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いつまで請求できる?過払金請求の時効について

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jikou

最近、過払金請求のCMをよく見かけるので、「私もできるかも」と思われる方も多いかと思います。

しかし、「過払金は10年経つと請求できなくなる」ということは聞いたことがありますか?

過払金の請求はいつでもできるわけではありません。過払金請求をしようと思っていても、時効を過ぎてしまうと払い過ぎたお金が戻ってこなくなってしまうのです。

この記事では、過払金が発生している場合、いつまでに請求しないといけないのかについて説明していきますので、過払金について心当たりのある方はぜひ目を通すようにしてください。

1 過払金の時効は完済してから10年

過払金がいつまで請求できるのか?

結論から言うと、借金を全部返してから(完済してから)10年で過払金の請求はできなくなります
民法上、過払金返還請求権のような請求権は「不当利得返還請求権」というものにあたり、この不当利得返還請求権は10年で時効によって消滅してしまうためです。

「お金を借りた時から10年で時効」と誤った認識を持っている方もおられますが、借りたのが10年以上前であっても、完済したのが10年以内であれば過払金が帰ってくる可能性は十分にあります

しかし、逆に、今もまだ取引があるから時効の問題は大丈夫だろうというと、絶対に大丈夫というわけではありません。

単純に借金を全部返してから10年といっても、様々なケースがありますので、具体的な取引ごとの時効の考え方を見ていきましょう。

【ケース1】完済後、取引が全くない場合

まずは、単純なケースとして、お金を借りて完済した後、全く取引がない事例を見ていきます。

(例)太郎さんは、平成10年3月1日にA社から100万円を借りて、少しずつ返済を続け、平成18年3月1日に完済した。

この取引の場合、平成18年3月1日から10年のカウントが始まるので、平成28年3月2日以降(10年経ってしまった後)に請求すると、A社から「時効なので過払金は払えません」と言われてしまいます。

【ケース2】完済後、再びキャッシングをした場合

次に、一度借りたお金を完済した後、再びキャッシングで借りて返済した場合の事例を見ていきます。

(例1)太郎さんは、平成18年3月1日にA社に借金100万円を完済した。
そして、翌月4月1日に再びA社から50万円を借りたが、少しずつ返済を続け平成21年4月1日にその50万円も完済した。(例2)太郎さんは、平成18年3月1日にA社に借金100万円を完済した。
そして、その2年後の平成20年4月1日に、再びA社から50万円を借りたが、返済を続け平成21年4月1日にその50万円も完済した。

例(1)と(2)はいずれも、一度完済した後、再び借り入れをしています。両者で違う点は、再び借り入れをするまでの期間の長さです。

(1)では完済してから1か月後に再び借りていますが、(2)では完済してから2年後に再び借りています。この差が、過払金請求の時効の点でどのように影響するのかをみていきましょう。

2回目の取引を1回目と「同じ取引」と見るか「別の取引」と見るかが重要

(1)や(2)のように、完済→再び借り入れをしたような場合は、取引の数が1つなのか2つなのかが問題になります。そして、取引の数をいくつとみるかで時効のカウントが始まる時点が変わってきます。

(1)(2)の例のどちらも先の取引と後の取引を「あわせて1つ同じの取引」とみることができるのであれば、最後に完済した平成21年4月1日から時効がカウントされます。

逆に、最初の取引とその後の取引は「別々の取引」だとすると、先の取引は平成18年3月1日から、後の取引は平成21年4月1日から、それぞれ別々に時効がカウントされます。ですので、先の取引で発生していた過払金だけが時効で消えてしまう、ということもあります。

そうであれば、過払金を請求する側からすると、当然、取引は1つ(それぞれの過払金について請求できる)だと主張したいところです。

では、どのような事情があれば取引の数は1つといえるのでしょうか。

判断基準は色々とありますが、完済してから「再び借り入れをするまでの期間の長さ」はひとつの重要な要素です

先の取引の完済時点と後の取引の開始時点までの期間が短いほど1つの取引と認められやすいということになります。上の例で言うと、(1)が再度の借り入れまで1か月しか開いていないので1つの取引といいやすいのに対し、(2)では2年も開いていますので、別々の取引だと主張される可能性が高いでしょう。

そうすると、最後に返したのが10年以内であったり、現在も借り入れをしているとしても、10年以上前に一度完済したことがあると、その部分については時効を主張されてしまう可能性があります。

もしかしたら10年前くらいに一度完済したかもしれない・・・という方は、早めに専門家に相談した方がよいでしょう。

3 キャッシングとクレジットをあわせて利用している場合

ここまでは、現金を借りる取引、つまりキャッシング取引だけを念頭に置いて説明をしましたが、会社によっては、1枚のカードでキャッシング取引と合わせてクレジット機能がついている「ショッピング取引」ができるものもあります。

現金も借りられるし、各種の決済もできるカードです。この場合、過払金の時効がどうなるのかについて説明していきます。

3−1 クレジットの取引は過払金が発生しない

結論からいうと、クレジット機能があることは過払金の時効には全く影響しません。つまり、クレジットの取引についてはそもそも過払金が発生せず、そのため時効も関係ありません。

例えば、家具や家電をクレジットカードで買って、リボ払いにしたところ、支払わないといけない利息が多くて全然支払いが終わらない…としても、過払金は発生しません。

過払金が発生する取引はキャッシング取引だけということになる、ということを知っておきましょう。

3−2 キャッシングの返済とクレジット利用分の返済が別々の取引の場合

次に、キャッシングの返済とクレジット利用分の返済が別々の取引について見ていきましょう。

(例)太郎さんは、平成18年3月1日にA社に100万円を借り、少しずつ返済を続け平成21年4月1日にその50万円も完済した。
また、平成20年3月1日にA社のクレジットカードでX社で50万円のカバンを買い、リボ払いで少しずつ返済をし、平成22年3月1日にリボの支払いを終えた。

上の例では、A社は太郎さんに対して、「貸した100万円を返してもらう権利」と「立て替えたカバン代50万円を返してもらう権利」の2つの権利をもっていますが、過払金が発生するのは前者の取引だけです。

A社―――――――→太郎さん
「貸した100万円返して」(「貸金返還請求権」といいます)

A社―――――――→太郎さん
「立て替えた50万円払って」(「立替金返還請求権」といいます)

これらは別々の権利なので、過払金が発生しない取引(クレジットでの取引)は、過払金の時効を考える上では考えなくていいことになります。

ですので、上の例でリボ払いを終えた平成22年3月1日から過払金の時効のカウントが始まるわけではなく、あくまで過払金が発生する元の取引となったキャッシング取引の完済時点である平成21年4月1日から過払金の時効のカウントが始まることになります

したがって、今もショッピング取引がある会社で、10年くらい前にキャッシングの完済をしたかもしれない…という方は、時効で過払金が消えてしまう可能性があるので早めに専門家に相談した方が良いでしょう。

また、繰り返しになりますが、これまでショッピング取引しかしてこなかった場合はそもそも過払金が発生しないことになりますので、時効を考える必要はそもそもありません。ショッピングの取引しかなく、返済が苦しい…というような場合は、過払金ではなく任意整理等の債務整理を検討する必要があるということも合わせて押さえておきましょう。

以上、過払金の時効に関する基本的な話を一通り説明してきました。ご自身の取引を振り返ってみて、時効かもしれない・・・と思われた方は早めに専門家に相談するようにしましょう。
完済から10年以上経っている場合、まず相手から時効を主張されますし、これを覆して過払金を回収するのは極めて困難です。

4 時効後でも過払金の請求が認められるケース

「完済してから10年以上経っているからもう過払金が請求できない…」と諦めてしまっている人もいるかもしません。が、完済から10年経っていても過払金の請求が認められる場合もあります。

以下の場合、10年経っていても過払金の請求を行うことができます。

・会社が過払金があることを認めており、支払うと言っている場合
・会社に対して過払金の請求訴訟をしている等、裁判上の手続きをとっている場合

それぞれについて詳細を見ていきましょう。

会社が過払金があることを認めており、支払うと言っている場合

前者は、民法でいう「承認」という行為で、これがあると「この時点から」時効のカウントはやりなおしとなります。

ですので、例えば、完済してから9年後に会社がこの「承認」をすると、その時点から10年で時効ということになりますので、完済から10年以上たっていても時効とはならないのです。

ただ、会社側も当然「承認」してしまうと時効の完成が先送りになってしまうことは知っていますから、会社がこの「承認」をすることは考え難いところです。

会社に対して過払金の請求訴訟をしている等、裁判上の手続きをとっている場合

これは、民法でいう「請求」という行為で、これによっても時効のカウントはやりなおしとなります。しかし、この請求をすれば通常は、過払金は既に返ってきているでしょうから、訴訟をした後に再度過払金を請求するというのは考え難い事態ではあります。

いずれもかなりのレアケースになります。これらをクリアして過払金を回収できる例は極めてまれだと思っておいた方が良いでしょう。ですので、早めに手を打つに越したことはないということを十分に認識しておきましょう。

5 まとめ

過払金の時効について説明してきました。
基本的には完済してから10年経つと過払金の請求ができなくなってしまいます。
心当たりのある方は過払金請求ができる可能性がありますが、認められるかどうかは状況次第です。また、返済が苦しいと感じている方は債務整理などの手法も検討しなければなりません。
素人判断ではなく、迷われたら早めに専門家に相談するようにしましょう。

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