自己破産

自己破産によるデメリットとそれらを回避する方法のすべて

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借金返済が苦しくなってしまったら、自己破産をすると借金をチャラにすることができるので、非常に大きなメリットがあります。自己破産は、借金問題解決方法の最後の砦とも言われます。

しかし、自己破産にはマイナスイメージが強く、「デメリットが心配…」という方も多いでしょう。

実際には、自己破産には世間で思われているほど大きなデメリットではなく、それらを回避することも可能です。

そこで今回は、自己破産のデメリットと、デメリットを回避する方法について解説します。

Contents

1.自己破産のデメリット

自己破産をするときのデメリットにはどのようなものがあるのでしょうか?以下で、順番に見ていきましょう。

1-1.個人信用情報に事故情報が登録される

自己破産をするときの大きなデメリットの1つは、自己破産をするといわゆるブラックリスト状態になってしまうことです。ブラックリスト状態になると、ローンやクレジットカードなどを利用することができなくなってしまいます。

これは、自己破産をすると、個人信用情報に事故情報が登録されてしまうためです。

個人のローン利用情報である個人信用情報は、信用情報機関という機関が管理していて、消費者金融やカード会社、銀行などは、ローンやクレジットカードの申込みを受けると、申込者の個人信用情報を参照します。そのときに、問題のある情報が登録されていたら審査に落としてしまいます。

そのため、自己破産をして個人信用情報に事故情報が登録されると、ローンやクレジットカードの審査に通らなくなって、これらを利用することができなくなってしまうのです。

ただ、このようなブラックリスト状態になるのは、自己破産に限った問題ではありません。デメリットが少ないイメージのある任意整理でも個人信用情報に事故情報が登録されますし、特定調停や個人再生でも同じです。

自己破産の場合、事故情報が消去されるまでの期間が比較的長期になることには注意が必要です。

任意整理の場合には、手続き後5年~7年くらい経てば事故情報が消去されますが、自己破産や個人再生の場合には、手続き後最大10年程度、事故情報が登録され続けてしまいます。特に銀行系のローンを利用するときに問題になりやすいです。

債務整理後、住宅ローンなどを利用したいとしても、自己破産すると10年程度は利用できなくなる可能性が高いので、注意しましょう。

1-2.財産がなくなる

自己破産をすると、所有している財産はなくなります。

ただ、すべての財産が無くなるわけではなく、預貯金や生命保険、車などの個別の財産については、「20万円を超える」価値のものがあると失われます。

それ以下のものであれば、持ったまま破産することができます。

また、現金であれば99万円まで持ったまま破産することができます。ただし、財産全体の評価額が99万円を超えると没収されてしまいます。

そこで、自己破産をするときには、全体として99万円分の財産を持ったまま破産することができます。

それ以下の財産しかない場合には、このデメリットを余り心配する必要がありません。

これに対し、たとえば不動産などを持っている場合には、確実に失われることになります。遺産相続した財産がある場合などにも、自己破産をすると失われてしまうので、要注意です。

1-3.必要書類が多い

自己破産をするときには、相当膨大な量の書類を集めないといけません。

裁判所を使った手続きなので、申し立ての際に必要書類がそろっていないと、手続きを開始してもらうことすらできません。

必要書類の中には、破産者自身が集めないといけないものも多いです。たとえば住民票や給与明細書、源泉徴収票、預貯金通帳や取引履歴、生命保険証書や解約返戻金の証明書、車検証や車の査定書などが必要ですし、2ヶ月分の家計収支表も作成しなければなりません。

弁護士に破産を依頼しても、その後書類がいつまで経ってもそろえられないので、申し立てが遅れ続けて弁護士に辞任されてしまう人もいます。

1-4.管財事件の場合、時間かかなりかかる

自己破産には、2種類の手続きがあります。

1つは同時廃止といって、財産がない人のための簡単な手続きです。

もう1つは管財事件といって、財産が一定以上(先ほど財産が失われるかどうかでご紹介した基準を超える場合)ある人のための複雑な手続きです。

管財事件になると、破産手続にはかなり長時間がかかります。

少なくとも半年以上はかかることを覚悟しなければなりませんし、事案によっては1年近くかかってしまうこともあります。

これに対し、同時廃止の場合にはあまり時間はかかりません。だいたい3ヶ月もあれば免責決定が下りるので、任意整理より早く手続きが終わることもあります。

1-5.一定の職業に就けなくなる

自己破産をすると、手続き中に一定の職業に就けなくなることがデメリットとなります。

たとえば弁護士や司法書士、行政書士や税理士、公認会計士などの「士業」の仕事はできません。

警備員や保険の外交員、貸金業や質屋営業、旅行業者や宅建業者の仕事にもつけなくなります。

さらに、成年後見人や保佐人などになることもできなくなります。成年後見人とは、判断能力が低下した人の財産を管理する職務を行う人です。

このように、自己破産によって職業や資格の制限を受けることを、「資格制限」と言います。

資格制限が続くのは、破産手続開始決定時から免責決定が確定するまでの間です。そこで、免責が下りたらまた制限されていた仕事をすることも可能です。

同時廃止なら3ヶ月くらい、管財事件なら半年くらいの間、制限された職業に就けなくなると考えると良いです。

1-6.免責不許可事由により免責にならない

自己破産には「免責不許可事由」があります。

免責不許可事由とは、その事情があると「免責」が認められなくなる事情のことです。

免責とは、裁判所が借金の支払い義務を免除してくれる決定のことで、自己破産をすると借金がなくなるというのは、「免責」の効果です。

自己破産をしても免責してもらえないなら借金がなくならないので、自己破産をする意味がありません。

免責不許可事由としては、たとえば浪費やギャンブルによって借金を作った場合、一部の債権者だけを特別扱いして支払をした場合、財産隠しをした場合、返済ができないとわかっていながらあえて借入をしたときなどです。

また、以前に自己破産をしている場合、それから7年以内に自己破産を申し立てたときにも、やはり免責が認められません。

ただ、自己破産には「裁量免責」という制度があります。

裁量免責とは、免責不許可事由があっても、裁判所がその裁量によって、免責を認めることです。

そこで、浪費やギャンブル、株式取引や宝くじなどによって借金を作った場合でも、実際には多くのケースで裁量免責により、免責を認めてもらっています。

特に1度目の破産の場合には、裁量免責が認められやすいので、さほど神経質になる必要はありません。

1-7.保証人に迷惑がかかる可能性がある

保証人がついている借金がある場合に自己破産をすると、保証人に大きな迷惑が及ぶ可能性があるので、注意が必要です。たとえば、借り入れをするときに親や親戚、友人知人などに保証人をお願いすることも多いです。

保証人は、主債務者(借り入れした本人)が返済をしないときに代わりに返済しないといけない義務を負います。また、主債務者が破産をしても、保証人の保証債務は無くなりません。

そのため、主債務者が自己破産をすると、保証人は代わりに残債務を返済しないといけなくなってしまうのです。

保証人も支払いができない場合には、保証人自身も自己破産などの債務整理をしなければならなくなってしまいます。

また、主債務者が黙って自己破産をしたことをきっかけに、主債務者と保証人との間でトラブルになったり、人間関係が壊れてしまったりすることも多いです。

1-8.個人からの借金があると手続きが面倒になる

自己破産をするときには、債権者の意見も確認されます。

個人再生とは違い、反対されたからと言って免責が認められなくなることはありませんが、債権者から文句が出ると、反論やその他の対応が必要になって手続きが長びきます。

カード会社などの貸金業者は、顧客が自己破産することに慣れているので、顧客が破産したからと言っていちいち反応しませんし、意見も出してきません。弁護士が介入した時点で、一切の連絡がなくなります。

これに対し、個人の債権者は、貸付先に突然破産されるなど、通常初めてのことが多いです。

そこで、弁護士からの通知を受けとったら、債務者宛に「どうなっているんだ?」と連絡してくることが多いですし、家まで訪ねてくる人もいます。「だまされた!」「詐欺!」などと言われて大騒ぎになってしまうこともあります。当然、人間関係は壊れてしまうでしょう。

このように、個人からの借金があるときに自己破産をすると、手続をスムーズに進めにくくなります。このことも、自己破産のデメリットの1つと言えるでしょう。

1-9.手続きが厳しい

自己破産は、裁判所を使った債務整理の方法であり、中でも手続きが厳しい手続きです。

自己破産には「借金を0にする」という強力な効果が認められるため、そう簡単に認めるわけにはいかないからです。

書類が全部そろわないと手続きが開始しないことを始めとして、裁判所からの指示事項にも適切に従わないと手続を進めてもらうことができません。

補正(修正)を指示されても従わないでいると、手続きの取り下げなどを促されてしまうこともあります。そこで、自己破産をするなら、免責を受けるまで気を抜かず、弁護士の指示に従って確実に手続を進めていくことが大切です。

1-10.住居制限、長期旅行制限されることがある(管財事件のケース)

自己破産の中でも、管財事件になると、居住場所や長期旅行を制限されることになります。

ただ、引っ越しや旅行ができないという意味ではなく、裁判所の許可を得たら許されます。

たとえば、家賃が安い家に引っ越しをしたいときやお葬式などのために遠方や海外に渡航したいときなどには、申請をしたら認められるので、心配しすぎることはありません。

またこの制限についても、免責を受けて手続きが終了したら解除されます。

同時廃止の場合には、そもそもこのような制限を受けることがありません。

1-11.郵便物が転送されてしまう(管財事件のケース)

自己破産のなかでも、管財事件になると、債務者宛に届いた郵便物が自宅に届かなくなります。

管財事件では、債務者の財産は管財人が管理することになります。その一環として、破産者宛の郵便も管財人が管理することとなるのです。

破産者宛に届いた郵便物は、すべて管財人の事務所(管財人は、裁判所の管内の弁護士が就任していることが多いので、その弁護士の事務所になります)宛てに転送されます。

そこで、たとえば公共料金や電話代などを振り込み支払いにしている場合には、毎月管財人の事務所に取りに行かないといけませんし、選挙の通知なども管財人に届くので、受取りの必要があります。

就職活動中の場合などには、企業からの採用不採用通知が管財人の事務所に届くので、結果がどうなったのかを管財人に確かめるか、郵便物を取りに行かないといけません。

管財事件の場合にはこのような不都合なことが発生してしまうのです。

1-12.専門家への依頼が必要

自己破産は、必要書類も多く、裁判所からの指示事項もたくさんあり、きちんとそのとおりにすすめていかないといけない手続きであることから、債務者が自分一人の力ですすめていくことは難しく、専門家の助けが必要です。

自分一人で自己破産しようとすると、そもそもどのような書類を集めたら良いのかがわからないことが多く、裁判所に行ったら、裁判所書記官から「弁護士に相談した方が良いのでは?」と弁護士への依頼を促されることもあります。

弁護士に依頼すると言っても、普通の人は弁護士の知り合いなどいませんから、まずは自己破産を受けてくれる弁護士などを探さないといけませんし、弁護士費用もかかってしまいます。

債務整理の中でも、特定調停なら自分一人ですすめることが容易ですし、そのことによって費用を節約することもできるので、それと比べると自己破産にはデメリットがあります。

1-13.費用が高くなることがある

自己破産は、他の債務整理方法と比べて費用が高くなることがあります。

特に、管財事件になると費用の金額が跳ね上がります。

まず、自己破産をするときには、弁護士に依頼しないと対応が困難ですから、弁護士費用がかかります。

同時廃止の場合には20万円~30万円くらいですが、管財事件になると30万円~50万円がかかります。

さらに、裁判所に納める実費も必要です。

同時廃止の場合には、2万円もあれば足りますが、管財事件の場合には「管財予納金」という費用がかかるため、最低20万円が必要となります。
弁護士に依頼しない場合には、予納金が50万円程度になることもあります。

そこで、自己破産は、同時廃止になった場合には22万円~32万円程度かかりますが、管財事件になると、最低50万円~70万円以上かかってしまうのです。

この点、任意整理なら弁護士に依頼しても10万円程度で済むこともあるので、自己破産がどれだけ高額かはわかって頂けるでしょう。

2.デメリットを回避する方法

自己破産をすると、確かに上記で紹介したような多くのデメリットがあることは確かです。

しかし、このようなデメリットの多くは回避できます。自己破産を検討している方は以下で紹介する方法に必ず目を通してください。

2-1.ブラック状態でも賢く生活する

まずは、ブラックリスト状態になってしまう問題を回避する方法を考えることが大切です。ただ、ブラックリスト状態になること事態を避ける方法はありません。

そこで、ブラックリスト状態でも賢く生活をする方法を知っておくことが役立ちます。

たとえば、家族がいるなら家族名義でクレジットカードを作って家族カードを使わせてもらったら、さほど不便に感じることはないでしょう。共働きの夫婦などの場合には、夫や妻の名義で住宅ローンを申し込んだら、住宅ローンを利用することも可能です。

一人暮らしで自分名義のカードを作りたい場合には、デビットカードを利用すると良いです。

デビットカードとは、利用と同時に預金口座から引き落としが行われるカードのことですが、今多くの銀行が発行に積極的になっているので、申し込んでみると良いでしょう。カード利用と同時に引き落としが行われるので、利用者の信用力が問題にならず、ブラック状態でも発行することができます。

また、auウォレットカードなどのプリペイド型電子マネーを使うのも良いですし、ETCカードが必要な場合には、高速道路会社が発行しているETCパーソナルカードなら、ブラック状態でも利用することができます。

さらに、ブラック状態も一生続くわけではなく、自己破産をした場合でも手続き後5年~10年くらいしたら解消されます。そうしたら、自分でもまたローンやカードを利用することができるようになります。

2-2.財産は使ってから破産する

自己破産のデメリットの多くは、管財事件になると大きくなります。

たとえば、「財産が無くなる」というデメリットが有名ですが、これは管財事件固有のものであり、同時廃止の場合には、財産が無くなることがありません。

手続きにかかる期間も管財事件になると非常に長くなりますし、費用も管財事件になると跳ね上がります。住居制限や旅行制限が行われるのも、管財事件のケースのみです。

そこで、自己破産をするときには、なるべく同時廃止で進めてもらえるように取り組むとデメリットを避けやすいのです。

具体的な方策としては、財産を持たないことです。

個別の資産で20万円、現金なら99万を超える資産があると、管財事件になってしまいます。そこで、たとえば生命保険や預貯金などのお金があるなら、換金をして生活費などのために使ってから破産をしましょう。

不動産も、任意売却などで処分をしてからであれば、同時廃止にしてもらうことが可能です。

ただし、高額な財産を一気に使ってしまったら、「何に使ったのか」が問題になります。

財産の使途をきちんと説明できないと、財産隠しを疑われてしまって破産手続に問題が発生してしまうため注意が必要です。

そこで、預貯金や生命保険を現金化するなら、生活費や子どもの学費などの有用の資にあてる必要があります。

また、まとまったお金を使った場合でも、それを弁護士費用に充てるのであれば許されます。そこで、生命保険の解約返戻金などがある場合、弁護士費用の分だけを残して、その他のあまりを生活費などに使ってしまってから自己破産すると良いでしょう。

2-3.何度か支払いをしてから自己破産する

自己破産をするとき、一回も支払をしていない借入先がある場合には、注意が必要です。

この場合、本来返済できる能力も意思もないのに借入をしたとして、詐欺的な借り入れとみなされて免責不許可事由に該当してしまうおそれがあるためです。

そこで、借入時期の新しい債権者がいる場合には、最低1回、できれば何度か支払をしてから弁護士に対応を依頼することをおすすめします。

そうすれば免責不許可事由があると言われにくくなります。

ただ、そもそも返済ができないなら借り入れをするべきではなく、借り入れをする前に弁護士に依頼することがベストです。

2-4.裁量免責してもらう

一般的には、浪費やギャンブルがある場合には自己破産ができないかのように言われていますが、実際にはそういうわけではありません。

多くのケースでは、1-6で説明した「裁量免責」をしてもらうことができます。

たとえば、パチンコや競馬などのギャンブル、買い物、旅行などの浪費、先物投資や株式投資などでの損失がある場合には、弁護士と相談しながら裁量免責を狙って自己破産をしましょう。

2-5.保証人とはよく話し合ってから破産する

保証人がついている借金があるときに自己破産するなら、慎重に対応しなければなりません。

たとえば以下のようなケースです。

    • 事業用のローンや未払家賃がある場合
    • 住宅ローンで元配偶者が連帯保証人になっている場合
    • 奨学金を利用して親が連帯保証人になっているケース

など

この場合、保証人に何も言わずに自己破産をすると、債権者が保証人に対して内容証明郵便などで残債務の一括請求書を送ってしまうことなどが多く、保証人は仰天してしまいます。

保証人から「どうなっているのか?」と問合せが来て、トラブルに発展することも多いです。

そこで、保証人がいるときに自己破産をするときには、必ず事前に保証人とよく話し合っておくことが必要です。

まずは、「どうして破産しなければならないのか」という事情を説明して理解してもらいましょう。

そして、自己破産をすると、保証人に請求が来ることを説明し、その場合、保証人が債権者と話し合って分割払いをしていくことができる可能性があることも説明します(ただし、絶対ではないので、確約はしないことです)。

その上で、保証人も支払いができないなら、保証人自身が債務整理をすることにより借金問題を解決できることを告げましょう。

もし、保証人も自己破産したいというのであれば、一緒に弁護士に相談に行っても良いですし、少し考えてみたいということであれば、後日問合せがあったときに、自分が依頼している弁護士紹介してあげても良いです。

また、借金については、免責後(自己破産完了後)に自主的に保証人に返済することは自由です。

そこで、保証人が債権者からの支払い請求に応じて支払をしたのであれば、免責後に少しずつ保証人に返済していってもかまいません。

このように、誠実に対応することによって、保証人への迷惑も最小限に抑えることができますし、人間関係のトラブルも避けることが可能となります。

なお、保証人の自宅守る方法もありますので、以下の記事も参考にしてみて下さい。

「連帯保証人のチェックポイントと連帯保証人の自宅を守る4つの方法」

2-6.個人の債権者に対しては対応方法に注意する

個人からの借金がある場合にも、慎重に対応する必要があります。

ただし、この場合、保証人のケースとは違い、やみくもに「自己破産します。済みません」と言って謝ったら良いというものではありません。

債権者は、自分が貸付をしている本人ですから、そのように言われると余計に逆上してしまうこともあるからです。

そこで、事前に伝えるとトラブルになりそうな相手については、何も言わずに弁護士に対応を依頼してしまう方が良いこともあります。

反対に、人間関係を大事にしたい相手や、話をすればわかってもらえそうな相手については、事前に連絡を入れて、「自己破産をする」ことを伝えておきましょう。

たとえば親や兄弟、友人などから借入をしているときには、自己破産が必要な事情と、近日中に弁護士からの受任通知が届くので、対応をお願いしたいことを伝えておくと、スムーズに手続きが進みます。そして、免責後はそのような人たちに対し、少しずつでも良いので返済をしていくと良いでしょう。

2-7.法テラスを利用して費用を抑える

自己破産の大きなデメリットは、費用が高額になることです。

このデメリットを回避するためには、法テラスを利用することをお勧めします。

法テラスとは、経済的に余裕がない人のための法律援助を目的にした機関で、正式名称を「日本司法支援センター」と言います。

全国に地方事務所があるので、近くの地方事務所を利用することができます。

法テラスでは無料法律相談が有名ですが、今回おすすめしたいのは「民事法律扶助」という制度です。

これを利用すると、法テラスが弁護士費用を立替払いしてくれるので、債務者が自分で費用を用意する必要がありません。立て替えてもらった費用は、月々5000円~1万円ずつ返済していけば足ります。

しかも、民事法律扶助を利用するときには、弁護士費用が「法テラス基準」になります。

法テラス基準は、通常一般の弁護士事務所に依頼する場合と比べて劇的に安く、実費と着手金を含めても、だいたい20万円以下で手続きができます。しかも、同時廃止でも管財事件でもかかる費用が変わりません。

ただし、予納金だけは本人負担となります。同時廃止なら1万円あまり、管財事件なら22万円程度の費用が必要です。

これについても免除を受ける方法があります。

法テラスでは、生活保護を受けると一切の償還が不要となります。

破産時には生活保護を受けていなくても、後に受けるようになったらその時点から償還が不要になります。そして、生活保護受給者の場合には、予納金の立替払いも受けることができるのです。

つまり、生活保護受給者の場合には、完全に無料で弁護士に依頼して自己破産ができるということです。

そこで、生活が苦しくて自己破産を行い、その後生活保護を受けようとしている方などの場合、法テラスを利用して弁護士に依頼することを強くおすすめします。

法テラスに対応している弁護士であれば、自分で選んだ弁護士に対応してもらうこともできるので、まずは法律事務所のホームページを検索してよさそうな弁護士を探し、その弁護士が法テラスに対応しているかどうかを聞いてみましょう。OKということであれば、自己破産の対応を依頼すると良いでしょう。

生活保護を受けてから、自己破産をする選択肢もあります。借金がある状態でも、生活保護受給後に、債務整理する旨を伝えれば、生活保護の受給ができます。

生活保護の受給条件や申請方法については生活保護の申請手続きを自分で行うための全知識で詳しく解説していますので、参考にしてみてください。

2-8.無料相談を利用して、良い専門家を探す

自己破産の費用が高すぎて用意できないときでも、法テラスを利用するためには、収入や財産が一定以下である必要があります。ケースによっては利用できないこともあるでしょう。

この場合には、なるべく費用が安い弁護士を探す必要があります。

今は、多くの弁護士が借金問題の無料相談を行っていますし、顧客獲得競争も激しくなっています。

そこで、いくつかの弁護士事務所で無料相談を受けて、それぞれの特徴を比較して、もっとも良さそうな弁護士事務所を選びましょう。

まずは費用が安いこと、そして親切に対応してくれること債務整理が得意なことなどが重要です。良い弁護士に手続を依頼すると、各場面で手続きがスムーズに進むので、各種のデメリットを最小限にとどめることができます。

今後自己破産をするのであれば、無料相談を利用して、リーズナブルな良い弁護士を探すことが重要なポイントとなります。

3.結局、自己破産をすべき?判断基準と適切な対処方法は?

さて、自己破産のデメリットとその回避方法をいろいろと検討してきましたが、結局自己破産をした方がいいのか、やめておいた方がいいのか、その判断基準はどのように考えたら良いのでしょうか?

ここでは、その判断基準についてお伝えします。

3-1.財産があるかどうか

もっとも重要なポイントは、失う財産があるかどうかということです。

絶対に失いたくない大切な財産があるなら、自己破産をしてはいけません。

たとえば親から引き継いだ大切な不動産がある場合、失いたくない家がある場合などには、自己破産すると確実になくなるので、他の手段を考えるべきです。

反対に、特に財産もないのであれば、気軽に破産してしまっても問題ありません。

●具体的な対処方法

守りたい財産がある場合には、自己破産以外の債務整理方法を検討しましょう。

任意整理、特定調停、個人再生のどの方法でも、財産が無くなることはありません

たとえば住宅ローンがあるなら、個人再生の住宅資金特別条項を使うことが非常に効果的です。

ただし、個人再生では、所有している財産の評価額と同額までは借金として残ってしまうので、「高額な資産」を持っている場合には個人再生は向きません。

任意整理であれば、債務者が所有している財産は一切問題になりません。

そこで、たとえばローンなしの不動産やその他の高額な資産がある場合には、任意整理をするとよいでしょう。

車のローンを組んでいて所有権留保がついている場合(車の名義がローン会社になっている場合)にも、任意整理であれば車を守ることができます
個人再生をすると、名義がローン会社の場合、基本的に車がなくなります。

3-2.仕事への影響があるかどうか

1-5でも説明しましたが、弁護士や司法書士、税理士など、資格制限を受ける仕事をしている人の場合、自己破産をすると業務を一旦停止しなければならないおそれがあります。

管財事件になると、半年以上の間仕事ができなくなるので、影響は大きいです。

このような場合にも、自己破産を選択するのをやめて、別の方法を考えた方が良いケースがあります。

仕事への影響を避けたい場合には、自己破産以外の債務整理を検討すると良いです。

資格制限があるのは自己破産だけなので、自己破産以外ならどの手続きでもかまいません。

借金の額が小さければ任意整理をすると良いですし、大きな借金があるなら個人再生をして、借金返済額を大きく減額してもらいましょう。

3-3.保証人や個人の債権者への影響があるかどうか

個人からの借入があったり、保証人がついている借金があったりする場合には、自己破産をするとそれらの人に迷惑をかけてしまいます。

どうしても借り入れした個人や保証人迷惑をかけたくない場合には、自己破産は向いていません。

そうではなく、対象とする債権者を選べる別の債務整理手続を行った方が良いです。

保証人や個人の債権者に対する影響を避けたい場合には、自己破産と個人再生以外の債務整理手続を行いましょう。

自己破産と個人再生には、債権者平等の原則という決まりが適用されるため、すべての債権者を対象にしなければなりません。そこで、保証人がついている借金や個人からの借金を対象から外すことができないためです。

任意整理や特定調停であれば、対象にする債権者を選べるので、保証人つきの借金や個人からの借金を外して貸金業者からの借金だけを対象にすると、迷惑をかけずに済みます。

3-4.度重なる自己破産をしているかどうか

自己破産は、いったん免責を受けると、その後7年間は免責を認めてもらうことができません。また、7年が経過していても、前の自己破産の際に浪費やギャンブルが原因で破産しており、再度同じような原因で借金ができていたら、「反省がない」とみなされてしまいます。

このような場合には、免責を認めてもらえないおそれが高くなります。

前回の破産から7年以内のケースや、前回と同じ免責不許可事由がある場合(しかも程度が酷い場合)には、自己破産をやめておいた方が良いケースがあります。

こうした自己破産の免責不許可事由に該当してしまうおそれがある場合には、他の債務整理方法を検討してみましょう。

免責不許可事由があるのは自己破産だけなので、利用するのは他のどの方法でもかまいません。

借金が小さい場合には任意整理、多額な場合には個人再生(小規模個人再生)を利用すると良いでしょう。

また、前回の自己破産から7年が経過しておらず、あと数ヶ月程度待てば7年になる場合などには、弁護士に事情を説明してしばらく時間をおき、7年が経過した時点で自己破産を申し立てることも考えられます。

4.まとめ:適切な方法で、借金問題を解決しよう!

以上のように、自己破産にはデメリットがそれなりにありますが、そもそも世間で思われているほど重大ではないものも多いです。

また、工夫次第で避けることができるデメリットもたくさんあります。

どうしてもデメリットを避けられない場合には、個人再生や任意整理などの別の債務整理手続を利用することによって、借金問題を解決することもできます。

借金があるときには、手続きの選択方法が非常に重要ですが、自分ではベストな解決方法がわからないでしょうから、弁護士に対応を依頼することが大切です。債務整理に強い良い弁護士であれば、自己破産のデメリットも適切に説明してくれて、避けるための対応方法についてもアドバイスしてくれるでしょう。

借金があって自己破産を考えているなら、まずは一度、債務整理に力を入れている弁護士事務所に連絡をして、無料相談を受けてみることをおすすめします。

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