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実は払い過ぎ?課税ミスを探し固定資産税を軽減させる全手法

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固定資産税の負担は重たいので、少しでも負担が軽くなると良いなぁと考えたことはありませんか?

実は、固定資産税は、軽減できる可能性が誰にでもあります。

総務省による過去3年の調査結果では、97%の市町村で39万人以上の課税ミスが発覚し、多くの方が5年~20年の税金の還付を受けることができました。(しかも利息付きで!)

もし、あなたが課税ミスを見落としていれば、余計な税金を未来永劫支払い続けることになるのです。

でも安心してください。コツさえ掴めば少しの手間をかけるだけで簡単に課税ミスを発見することができ、あなたも税金の還付を受け取ることができるようになります。

今回は、いかに課税ミスをみつけ、どうやって税金の還付を行えば良いのか、やり方を紹介していきます。

1.固定資産税は自分で調べなければ軽減できない

固定資産税とは、市町村などの自治体が、毎年1月1日時点の不動産の所有者に対して課す税金です。

都市計画区域内にある不動産の場合は、都市計画税という税金も一緒に課税され、あわせて固定資産税と考えられていることが多いです。

■固定資産税・都市計画税の税率

固定資産税の税率:課税標準額の1.4%

都市計画税の税率:課税標準額の0.3%

固定資産税は、自治体があなたの不動産を独自に調べて評価するという方式をとっています。よって、自分で調べるまでは、評価や計算方法に誤りがあったとしても、それを発見することができず、高い税金を払い続けてしまう可能性があります。実際、平成21年~23年の間に、1592市町村の内、97%の市町村でなんと39万人以上の課税ミスが起こっていることが分かりました。(総務省の調査結果)

なので、自分の不動産の評価や税金の計算方法を調べ、誤りがないかどうかを確認することは大切です。誤りを発見できた場合、5年~20年分までの還付と利息も受けられます。

★自宅の固定資産税を調べるには?

毎年4月1日に自治体から送られてくる「課税明細」という書類を探してみてください。この書類に固定資産税の金額、土地・家屋の価格(評価額)、課税標準額が記載されています。もし、紛失してしまった場合でも、市役所などの自治体で取得できる「名寄帳(なよせちょう)」という資料から同じ内容を確認できます。(1通300円)

2.課税ミス探し 土地編

土地の課税ミスを探す一番簡単な方法は、住宅用地の軽減特例の適用がされているかどうかをチェックすることです。土地の課税ミスの多くが、この軽減特例の不適用により発生しているため、ここで軽減特例の知識を深めておきましょう。

自宅やアパート・マンションが建つ土地は住宅用地と呼ばれ、固定資産税・都市計画税の軽減特例が用意されています。

■住宅用地の軽減特例

特例 税金の種類 内容
小規模住宅用地 固定資産税 住宅1戸につき200㎡までの部分の土地評価が1/6になります。
都市計画税 住宅1戸につき200㎡までの部分の土地評価が1/3になります。
一般住宅用地 固定資産税 小規模住宅用地以外の残りの土地は土地評価が1/3になります。(ただし、建物の延床面積の10倍まで)
都市計画税 小規模住宅用地以外の残りの土地は、土地評価が2/3になります。(ただし、建物の延床面積の10倍まで)

ここでいう「住宅1戸につき」とは、自宅であれば「住宅1戸」、6世帯のアパートであれば「住宅6戸」という考え方になります。なので、6世帯のアパートであれば、6戸×200㎡で、1200㎡まで土地評価が1/6になります。

なお、「住宅」には、老人ホームや社員寮なども「住宅」に含まれます。

また、店舗付き自宅、テナントとレジデンスの併用ビル・マンションなどの併用住宅は、住宅部分の割合によって、住宅用地率が変わります。

併用住宅の種類 住宅部分の割合 住宅用地率
地上5階以上の耐火建築物である併用住宅 1/4以上~1/2未満 50%
1/2以上~3/4未満 75%
3/4以上 100%
上記以外の併用住宅 1/4以上~1/2未満 50%
1/2以上 100%

住宅用地率とは、住宅用地として認められる範囲の率です。

例えば、1000㎡の土地に併用住宅があり、住宅部分の割合が1/2未満だと住宅用地率は50%です。そのため、1000㎡の50%である500㎡までが住宅用地として軽減特例を利用できる範囲ということになります。

分かり難いので、以下にいくつかの参考例をあげましたので、参考にしてみてください。

(例1:土地300㎡ 建物200㎡ 自宅の場合)

固定資産税:200㎡までが1/6評価、残り100㎡が1/3評価

都市計画税:200㎡までが1/3評価、残り100㎡が2/3評価

 

(例2:土地1000㎡ 建物200㎡ 自宅の場合)

固定資産税:200㎡までが1/6評価、残り800㎡が1/3評価

都市計画税:200㎡までが1/3評価、残り800㎡が2/3評価

 

(例3:土地2000㎡ 建物100㎡ 自宅の場合)

固定資産税:200㎡までが1/6評価、残り1800㎡の内、800㎡までが1/3評価

都市計画税:200㎡までが1/3評価、残り1800㎡の内、800㎡までが2/3評価

■補足説明

一般住宅用地として認められる面積は、建物の延床面積の10倍までなので、1000㎡までが特例の適用範囲です。なので、1000㎡の内、200㎡は小規模住宅用地で1/6評価、残りの800㎡が1/3評価になります。残った1000㎡の土地は、軽減特例無しとなります。

 

(例4:土地1000㎡ 建物300㎡ アパート6戸の場合)

固定資産税:1000㎡が1/6評価

都市計画税:1000㎡が1/3評価

■補足説明

小規模住宅用地の軽減特例は、住宅1戸につき、200㎡まで1/6評価減が行えます。アパート6戸ですと、6戸×200㎡で、1200㎡までが1/6評価減になります。よって、1000㎡の土地すべてが1/6評価になります。

 

(例5:土地1000㎡ 建物300㎡ 併用住宅 住宅部分の割合1/2未満)

固定資産税:200㎡までが1/6評価、残り800㎡の内、300㎡までが1/3評価

都市計画税:200㎡までが1/3評価、残り800㎡の内、300㎡までが2/3評価

■補足説明

併用住宅で住宅部分の割合が1/2未満のため、住宅用地率は50%です。よって500㎡までが住宅用地としての軽減特例を利用できます。この内、200㎡は小規模住宅用地として1/6評価になり、残り300㎡が1/3評価になります。

課税明細書の見方

課税明細書の見方を説明する上で、横浜市が作成している「課税明細書の見方」が役に立ちます。どんな資料かざっと目を通してみてください。自治体によって書式が異なりますが、だいたい同じですので参考にしてみてください。

 

(画像引用元 横浜市ホームページ

PDFファイルダウンロードリンク 課税明細書の見方 土地

PDFファイルダウンロードリンク 課税明細書の見方 家屋

では、ここで、あなたの手元の課税明細、または名寄帳をチェックしてみてください。

「価格(評価額)」という項目と、「固定資産税 課税標準額」、「都市計画税 課税標準額」という項目があると思います。「価格(評価額)」に軽減特例を適用した金額が課税標準額となります。建物については軽減特例が無いため、「価格(評価額)」と課税標準額が同じになります。

自宅やアパート・マンションの住宅用地なのに、「価格(評価額)」と「課税標準額」が同じ金額になっている場合は、課税ミスである可能性が高いでしょう。

自分で念のため計算をしてみて、住宅用地の軽減特例が適用されているかどうかチェックしてみましょう。

なお、課税のミスが起こりやすい例を以下に紹介しておきます。当てはまる場合は、より一層注意深くチェックするようにしてみてください。

■課税のミスが起こりやすい例

  • 増築をした場合
  • 2世帯住宅に改築した場合
  • 住宅と店舗は隣接している場合
  • 店舗を閉鎖して、住宅として利用している場合
  • アパート・マンションの場合
  • アパート・マンションの駐車場がある場合
  • 社員寮の場合
  • 老人ホームの場合

3.課税ミス探し 建物編

建物の評価は、固定資産税評価基準に基づき、屋根、基礎、外壁、内壁、天井、床、建具、設備等、かなり細かく評価され、各評価点数を積み上げて、評価額を決めます。詳細は「固定資産評価基準」で確認できますが、自分で1つ1つ確認することは難しいため、違うアプローチで課税ミスを探します。

なお、自分の建物の評価方法の詳細を知りたい方は、自治体に出向いて「再建築費評点計算書」「部分別評点調査表」という書類を取得することで詳細を確認できます。

それでは、建物の課税ミス探しの2つのアプローチを紹介していきます。

  1. 登記上の床面積と、課税明細(または名寄帳)上の床面積を比較する
  2. 毎年4月1日~4月20日に開催される総覧帳簿の閲覧制度を活用する

課税ミス探しその1:登記上の面積と、課税明細(または名寄帳)上の床面積を比較する

登記上の床面積を知る方法は、法務局に出向いて自宅の登記事項証明書を取得することで確認できます。(1通600円)この登記上の床面積と、課税明細(または名寄帳)上の床面積を比較し、同じになっているかどうかをチェックしてみましょう。もし、課税明細(または名寄帳)上の床面積のほうが大きくなっている場合は、固定資産税を余計に払い過ぎている可能性がありますので、自治体に問い合わせてみましょう。

課税ミス探しその2:周辺の建物と比較して、課税ミスの有無を推測する

あなたが、周辺建物の固定資産税額を知っている場合、自分の不動産の固定資産税と比較することで課税ミスを発見することができる場合があります。

あなたがご近所の方と親密であれば口頭で固定資産税を聞いても良いですし、聞き難い場合でも、毎年4月1日~4月20日開催される総覧帳簿(そうらんちょうぼ)の閲覧制度を利用すれば、周辺建物の固定資産税額を調べることができます。この期間内であれば、あなたは周辺建物の固定資産税と自分の不動産の固定資産税を比較することができるのです。興味のある方は次回の総覧帳簿に市役所など自治体に出向き、総覧帳簿を閲覧してみてください。

周辺の建物と比較した結果、自分の建物の固定資産税が高いと感じた方は、課税ミスの可能性が高いです。

比較方法は、まず自分の建物の評価額を、床面積で割って、㎡単価を算出します。建物評価が500万円で、100㎡の床面積であれば、㎡単価は5万円/㎡となります。

次に、ご近所の建物の㎡単価も同様に算出して、自分の㎡単価と比較してみましょう。一見同じような建物なのに、㎡単価に大きな乖離がある場合は、過大評価されている可能性がありますので、その理由を自治体に問い合わせてみましょう。

★新築・耐震改修・バリアフリー改修・省エネ改修の建物は固定資産税の軽減特例がある

新築の建物(床面積50㎡(貸家住宅は40㎡)以上~280㎡以下)の場合、120㎡までの床面積につき、固定資産税が3年~7年にわたり固定資産税が1/2に減額されます。

また、耐震改修・バリアフリー改修・省エネ改修でも固定資産税を軽減できり特例が用意されていますので、思い当たる方は各自治体に詳細を確認してみてください。

なお、総務省作成の「固定資産税のしおり(平成27年度)」も参考になるため興味のある方はチェックしてみてください。

4.課税ミスがあると分かった場合に税金の還付を目指す方法

固定資産税に問題があると分かった時は、以下2つの制度を利用して税金の還付を目指します。

制度 是正を求める内容 申出・申立ができる期間 提出書類
審査申出 評価額のみ 納税通知書の交付を受けた日の翌日から起算して60日以内
ただし、原則「基準年度」のみ
固定資産評価審査申出書
(自治体で入手可能)
不服申立(異議申立) 評価額以外に関する事項
(例)課税標準額、税額など
納税通知書の交付を受けた日の翌日から起算して60日以内 不服(異議)申立書
(自治体で入手可能)

※「基準年度」とは、評価額を見直す年のことで、3年ごとに訪れます。前回は平成27年度、次回は平成30年度が基準年度にあたります。

審査申出は、課税明細に記載された「評価額」についてのみ不服の申出が行えます。「評価額」以外の不服がある場合は、不服申立(異議申立)を利用します。課税ミス(軽減特例の不適用)を争う場合は、不服申立(異議申立)を利用して税金の還付を目指します。

ポイントその1:税金の還付をしてもらうには「還付請求」をする必要がある

あなたの指摘した課税ミスが認められた場合でも、「では、今年から修正します。」で済ませる行政が実は多いのです。税金を還付してもらうには、「払い過ぎた税金を返してください!」と請求しなければなりません。

ポイントその2:税金の還付は原則5年分まで 自治体によっては10年分~20年分の還付もある

法律上は最長5年分までの還付しか認めていませんが、自治体の条例で5年以上(10年~20年)の還付を行う対応をしている自治体が大半です。あなたの自治体の還付してもらえる年数を知るには、「自治体名 過誤納金取扱要綱」とグーグルで調べてみてください。そうすると、何年分までの還付が認められるのか調べることができます。でてこない場合は、自治体に電話で確認してみましょう。

ポイントその3:訴訟をする場合は、費用対効果を考慮して判断すること

あなたの請求却下になった場合は、合理的な理由で却下になったと推測されるため、あきらめることも必要です。ただし、6ヶ月以内であれば訴訟を提起することもできます。しかし、その場合はお金・労力・時間がかかりますので、費用対効果を検討した上で判断するようにしてください。

ポイントその4:行政と交渉する際は、回答はすべて書面でもらうこと

行政と交渉をする際注意しておきたいのは、行政側は「~することになっています。」「~という決まりです。」のような回答であなたの請求を一蹴してしまうケースがあるということです。でも、ここであきらめてはいけません。

もし、このような回答をされた場合は、「今ご説明された内容の根拠となる法律や条例の該当箇所を教えてください。」と言ってください。その上で、「今ご説明された内容を書面で回答して頂けますか?この後専門家に相談しに行きますが、後で言った・言わないになると困りますので。」と要求してみましょう。行政側の主張をこちらでメモをとり、そのメモに行政側の担当者に署名をしてもらっても良いでしょう。とにかく証拠を残すことが大切ですので、会話を録音するなり、書面で回答をしてもらうなり、必ず証拠を残すようにしましょう。

以上のポイントに気を付け、税金の還付を勝ち取ってください。

5.まとめ

今回は、いかに課税ミスをみつけ、どうやって税金の還付を行えば良いのか、やり方を紹介してきました。コツさえ掴めば少しの手間をかけるだけで簡単に課税ミスを発見することが理解できたと思います。

この記事をみた方は、さっそく自分の所有不動産の課税ミスを探してみてください。

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