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自己破産の復権とは?条件や効果について絶対に知っておきたいこと

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自己破産をすると、職業や資格、住居や郵便の受取方法など、いろいろな点で制限を受ける可能性があります。

このような制限は一生続くわけではなく、制限が解除されることを「復権」と言います。

自己破産では、具体的にどのような制限を受ける可能性があり、どのような方法で「復権」することができるのでしょうか?

今回は、自己破産の「復権」と、その条件や効果について説明していきます。

1.復権とは何か?

1-1.復権すると自己破産の制限が解除される

自己破産をすると、その後に「復権」することが重要です。

復権というのは、自己破産することによって発生した、さまざまな制限が解除されて、もとの状態に戻ることです。

自己破産をすると、基本的に借金がすべてなくなるため、借金を抱えている場合には根本的な解決方法となります。しかし、借金を0にするという強力な効果がある分、自己破産をすると、債務者にはいろいろな制限が課されます。

ただ、そういった制限が一生続くというのも酷な話ですし、そこまでの制限を課す必要もありません。

そこで、自己破産をしても一定の期間が経過したら「復権」を認めることにより、破産者を一般の人と同じように生活できるようにしています。

1-2.復権で解除される制限の内容

復権で解除されるのは、以下のような制限です。

●資格制限

資格制限とは、破産者が、一定の職業に就けなくなったり、一定の資格を得ることができなくなったりすることです。

たとえば、宅建業者や警備員、弁護士や司法書士などの士業の仕事ができなくなりますし、資格を取得することもできなくなります。

また、自分で財産管理をすることができなくなった人のために財産管理や身上監護を行う仕事である、後見人になることもできません。

たとえば、親などが認知症になったら、子供が成年後見人になって、代わりに財産管理することなどが多いですが、自己破産すると、そういったことができなくなるということです。

資格制限は、自己破産をすると必ず適用されます。

自己破産には、簡単な手続きである同時廃止と、複雑な手続きである管財事件の2種類がありますが、このどちらのケースでも、資格制限を受けることになります。

●住居制限

住居制限とは、居住場所や長期間の旅行を制限されることです。

これは、破産者が財産を隠したり、逃亡したりすることを防ぐことを目的としています。

ただ、引っ越しや旅行が一切認められなくなるというわけではありません。裁判所の許可を取れば、引っ越しも海外渡航をすることも可能です。

また、住居制限については、自己破産の中でも「管財事件」のケースでしか適用されません。

財産がほとんどなく、同時廃止が選択された場合には、住居制限されないので、自由に引っ越しや長期間の旅行をすることができます。裁判所に報告をしたり、許可を取ったりする必要はありません。

●通信の秘密の制限

通信の秘密というのは、郵便の内容を人に知られないことです。

自己破産をした場合には、破産管財人に、届いた郵便を全部開封されて、見られてしまいます。破産手続き開始決定後に届く郵便は、ハガキも封書も書留郵便も、すべて破産管財人の事務所に届いてしまうのです。この場合、届いた郵便は、破産管財人の事務所に受取りに行く必要があります。

通信の秘密が制限されるのは、自己破産が管財事件になったケースのみです。同時廃止の場合には、破産管財人が選任されないので、郵便は普通に自宅宛に届きます。

 

以上のように、自己破産をすると、すべてのケースで資格制限を受けますし、管財事件になると、住居制限や通信の秘密の制限を受けることになります。

これらの制限が解除されることが「復権」です。

2.復権の方法

それでは、自己破産で資格や居住場所が制限されてしまったとき、どのようにしたら復権することができるのでしょうか?

2-1.当然復権と裁判による復権

復権の方法には、2種類があります。1つは「当然復権」、もう1つは「裁判による復権」です。

当然復権とは、特に何もしなくても、その事情があったら自然に復権することです。

裁判による復権は、自ら裁判所に復権の申立をして、認めてもらうことにより復権する方法です。

2-2.当然復権する場合

当然復権するのは、以下の場合です。

  1. 免責許可の決定が確定したとき
  2. 破産手続同意廃止の決定が確定したとき
  3. 再生計画認可の決定が確定したとき
  4. 破産手続開始の決定後、詐欺破産罪によって有罪判決を受けることなく10年が経過したとき

それぞれ詳しく見ていきます。

①免責許可の決定が確定したときは、もっとも典型的な復権のパターンで、ほとんどの自己破産のケースでこの方法により復権が起こっています。

自己破産をして借金がなくなるのは免責の効果ですから、自己破産をすると、免責によって借金がなくなると同時に復権できることになります。

②破産手続同意廃止というのは、債権者の同意により、破産手続きを終了させることです。この場合にも、復権が起こります。

③再生計画認可決定というのは、民事再生(個人再生)により、再生計画が認可されたときのことです。破産手続きの最中やその後に民事再生や個人再生の申立があり、その手続き内で再生計画が認可されて確定したら、復権できるということです。

④詐欺破産罪というのは、財産隠しなどをして破産をした場合などに適用される罪です。

破産手続き開始決定後、免責を受けることができなければ、免責によって復権することはできませんが、詐欺破産罪で有罪判決を受けないで10年が経過したら、その時点で復権することができるとされています。

ただし、当然復権が起こっても、その後復権の基礎となった免責決定や再生計画認可決定が取り消された場合には、復権はなかったことになります。

2-3.裁判による復権

当然復権が認められないケースでも、裁判所への申立によって復権できる可能性があります。

裁判による復権が認められるのは、破産者が弁済やその他の方法で、債権者に対する債務を免れた場合です。

つまり、借金を全額返した場合や、債権者が債務免除して借金返済義務がなくなれば、復権できるということです。

この場合は、当然復権ではないので、破産者が自分から裁判所に申し立てて、復権の決定をしてもらう必要があります。

4.復権するまでの期間

自己破産をして資格制限などが起こったら、それまでしていた仕事ができなくなるので大変な影響が及ぶケースがあります。実際に、自己破産を申し立てて復権できるまでの間はどのくらいなのでしょうか?

自己破産のいろいろな制限が開始するのは、破産手続き開始決定があったときです。その後復権できるまでの期間は、ケースによって異なります。

4-1.免責許可決定によって復権する場合

もっとも多いのは、免責許可決定が確定することによって復権するパターンです。

免責許可決定が出るまでの期間は、自己破産の手続きの種類によって異なります。

財産がほとんどない人のための同時廃止手続きの場合には、破産手続き開始決定後3ヶ月程度です。

これに対し、財産が一定以上ある人のための管財手続きになると、破産手続き開始決定後、半年から10ヶ月程度かかります。

自己破産では、同時廃止になる件数の方が多いので、多くの人が3ヶ月程度で復権できることになります。

以上のように、自己破産で資格が制限されるのは、ほとんどのケースで数ヶ月(1年以内)のことなので、さほど心配しすぎることはありません。

4-2.破産手続き同意決定によって復権する場合

ケースとしては少ないですが、破産手続き同意決定によって復権するケースもあります。

これは、債権者が同意することで破産手続きを終わらせる場合なので、破産が途中で終わるようなイメージです。

これについては、さほど長くの期間はかかりません。債権者の同意が得られるタイミングにもよりますが、数ヶ月程度となることが普通です。

4-3.再生計画認可決定によって復権する場合

これもケースとしては少ないですが、再生計画認可決定によって復権する場合があります。

この場合、自己破産の手続き中や手続き後に民事再生の申立をして、それを進めて再生計画認可決定を受けなければなりません。そこで、民事再生の期間がかかります。

最低でも8ヶ月くらいはかかるでしょう。

4-4.時の経過によって復権する場合

免責許可決定を受けられない場合でも、詐欺破産罪で有罪判決を受けることなく10年が経過したら復権できます。

4-5.裁判によって復権する場合

免責許可決定を受けられない場合でも、債務者がすべての借金の返済をしたり債務免除を受けたりしたら、復権できます。

この場合には、いつ全額の借金を返済出来るかや、いつ債務免除を受けられるかにより、復権のタイミングが変わってきます。最低でも1年はかかるでしょうし、3年や5年以上かかる可能性もあります。

5.その他知っておきたいこと

最後に、復権後について知っておきたいことについて紹介します。

5-1.復権したら元の仕事ができるようになる

復権したら、元とまったく同じように仕事をすることができるのでしょうか?

多くの場合、自己破産前と同様の仕事をすることができます。

たとえば、士業の場合、自己破産中は業務をすることができませんが、自己破産をしても資格自体を失うわけではありません。一時的に制限を受けているだけのことです。

そこで、復権後は、再び資格を活かして仕事をすることができます。

ただ、自己破産中の3ヶ月~8ヶ月程度は、仕事ができなくなるので、事務所を一時閉鎖しなければならないこともあります。すると、顧客が離れてしまうおそれもあるでしょう。

士業などの資格制限を受ける人が自己破産をするときには、資格制限中の仕事をどのようにするのか、事前に検討しておく必要があります。

5-2.復権後でも借金はしばらくできない

自己破産をすると、その後に借金ができなくなることが知られています。

そこで、「復権したら、借金もできるようになるのか?」と考える方がいます。

しかし、復権しても借金はできるようになりません。

自己破産によってローンやクレジットカードが利用できなくなるのは、個人信用情報に「事故情報」というネガティブな情報が登録されるためであり、自己破産による制限とはまったく関係ないことだからです。

事故情報は、自己破産だけではなく、個人再生や任意整理、特定調停をした場合にも登録されます。

自己破産をした場合には、手続き後5年~10年間程度、事故情報が登録され続けるので、その間は借金をすることができません。

そこで、自己破産後は、たとえ復権したとしても、ローンやクレジットカードは利用できないという前提で、生活を続けていく必要があります。

まとめ

今回は、自己破産による資格制限等の制限内容と、復権について解説しました。

自己破産をすると、一部の職業につけなくなる資格制限を受けますし、管財事件になった場合には居住場所の制限や通信の制限も受けます。ただし、こういった制限は、復権すると解除されます。

多くのケースでは、免責許可決定が確定することにより、復権することができています。自己破産によって制限を受ける期間は、だいたい3ヶ月~8ヶ月くらいなので、さほど神経質になることはありません。

借金返済に困っている場合、資格などの制限について、あまり心配をせずに、早めに弁護士に依頼して自己破産を検討してみましょう。

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