。

生活保護を受給している人やこれから受けたい人は、任意整理をすべきではありません。

この場合、借金を0にしてもらえる自己破産をしなければならないのです。

6-4.話合いに応じない債権者がいる人、差押えを受けている人

任意整理のデメリットは話合いに応じない債権者の存在ですが、こうした債権者がいる場合、無理矢理任意整理をすすめようとしても不可能です。

また、すでに給料などの強制執行を受けている場合には、任意整理の話合いよりも先に差押を停止させる必要性が高いですが、任意整理には差押えを止める効力はありませんし、差押えをしている債権者は強気なので任意整理の話合いに応じないことも多いです。

このようなケースは任意整理に向きません。債権者を強制的に巻き込み、差押を停止させる効力のある個人再生や自己破産によって解決しましょう。

7.弁護士に相談して適切な債務整理手続きを!

以上のように、任意整理は便利な点も多いのですが、反面避けられないデメリットもあります。

ただ、多くのデメリットは工夫次第で避けられるものですし、どうしても避けられないデメリットがある場合には、個人再生や自己破産などの他の債務整理方法によって解決することができます。

借金問題は、ほとんどどのようなものでも、何らかの債務整理を利用したら解決できるものです。まずは任意整理を検討してみて、ダメなら個人再生や自己破産によって借金を減額・免除してもらいましょう。

適切な債務整理方法を選択するには、素人判断では難しいので弁護士に依頼する必要性が高いです。もしも今、借金問題に苦しんでいるなら、早めに債務整理に力を入れている弁護士事務所に連絡を入れて、相談の申込をすることをおすすめします。

※本記事で紹介した個人再生や自己破産については以下の記事で詳しく解説しています。
個人再生→個人再生を利用して、リスケ・借金圧縮をする方法
自己破産→【永久保存版】3ヶ月で借金0!絶対に知っておきたい自己破産完全マニュアル
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