その他

退職前に必ず知っておきたい失業保険を徹底活用するための4つのポイント

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
イラスト縦

会社の辞め方次第で失業保険のもらえる金額・期間が大きく違ってくることをあなたは知っていますか?

失業保険を徹底活用するには、退職前からの準備がとても大切になります。

そこで今回は、失業保険の基礎知識、手続きのやり方を紹介し、あなたが退職前に知っておくべき4つのポイントを紹介します。

1.失業保険とは?

失業保険とは、会社を辞めた際に支給されるお金です。正式名称は「雇用保険の失業給付金」です。

この制度の趣旨は、あなたが失業中のお金を心配せずに、新しい仕事をみつけられるように支援することです。

1-1.失業保険をもらうための条件

失業保険をもらうための条件は以下の2つです。

1.雇用保険に加入していること

以下の期間、雇用保険に加入していることが1つ目の条件です。なお、同じ会社で以下期間を満たす必要はなく、2つ以上の会社で雇用保険に加入していた期間の合計が以下期間を満たせばOKです。

(自己都合退職の場合)
退職日以前の2年間で12ヶ月以上加入

(会社都合退職の場合)
退職日以前の1年間で6ヶ月以上の加入

2.再就職の意思があること

制度の趣旨が再就職を希望する人の支援にあるため、再就職の意思が必要です。

再就職の意思を確認する方法として、あなたは「求職活動」という行為を毎月2回以上行う必要がでてきます。

以上の2つをクリアできていれば誰でも失業保険を貰うことができます。

1-2.失業保険でもらえる金額

失業保険でもらえる金額は、直近6ヶ月の給料の額(賞与は除く)の45%~80%です。この直近6ヶ月の給料の中には、残業代や手当金も含まれます。この6ヶ月分の給料を180日で割った金額を「賃金日額」と呼びます。これを以下図に当てはめると、あなたが貰える1日あたりの失業保険の金額「基本手当日額」が分かります。なお、賃金日額が2300円以下の人は、基本手当日額が一律1840円になります。(平成27年8月1日から適用分)

(画像引用元:厚生労働省

賃金日額が高い人程、給付率が50%(60際以上の方は45%)に近付きます。逆に、賃金日額が低い人程、給付率は80%に近付きます。また、上限・下限の額が決まっており、賃金日額が2310円に満たない場合でも、最低1840円の基本手当日額を貰うことができます。

1-3.失業保険がもらえる期間

失業保険が貰える期間は90日~360日(所定給付日数)です。ケース別で異なりますので、以下に内容を整理しておきます。

自己都合退職の場合

自己都合退職の場合、失業保険が貰える期間は90日~150日になります。雇用保険に加入していた期間に応じて貰える期間が変わります。

(画像引用元:ハローワークインターネットサービス

★自己都合退職とは?

自己都合退職とは、以下2つのいずれかに当てはまるケースを指します。

  1. 自分の責めに帰すべき重大な理由によって解雇された場合
  2. 正当な理由がなく自分の都合で退職した場合

仮に、上記2つのいずれかに該当する場合は、7日の待期を経過後、1ヶ月~3ヶ月の範囲で失業保険の給付が制限されるという規定が置かれています。

また、給付日数も会社都合と比べてかなり短くなります。

ただし、自己都合退職の場合でも、「正当な理由のある自己都合退職」の場合は、「特定理由離職者」として給付日数が長くなる制度が用意されています。

以下のようなケースに当てはまる場合は、「特定理由離職者」に該当するケースかどうかは、「特定受給資格者及び特定理由離職者の範囲と判断基準(厚生労働省作成)」で詳しく確認することができます。

会社都合退職の場合

会社都合退職の場合は、90日~240日になり、年齢と雇用保険に加入していた期間に応じて貰える期間が変わります。

(画像引用元:ハローワークインターネットサービス

★会社都合退職とは?

会社都合退職とは、倒産や一方的な解雇にあった場合のことを言い、雇用保険法上、「特定受給資格者」呼ばれます。「特定受給者」に該当するケースかどうかは、「特定受給資格者及び特定理由離職者の範囲と判断基準(厚生労働省作成)」で詳しく確認することができます。

就職困難者の場合

就職困難者とは、以下のような方が概要します。

  1. 身体障害者、知的障害者、精神障害者の方
  2. 刑法により保護観察処分を受けている方
  3. 社会的事情により就職が著しく阻害されている方

就職困難者に該当する場合は、150日~360日になります。

(画像引用元:ハローワークインターネットサービス

2.失業保険の受給手続き

失業保険をもらうためには、自分で受給手続きを行わなければいけません。どんな書類を揃えて、どこに申請をすれば良いのかなど、ここでは受給手続きの詳細な手順を紹介します。

2-1.必要書類

まず始めに一体どんな必要書類を用意すれば良いのか詳細を紹介します。

必要書類は以下の通りです。

1.雇用保険被保険者証

雇用保険に加入していたことを証明する書類で、自分で保管している場合や、会社が保管している場合があります。会社が保管している場合は、退職時に会社から返却されます。紛失してしまった人も、ハローワークで再発行できますので、心配無用です。

2.離職票1

離職票1とは、資格喪失確認通知書と記載された書類で、被保険者番号や離職年月日等の情報が記載されています。また、失業保険を振り込んでもらう際の口座情報を記入する欄があり、振り込んでほしい口座情報を記載します。書類は、退職して1週間くらいすると会社から郵送で送られてきます。

3.離職票2

離職票2とは、離職日以前の収入の情報や離職の理由が記載されている書類です。この書類も離職票1と同じく、退職して1週間くらいすると会社から郵送で送られてきます。会社からこの書類が届いたら、離職の理由に間違いがないか確認しましょう。仮にあなたの認識と違っている場合は、「具体的事情記載欄(離職者用)」の欄に、何がどう違うのか、事情を記載するようにしましょう。

4.身分証明書

住所、氏名、年齢を確認できる顔写真付きの身分証明書(運転免許証や住民基本台帳カード等)を用意します。

顔写真付きの身分証明書がない場合は、2種類以上の身分証明書(健康保険証、住民票など)を用意することで間に合います。

5.通帳

失業保険を振り込んでもらう口座の普通預金通帳を持参します。

6.印鑑

認め印で大丈夫ですので、印鑑を持参します。

7.写真2枚(縦3cm×横2.5cm)

直近3ヶ月以内に撮影した写真を2枚用意します。サイズは縦3cm、横2.5cmで、正面上半身が写っている写真を用意しましょう。

以上の書類が準備できたら、さっそくハローワークに失業保険の申請にいきましょう。

2-2.失業保険受給までの流れと手続き方法

ここでは、ハローワークに失業保険の申請手続きを行ってから実際に失業保険が支給されるまでの流れと手続きの詳細を紹介します。

ステップ1:求職申込書の提出・面接

必要書類を揃えてハローワークに着いたら、まずは「求職申込書」という書類をもらいます。これにあなたが希望する仕事の条件を記入していきます。収入はいくらを希望する、休日はいついつなどの情報を記載しましょう。

求職申込書に必要事項を記載したら、職業相談窓口に求職申込書を提出して面接を受けましょう。

求職申込書の書き方は、ハローワーク作成の「求職申込書の書き方」で確認できます。

求職申込書の書き方 PDFファイル(ハローワーク作成)

ステップ2:雇用保険窓口での相談

職業相談窓口での面接が終わったら、失業保険を受給するために、雇用保険の窓口に行きます。離職理由で会社と意見の相違があるケースでは、ここで詳しい事情説明を行う機会が与えられます。証拠などがある人は書類を用意して挑みましょう。

ステップ3:受給資格者のしおりをもらって帰宅-「受給資格決定日」

雇用保険の窓口での説明を受けたら、「受給資格者のしおり」という書類が渡されたら帰宅します。受給資格者のしおりには、次のプロセスであるステップ4の「雇用保険受給説明会」の日程やステップ5の「失業認定日」が記載されていますので、確認をして必ず参加できるようにスケジュールを調整しておきましょう。なお、この日が「受給資格決定日」と呼ばれる日になります。

受給資格者のしおり サンプルPDFファイル(鹿児島労働局作成)

ステップ4:7日間の待期後、約2週間以内に実施される雇用保険説明会に出席

「受給資格決定日」から7日間の待期+1~2週間を経て、ハローワークで開催される雇用保険説明会に主席します。この説明会で、以下2つの書類が交付されますので、次のステップの失業認定日に持参するようにします。

交付書類その1:雇用保険受給資格者証

失業保険の金額、給付される日数などが記載された書類です。

(画像引用元:ハローワーク

交付書類その2:失業認定申告書

この書類は、求職活動の内容を記載する書類です。初回の失業認定日までに、自己都合退職の人は2回の求職活動実績を作る必要があります。※

※厳密に説明すると、自己都合退職の人は3回、会社都合退職の人は1回の求職活動実績が必要になりますが、このステップの雇用保険説明の出席が求職活動としてカウントされるため、実質は自己都合退職の人は2回、会社都合退職の人は0回となります。

そして、2回目以降の失業認定日~失業認定日までの1ヶ月の間に、自己都合退職と会社都合退職に関係なく、2回以上の求職活動実績を作っていく必要があります。

(画像引用元:ハローワーク

ステップ5:失業認定日(給付制限経過後)にハローワークに行く

ハローワークから予め指定された失業認定日に再度ハローワークに出向きます。

この際、先程説明した「雇用保険受給資格者証」と「失業認定申告書」を持参します。認め印も一緒に持っていくようにしましょう。ここで、あなたが失業者であると認定されてはじめて失業保険の支給が決定されます。

ステップ6:ステップ5から1週間以内に指定口座に初回の失業保険として3週間分振り込まれる

失業認定日から約1週間以内に7日間の待期分を除く、約3週間分の失業保険が初回分として振り込まれます。

ステップ7:1ヶ月毎にハローワークで失業認定を受けて1ヶ月分の失業保険をもらう手続きを行う

ステップ7以降は、毎月求職活動の実績を2回以上作り、毎月失業認定を受けることで、1ヶ月分の失業保険を受給していくプロセスを続けていきます。

 

以上ように、申請をすればすぐに失業保険が受給される訳ではないので注意しましょう。

最初の失業保険が支給されるまでの目安期間は、以下の通りです。

自己都合退職の場合:ステップ3の雇用保険受給資格決定日から約4ヶ月後

会社都合退職の場合:ステップ3の雇用保険受給資格決定日から約1ヶ月後

自己都合退職の人は、3ヶ月間の「給付制限」が課せられ、会社都合退職の人よりも3ヶ月遅れての支給になります。なので、自己都合退職の人は、この記事の「3.退職前に必ず知っておきたい失業保険を徹底活用するための4つのポイント」を参考にして、早めに失業保険を受給できるプランを考えるようにしましょう。

3.退職前に必ず知っておきたい失業保険を徹底活用するための4つのポイント

ここまでみてきたように、自己都合で退職するか、会社都合で退職するかで失業保険の内容が大きく変わってくることがわかったと思います。ここでは、会社都合退職を勝ち取るためにあなたが行うべき行動や失業保険を少しでも増やす方法など、知っておきたい4つのポイントを紹介します。

ポイントその1:会社都合退職を勝ち取るには必ず証拠を残すようにする

特定受給資格者及び特定理由離職者の範囲と判断基準(厚生労働省作成)」で該当しそうな人は、その証拠を残すことが大切になります。

会話の録音であったり、事実関係を証明できる書類やメールなど、集められる証拠はすべて残すようにしましょう。

ポイントその2:退職直前の6ヶ月はたくさん働いて、たくさん稼ぐようにする

失業保険でもらえる金額は、直近6ヶ月の給料の額で決まります。なので、会社を辞める6ヶ月前はたくさん残業をする等でして給料を上げておくことで、失業保険でもらえるお金を増やすことができます。

ポイントその3:退職前に休業手当を活用する

最後のポイントは、退職前に休業手当を活用する方法があります。

もしあなたが会社でパワハラに合うなどで精神的に病んでしまっている場合、かなり高い確率で「うつ病」の診断書をもらうことができます。

そして、うつ病の診断書を入手したら、会社に「休職願い」を出し「健康保険の傷病手当金」をもらうようにします。傷病手当金とは、病気やケガで収入が途切れた場合、休業前の給与の約66%(2/3)を最長18ヶ月補償される制度です。もちろん差押禁止財産のため、差し押さえられることはありません。

傷病手当金の支給要件は、下記の1つだけです。

傷病手当金の支給要件

病気やケガで就業できない日が連続3日以上続いたこと(医師の診断が必要)

上記要件が整えば誰でも受給できます。

しかも、傷病手当金は、退職後であっても、以下の3つの要件を満たせば引き続き受給が可能です。

退職後の傷病手当金を受給し続ける3つの要件

  1. 退職日までに1年以上継続して健康保険に加入していること
  2. 退職時に傷病手当金を受給している、または、受給できる要件を満たしており引き続き労務不能であること
  3. 失業手当を受給していないこと

このように、まずは傷病手当金を活用して、1年半経過したら失業保険に移行する形をとれば、かなり長い期間の収入を確保できるため、生活の再建をより有利に行えるようになります。

傷病手当金の詳細は、「病気やケガで住宅ローンが払えない時の6つの対処ステップ」でも紹介していますので参考にしてみてください。

ポイントその4:給付制限を解除するため、退職前に公共職業訓練を申し込んでおく

自己都合退職の人は、3ヶ月間の「給付制限」が課せられ、会社都合退職の人よりも3ヶ月遅れての支給になるため、本来はその間を貯蓄で賄う必要があります。しかし、この問題は公共職業訓練を受けることで解決できます。公共職業訓練を受ければ、給付制限を解除になるためです。

公共職業訓練の開始日までに退職することが確定している人は、退職前に公共職業訓練の申込をすることができます。なので、退職前に、自分に合った公共職業訓練を見つけ、訓練開始日に合わせて退職すれば、給付制限を受けることなく失業保険をもらえるようになります。

大切なのは退職前の事前準備です。退職前にハローワークと早めに相談して自分に合う公共職業訓練を探すようにしておきましょう。

以上が、失業保険を徹底活用するために知っておきたい会社を辞める前の4つのポイントです。

4.まとめ

今回は、失業保険の基礎知識、手続きのやり方を紹介し、あなたが退職前に知っておくべき4つのポイントを紹介してきました。

ちょっとしたポイントを知っておくことで貰える金額や期間が大きく違ってきますので、会社を辞める際は参考にしてみて下さい。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket

【無料EBOOK】競売回避 完全マニュアル

ローン延滞、税金滞納の問題に対して何とかしなければいけないと考えているが、何をすれば良いのかよく分からず悩んでいませんか?
本書は、ローン延滞、税金滞納等で競売に陥った方が、


  • ・任意売却を活用して引き続き自宅に住み続ける方法

  • ・自宅を残しながら借金を最大90%カットする方法

  • ・競売を取り下げ、ローン延滞を無かったことにする方法



など、競売を回避し、あなたに大きなメリットをもたらす具体的な対策内容を詳細に解説しているものです。
ローン延滞、税金滞納の問題でお悩みの方は、本書をご活用の上、活路を見いだして頂きたいと思います。

次のページで目次を確認できます

コメントはこちらからどうぞ