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病気やケガで住宅ローンが払えない時の6つの対処ステップ

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住宅ローン 病気

病気やケガが原因で、収入が途絶えてしまい、住宅ローンが払えなくなってしまう方は多いと思います。

今回は、病気やケガになってしまった場合の収入補償を中心に、住宅ローンが払えない時の6つの対処ステップを説明していきます。

 

0.病気やケガで収入が途切れてしまった時に住宅ローンを支払い続けるための6つの対処ステップ

病気やケガで収入が途切れてしまった時に住宅ローンを支払い続けるには、6つの対処ステップがあります。
まずはこの記事の目次1「1.疾病保障付きの団信用生命保険かどうかをチェックする」であなたの団体信用生命保険に疾病保障(しっぺいほしょう)が付いているかどうかをチェックしましょう。
疾病保障の保障内容次第で、住宅ローンを完済することが可能です。
目次1以降の各対処ステップは、下記フローチャートを参考にして、あなたがとるべき対処ステップ・読む目次を確認してみてください。

なお、自営業者や非正規雇用の方が加入している「国民健康保険」の方は、病気やケガで収入が途切れてしまった時の唯一の収入補償である目次2「労災保険」と目次3「傷病手当金」の利用ができません。
非正規雇用の方については、健康保険に加入することで、これらの収入補償が利用できる可能性があるため、健康保険に加入するための要件をこの記事の「0-1.国民健康保険に加入している非正規雇用の方は、自分が健康保険に加入できるかどうかをチェックする」でチェックしてみてください。

フローチャート住宅ローン病気20150729-01

フローチャート住宅ローン病気20150721-02

それでは、病気やケガで収入が途切れてしまった時に住宅ローンを支払い続けるための6つの対処ステップについて順番に内容をみていきます。

対処ステップ1(目次1):疾病保障付きの団体信用生命保険かどうかをチェックする
病気やケガで収入が途切れてしまった時は、まずはこの記事の目次1「1.疾病保障付きの団信用生命保険かどうかをチェックする」であなたの団体信用生命保険に疾病保障(しっぺいほしょう)が付いているかどうかをチェックしましょう。
疾病保障の保障内容次第で、住宅ローンを完済することが可能です。
よって、まずは疾病保障付きの団体信用生命保険かどうかをチェックしましょう。

対処ステップ2(目次2):労災保険を活用して収入を確保する
一番大事な対処ステップ1の確認が終わったら、次は途切れてしまった収入の確保を行います。
病気やケガで収入が途切れた時に収入を確保する方法は以下の2つです。

■病気やケガで収入が途切れた時に収入を確保する2つの方法

  1. ステップ2(目次2)の労災保険(業務上・通勤上の病気やケガの場合)
  2. ステップ3(目次3)の傷病手当金(業務上・通勤上以外の病気やケガの場合)

まずは、労災保険が活用できるかどうかを検討します。
労災保険の活用ができれば、収入の80%が補償されます。
対処ステップ3で説明する傷病手当金の収入補償は収入の約66%なので、労災保険の補償のほうが手厚いです。
なお、うつ病などの精神的な病気で、労災保険の認定に時間を要す場合は、対処ステップ3で説明する傷病手当金との併用を行います。
労災保険の詳細は、この記事の目次2「2.病気やケガで収入が途切れたら、労災保険を活用して収入の80%を最長18ヶ月確保する」で説明します。
労災保険が活用できれば、収入を確保することができ、引き続き住宅ローンを支払い続けていくことが可能になります。

対処ステップ3(目次3):傷病手当金を活用して収入を確保する
労災保険の活用ができない場合は、傷病手当金を活用して収入を確保します。
傷病手当金の収入補償は収入の約66%です。
傷病手当金の活用は、この記事の目次3「3.傷病手当金を活用して収入の66%を最長18ヶ月確保する」で説明します。

対処ステップ4(目次4):リスケを活用して住宅ローンの返済額を一時的に減額させる
対処ステップ2、対処ステップ3で収入を確保できたが、それでも住宅ローンの返済が苦しい場合は、「リスケ」を活用して、住宅ローンの返済額を一時的に減額します。
リスケとは、「金融機関と交渉を行い、「借金の返済条件」を1つでも変更してもらうこと」です。
返済を一時的に猶予してもらう、融資期間を延長してもらうなど、これらはすべてリスケになります。
このリスケを活用することで、病気やケガで収入が減っている期間だけ、住宅ローンの返済額を減額してもらい、引き続き住宅ローンを支払い続けていくことが可能になります。
リスケの詳細は、この記事の目次4「4.リスケを活用して住宅ローンの返済額を一時的に減額させる」で説明します。

対処ステップ5(目次5):社会保険を活用して高額な医療費等を軽減する
対処ステップ2、対処ステップ3の収入確保、対処ステップ4の住宅ローンの返済額の減額まで終わったら、最後に医療費等の自己負担額を軽減するための対処を行います。
全ての社会保険で利用できる制度で、この制度を利用して医療費等の支出を抑え、引き続き住宅ローンを支払い続けていくことが可能になります。
高額な医療費等を軽減する方法の詳細は、この記事の目次5「5.社会保険を活用して医療費等の負担を軽減する4つの制度」で説明します。

対処ステップ6(目次6):万が一障害を負ってしまった場合は障害年金を活用して収入を確保する
万が一、病気やケガで障害を負ってしまった場合は、障害年金の活用を行い、収入の確保を行います。
障害年金の詳細は、この記事の目次6「6.障害年金を活用して収入を確保する」で説明します。

以上が、病気やケガで収入が途切れてしまった時に住宅を支払い続けるための6つの対処ステップです。
まずは、対処ステップ1であるこの記事の目次1「1.疾病保障付きの団信用生命保険を活用して状況を改善する」を確認してみてください。

0-1.国民健康保険に加入している非正規雇用の方は、自分が健康保険に加入できるかどうかをチェックする

協会けんぽ・組合健保に加入している健康保険の方は問題ないですが、自営業者や非正規雇用の方が加入している「国民健康保険」の方は、病気やケガで収入が途切れてしまった時の唯一の収入補償である目次2「労災保険」と目次3「傷病手当金」の利用ができません。
唯一の収入補償である「労災保険」と「傷病手当金」の活用ができない場合、住宅ローンの支払いを続いていくことが困難になります。
そこで、非正規雇用の方については、下記要件を満たしていれば「協会けんぽ・組合健保」に加入でき、唯一の収入補償である目次2「労災保険」と目次3「傷病手当金」の利用ができるようになるため、自分の労働状況をもう一度チェックしてみましょう。

■「協会けんぽ・組合健保」に加入するための2つの要件

  1. 1ヵ月の所定労働日数が一般社員のおおむね3/4以上ある。
  2. 1日または1週の所定労働時間が一般社員のおおむね3/4以上ある。

(平成28年10月1日以降)
従業員が常時500名以上の事業所に勤務している場合、以下3つの要件を満たせば加入義務が発生する。

  1. 1週間の所定労働時間が20時間以上
  2. 月額賃金88,000円以上(年収106万円以上)
  3. 同じ事業所に1年以上継続雇用が見込まれる

それでは、病気やケガで収入が途切れてしまった時に住宅ローンを支払い続けるための6つの対処ステップについて説明していきます。

1.疾病保障付きの団信用生命保険かどうかをチェックする

まず始めに、1つ目の対処ステップである「疾病保障付きの団体信用生命保険かどうかをチェックする」について説明していきます。

住宅ローンを組むときに、ほとんどの方が団体信用生命保険に加入していると思います。
団体信用生命保険とは、あなたが死亡または高度障害になった場合に、生命保険会社があなたの代わりに住宅ローンを完済してくれる保険です。
この団体信用生命保険に、疾病保障(しっぺいほしょう)付きの団体信用生命保険というものがあります。
疾病保障とは、金融機関ごとに定めた病気にかかった場合、住宅ローンを生命保険会社が完済・または一定期間の支払い保証をしてくれる制度です。当然、後からあなたに請求はいきません。
この疾病保障付きの団体信用生命保険に加入しておくことで、病気による破綻リスクを大きく減らすことが可能です。
金融機関によって、9大疾病保障、8大疾病保障、7大疾病保障等、疾病保障の対象となる病気を定めています。
まずは、あなたの団体信用生命保険が、疾病保障付きかどうかをチェックしてみてください。
疾病保障付きの場合は、あなたの病気が保障の対象になるかどうかをチェックし、該当する場合は生命保険会社へ相談してみましょう。
疾病保障付きの団体信用生命保険でなかった場合は、現在、この疾病保障付きの団体信用生命保険を無料で提供している金融機関もあるため、疾病保障付きに切り替えたい方は、住宅ローンの借り換えを検討してみましょう。
住宅ローンの返済が遅れている方は住宅ローンの借り換えができませんが、それ以外の方は一度検討してみる価値があります。
住宅ローンの借り換えの詳細は「【保存版】住宅ローン返済に悩んでいる方必見!返済が軽くなる借り換え手続きの全解説」を参照にしてください。

なお、高度障害が発生した場合は団体信用生命保険で住宅ローンを完済しますが、その後の収入補償については、この記事の「6.障害年金を活用して収入を確保する」を参照にしてください。
また、協会けんぽ・組合健保に加入している方は、この後説明する労災保険の補償の1つである「障害補償給付」も併せて利用できる可能性があるため、一緒に目を通してみてください。

2.病気やケガで収入が途切れたら、労災保険を活用して収入の80%を最長18ヶ月確保する

対処ステップ1の「疾病保障付きの団体信用生命保険かどうか」のチェックが終わったら、次に収入を確保するための対処ステップ2である「労災保険の活用」を検討します。

「労災保険」とは、業務中・通勤中に病気・ケガ・障害・死亡が発生した時に、損害を補償している社会保険です。
業務中・通勤中以外で病気やケガが発生した場合は、労災保険は適用されず、この記事の目次3で説明する「傷病手当金」を利用します。

それでは、労災保険が適用できる場合に給付される5つの補償についてみていきます。

■労災保険が適用できる場合に給付される5つの補償について

  1. 収入の80%が最長18ヶ月補償される休業補償給付
  2. 長期療養時に利用する傷病補償年金(通勤災害の場合は傷病年金)および傷病特別支給金
  3. 自己負担0円で医療が行える療養補償給付
  4. 一定の障害が残ってしまった時に利用する障害補償給付(通勤災害の場合は障害給付)
  5. 介護が必要になった時に利用する介護補償給付

※ここでは「病気・ケガ」に関連する給付金を記載しています。この他に遺族補償年金、葬祭給付等の給付もあります。

順番にみていきます。

補償その1:収入の80%が最長18ヶ月補償される休業補償給付
労災保険では、病気やケガで収入が途切れた場合、直近3ヶ月の平均給与の日額の80%が、最長18ヶ月補償されます。
これが、労災保険の「休業補償給付」です。
80%の内訳は、60%が給付基礎日額(直近3ヶ月の平均給与の日額)と呼ばれるもので、20%が特別支給金と呼ばれるものです。
この記事の3番で説明する「傷病手当金」の場合は、約66%の給付になるため、労災保険のほうが手厚い補償といえます。
18ヶ月経過しても病気やケガが完治しない場合は、補償2で説明する「傷病補償年金」を利用します。
なお、「休業補償給付」を給付されている間は、会社はあなたを解雇できないメリットもありますので、あなたは療養に専念することができます。

補償その2:長期療養時に利用する傷病補償年金(通勤災害の場合は傷病年金)および傷病特別支給金
18ヶ月経過しても病気やケガが完治しない場合で、傷病等級が1級~3級に該当することになった時は、「休業補償給付」に代わって「傷病補償年金(通勤災害の場合は傷病年金)」が給付されます。
給付される金額は、以下の通り決まっており、ケガ・病気が治るまで毎年給付されます。

■傷病補償年金(通勤災害の場合は傷病年金)の給付される金額

傷病等級1級の場合:給付基礎日額(直近3ヶ月の平均給与の日額)の313日分

傷病等級2級の場合:給付基礎日額(直近3ヶ月の平均給与の日額)の277日分

傷病等級3級の場合:給付基礎日額(直近3ヶ月の平均給与の日額)の245日分

また、「傷病補償年金(通勤災害の場合は傷病年金)」とは別途で、「傷病特別支給金」という一時金が給付されます。
「傷病特別支給金」の給付される金額が以下の通りです。

■「傷病特別支給金」の給付される金額

傷病等級1級の場合:114万円

傷病等級2級の場合:107万円

傷病等級3級の場合:100万円

このように、長期療養を強いられても、労災保険が適用できれば、手厚い補償が用意されており、引き続き療養に専念することができます。
なお、「傷病等級」は労働保険情報センターのサイトで確認できます。

労災保険情報センターで定める「傷病等級」

キャプチャ 傷病等級

補償その3:自己負担0円で医療が行える療養補償給付
病気やケガで医療費が発生した場合、労災保険が適用されれば、自己負担0円で医療が行えます。
この医療費の給付金を「療養補償給付」といいます。
この「療養補償給付」は、病気やケガが完治するまで医療費が発生すれば給付される金額です。
よって、長期療養中も無料で医療を受け続けることができます。

補償その4:一定の障害が残ってしまった時に利用する障害補償給付(通勤災害の場合は障害給付)
病気やケガが完治しても、一定の障害が残ってしまった時は、障害補償給付(通勤災害の場合は障害給付)が給付されます。
給付される金額は以下の通り決まっており、毎年給付されます。

■障害補償給付(通勤災害の場合は障害給付)で給付される金額(障害等級1級~7級のみ)

障害等級1級の場合:給付基礎日額(直近3ヶ月の平均給与の日額)の313日分

障害等級2級の場合:給付基礎日額(直近3ヶ月の平均給与の日額)の277日分

障害等級3級の場合:給付基礎日額(直近3ヶ月の平均給与の日額)の245日分

障害等級4級の場合:給付基礎日額(直近3ヶ月の平均給与の日額)の213日分

障害等級5級の場合:給付基礎日額(直近3ヶ月の平均給与の日額)の184日分

障害等級6級の場合:給付基礎日額(直近3ヶ月の平均給与の日額)の156日分

障害等級7級の場合:給付基礎日額(直近3ヶ月の平均給与の日額)の131日分

7級より軽い障害である8級~14級の場合は、下記記載の一時金が給付されます。
一時金のため、1級~7級のように毎年給付されるのではなく、あくまでも1回のみ給付される金額です。

■障害補償給付(通勤災害の場合は障害給付)で給付される一時金の金額(障害等級8級~14級のみ)

障害等級8級の場合:給付基礎日額(直近3ヶ月の平均給与の日額)の503日分

障害等級9級の場合:給付基礎日額(直近3ヶ月の平均給与の日額)の391日分

障害等級10級の場合:給付基礎日額(直近3ヶ月の平均給与の日額)の302日分

障害等級11級の場合:給付基礎日額(直近3ヶ月の平均給与の日額)の223日分

障害等級12級の場合:給付基礎日額(直近3ヶ月の平均給与の日額)の156日分

障害等級13級の場合:給付基礎日額(直近3ヶ月の平均給与の日額)の101日分

障害等級14級の場合:給付基礎日額(直近3ヶ月の平均給与の日額)の56日分

なお、同一の事由について、この記事の「6.障害年金を活用して収入を確保する」で説明する国民年金保険、厚生年金保険から障害年金が支給されるときは、支給額の調整が行われます。
「障害等級」は労働保険情報センターのサイトで確認できます。
労災保険情報センターで定める「障害等級」

キャプチャ障害等級

補償その5:介護が必要になった時に利用する介護補償給付
補償その2で説明した「傷病補償年金(通勤災害の場合は傷病年金)」、または補償その4で説明した「障害補償年金(通勤災害の場合は障害年金)」を受給しており、現に介護を受けている場合に給付される補償が「介護補償給付」です。
介護補償給付で支給される金額は、以下の通りです。

■介護補償給付で支給される金額

(常時介護の場合)
実費支給(ただし上限104,570円/月額)
親族・知人・友人が介護していて、介護費用が発生していない場合でも最低56,790円/月額が支給される。

(随時介護の場合)
実費支給(ただし上限52,290円/月額)
親族・知人・友人が介護していて、介護費用が発生していない場合でも最低28,400円/月額が支給される。

支給要件は、傷病等級・障害等級が1級の方と、2級の「精神神経・胸腹部臓器の障害」を有している方が給付対象になります。
支給要件、給付金額の詳細は、厚生労働省作成の「介護補償給付の請求手続き」に分かりやすくまとめられていますので参照にしてみてください。

厚生労働省の「介護補償給付の請求手続き」

キャプチャ 介護補償給付

2-1.労災保険の適用条件

ここまで、労災保険が適用された場合に補償される給付金額についてみてきました。
ここでは、労災保険が適用される条件についてみていきます。
労災保険の適用条件は以下の通りです。

■労災保険の適用条件

  1. 業務上の災害であること
  2. 通勤上の災害であること

それでは、順番に詳細をみていきます。

適用条件その1:業務上の災害であること
まずは「業務上の災害」についてみていきます。
「業務上」とは、仕事と災害との間に一定の因果関係があることをいいます。
「災害」とは、病気・ケガ・障害・死亡のことをいいます。
業務上の災害であると認められるには、「業務遂行性」と「業務起因性」という2つの要素で判断されます。
「業務遂行性」とは、仕事中に発生した病気やケガかどうかということです。
「業務起因性」とは、仕事が原因で、病気やケガが発生したかどうかということです。
この2つの要素とも満たしている場合は、労災保険が適用されます。
「ケガ」については、労災保険の適用は難しくないですが、「病気」についてはかなり細かく適用要件が定められており、特にうつ病のなどの「精神的病気」については、「業務起因性」を証明することが難しく、労災保険を認定される可能性は36.5%(平成25年度 厚生労働省データ参照)と低いです。
「病気」の場合の労災保険の適用条件については、この記事の「2-2.病気の場合の労災保険の適用条件について」で詳しくみていきます。
「ケガ」の場合についても、次の4つのケースでは労災保険が適用されないので注意する必要があります。

■労災保険が適用されない4つのケース

  1. 就業中に仕事とは関係ない行為を行い、それが原因で被災した場合
    ただし、事業場の施設・設備や管理状況が原因で発生した災害は労災認定されます。また、トイレなどの生理的行為については、就業中と見なされ、労災認定されます。
  2. 故意に災害を発生させた場合
  3. 個人的な恨みなどにより、第三者から暴行を受けて被災した場合
  4. 地震、台風などの天災地変により被災した場合(例外あり)

適用条件その2:通勤上の災害であること
次に、「通勤上の災害」についてみていきます。
会社へ行く途中は、「業務上の災害」ではありませんが、「通勤上の災害」として、労災保険が適用されます。
「業務上の災害」および「通勤上の災害」に関する詳細は、厚生労働省作成の資料にわかりやすくまとめられていますので、参照にしてみてください。

厚生労働省作成の「業務災害・通勤災害に関する説明資料」

2-2.病気の場合の労災保険の適用条件について

労災保険の対象となる病気は、「職業病リスト」というものにまとめられており、「職業病リスト」にのっている病気であれば、労災保険の適用ができる可能性は高いです。
しかし、「職業病リスト」の病気は、身体的な危険の無い、普通のオフィスで働く方にとっては縁のない病気ばかりです。

厚生労働省の定める「職業病リスト」

身体的な危険の無い、普通のオフィスで働く方がかかりやすい病気としては、精神的ストレスが原因となる「精神的な病気」が多いかと思います。
精神的な病気も、「業務起因性」が認められれば、労災保険の対象になります。
「精神的な病気」の労災保険が適用される条件についてみていきます。
労災保険の適用条件は以下の通りです。

■「精神的な病気」の労災保険の適用条件

  1. 認定基準の対象となる精神障害を発病していること
  2. 認定基準の対象となる精神障害の発病前おおむね6ヶ月の間に、業務による強い心理的負荷が認められること
  3. 業務以外の心理的負担や個体側要因により発病したとは認められないこと

具体的な審査はかなり細かくチェックされます。
業務に関連するストレスの強度を3段階でチェックし、そのストレスが原因で精神的な病気が発生したかどうかを審査されます。
具体的には、「仕事の失敗・過重な責任の発生」・「仕事の量・質」・「役割・地位の変化」・「対人関係」・「セクシュアルハラスメント」の観点からチェックされていきます。
また、業務以外のストレスについてもチェックされていき、業務によるストレスと比較した上で、労災保険を適用するかどうかが判断されます。
細かい審査内容については、厚生労働省作成の「精神障害の労災認定」に分かりやすくまとめられていますので参照にしてみてください。

厚生労働省の「精神障害の労災認定」

キャプチャ 精神障害の労災認定

また、仕事の過労が原因で発生することがある心筋梗塞や脳梗塞などの「脳・心臓の病気」についても、「業務起因性」が認められれば、労災保険の対象になります。
細かい審査内容については、厚生労働省作成の「脳・心臓疾患の労災認定」に分かりやすくまとめられていますので参照にしてみてください。

厚生労働省の「脳・心臓疾患の労災認定」

キャプチャ 脳・心臓疾患

2-3.労災保険の申請はあなたが直接申請する

労災保険の申請は、あなたが直接、労働基準監督署に申請します。
最初に申請する労災保険は以下の2つです。

■最初に申請する2つ労災保険

  1. 休業補償給付(2-1の補償その1)
  2. 療養補償給付(2-1の補償その3)

1番の「休業補償給付」については、原則本人申請のみです。
書類は郵送での提出も可能ですので、書類のコピーや郵送手続きの手伝いを親族等が行うことは問題ありません。
病気やケガの影響で、本人申請ができない特別な事情のある方は、その旨を労働基準監督署に相談してみましょう。
なお、申請書には、会社に記入をしてもらう項目がありますが、会社が記入を拒否した場合も、その旨を労働基準監督署に言えば問題なく受理してもらえます。
また、2番の「療養補償給付」については、明らかに業務上、通勤上の災害である場合は、労災保険指定医療機関で「労災保険で医療する」と言えば、医療機関があなたの代わりに申請してくれるため、あなたは特に手続きを必要とせずに、自己負担0円で医療を受けることができます。
労災保険指定医療機関の探し方は、この記事の「2-4.労災保険指定医療機関の探し方」で説明します。
しかし、うつ病などの精神的な病気の労災保険の認定には6ヶ月~1年の時間を要します。また、そもそも労災保険の認定が為されるかどうかも不明です。
よって、この場合は、まずは健康保険の「傷病手当金」を請求して、休業中の収入を確保します。

そして、「傷病手当金」をもらいながら、労災保険の申請を行い、労災保険が認定されたら労災保険へ切り替えます。
労災保険へ切り替える場合、それまで貰った健康保険の「傷病手当金」と「70%の医療費」を「協会けんぽ・組合健保」へ返還する必要がありますが、「傷病手当金」をもらっていた期間分を含めて、まとめて労災保険の補償を受けとれるため、返還することが可能です。
「傷病手当金」の詳細は、この記事の目次3「3.傷病手当金を活用して収入の66%を最長18ヶ月確保する」を参照にしてください。
労災保険の各種申請書は以下記載の厚生労働省のサイトから取得できます。

労災保険の各種申請書

2-4.労災保険指定医療機関の探し方

労災保険指定医療機関の探し方を説明していきます。

手順1:厚生労働省の労災保険指定医療機関検索サイトにいく
厚生労働省の「労災保険指定医療機関検索」というサイトにいきます。
厚生労働省の「労災保険指定医療機関検索サイト」

キャプチャ 労災保険指定医療機関1

手順2:所在地から検索項目であなたの所在地を選択する
あなたが住んでいる所在地を選択します。始めに都道府県を選択後、下に市町村単位がでてくるので、市町村まで選択します。

キャプチャ 労災保険指定医療機関2

手順3:診療科目を選択して、検索をクリックする
最後に、診療科目を選択して、検索をクリックします。
そうすると、労災保険指定医療機関がでてきます。

キャプチャ 労災保険指定医療機関3

3.傷病手当金を活用して収入の66%を最長18ヶ月確保する

ステップ2の労災保険の適用が難しい場合、または労災保険の認定まで時間を要す場合、収入確保のもう1つの方法である3つ目の対処ステップ「傷病手当金の活用」を検討します。

「傷病手当金」とは、病気やケガで会社を休んだときに収入が補償される社会保険です。
「協会けんぽ・組合健保」の健康保険に加入している方が利用できます。
傷病手当金では、病気やケガで収入が途切れた場合、休業前の給与の約66%(2/3)を最長18ヶ月補償されます。
労災保険の適用が難しい場合、うつ病などの精神的な病気で、労災保険の認定まで時間を要す場合は、この傷病手当金を活用しましょう。
傷病手当金の支給要件は、下記の1つだけです。

■傷病手当金の支給要件

病気やケガで就業できない日が連続3日以上続いたこと(医師の診断が必要)

労災保険に比べ、かなり緩い支給要件のため、上記要件が整えば誰でも受給できます。
なお、傷病手当金は、退職後であっても、以下の3つの要件を満たせば引き続き受給が可能です。

■退職後の傷病手当金を受給し続ける3つの要件

  1. 退職日までに1年以上継続して健康保険に加入していること
  2. 退職時に傷病手当金を受給している、または、受給できる要件を満たしており引き続き労務不能であること
  3. 失業手当を受給していないこと

3-1.傷病手当金の申請方法

傷病手当金の申請は自分で行います。
申請から約1ヵ月で指定した口座に傷病手当金が振り込まれます。
最大3ヶ月分を一括請求できますが、無収入の状態が続く場合は1ヵ月分ごとに申請するようにしましょう。
申請書は「協会けんぽ」の場合は以下URLからダウンロードできます。
協会けんぽの申請書ダウンロードページ

キャプチャ 傷病手当金

申請書の3ページ目は会社に、4ページ目は医師に書いてもらいます。
医師に書いてもらう4ページ目には、あなたが「労務不能」である証明をしてもらう必要があります。
傷病手当金については、会社が申請書への記入を拒むことはあまり無いですが、会社が記入を拒否した場合、その旨を協会けんぽ・組合健保に言えば問題なく手続きは進みます。
初回申請時に添付する書類は以下の通りです。

■初回申請時に添付する書類

  1. 労務不能になった期間と、その期間の前の1ヵ月分の出勤簿(またはタイムカード)のコピー
  2. 労務不能になった期間と、その期間の前の1ヵ月分の賃金台帳(または給与明細)のコピー

労務不能になった期間の給与の締め日が経過し、労務不能になった期間の給与が確定したら、申請書と添付書類を協会けんぽに郵送するか協会けんぽの窓口に持参します。
なお、傷病手当金の請求できる権利の時効は、権利が発生した翌日から2年です。よって早めに申請するようにしましょう。
「組合健保」の場合は、組合健保ごとに申請手続きが異なるため、加入している「組合健保」の手続きを確認してください。

4.リスケを活用して住宅ローンの返済額を一時的に減額させる

対処ステップ2、対処ステップ3で収入確保が終わったら、次に4つ目の対処ステップである「リスケの活用」を行い、住宅ローンの返済額を一時的に減額させます。
先述の通り、リスケとは、「金融機関と交渉を行い、「借金の返済条件」を1つでも変更してもらうこと」です。
返済を一時的に猶予してもらう、融資期間を延長してもらうなど、これらはすべてリスケになります。
リスケ後の返済の見通しが立てられない方、リスケ後も資金繰りの改善が見込めない方は、リスケを行うことができません。(厳密にはリスケの申し込みは誰でもできますが、リスケの許可が下りません。)
逆に、以下のような条件を満たす方はリスケが利用できる可能性があります。

■リスケを利用するための条件

  1. 今後も安定した収入が見込める。
  2. 一時的に資金繰りが苦しくなっている。
  3. 新たな借入の予定がない。

このような方は、リスケを利用することで一時的な資金不足を解消し、リスケ後の通常返済に備えることで状況の改善を図ります。

詳細は「リスケジュールを活用して返済苦を切り抜ける方法」を参照にしてください。

5.社会保険を活用して医療費等の負担を軽減する4つの制度

対処ステップ2、対処ステップ3の収入確保、対処ステップ4の住宅ローンの返済額の減額まで終わったら、最後に医療費等の自己負担額を軽減するために、5つ目の対処ステップである「社会保険を活用して医療費等の負担を軽減する4つの制度」の活用を行います。
すべての社会保険で利用できる制度で、医療費等の負担を軽減する目的の下記4つの制度を説明していきます。

■医療費等の負担を軽減する4つの制度

  1. 高額療養費
  2. 保険外併用療養費
  3. 入院時食事療養費
  4. 訪問看護療養費

順番にみていきます。

医療費等の負担軽減法その1:高額療養費を利用して自己負担する医療費を格安にする
どんなに高額な医療費が発生したとしても、あなたが支払う限度額というものが決まっています。
これが、「高額療養費」という制度です。
この制度を利用すれば、どんなに高額な医療費が発生したとしても、あなたが負担する費用は以下の通りです。

■高額療養費の制度であなたが負担する医療費の上限額

所得の区分 あなたが負担する1ヵ月の医療費の上限
健保※:標準報酬月額83万円以上
国保※:年間所得901万円超
252,600円
+((総医療費-842,000円)×1%)
健保:標準報酬月額53万円~79万円
国保:年間所得600万円~901万円
167,400円
+((総医療費-558,000円)×1%)
健保:標準報酬月額28万円~50万円
国保:年間所得210万円~600万円
80,100
+((総医療費-267,000円)×1%)
健保:標準報酬月額26万円以下
国保:年間所得210万円以下
57,600円
住民税非課税の方 35,400円

※「健保」は健康保険、「国保」は国民健康保険を指します。

例えば、あなたが健康保険に加入しており、標準月額報酬26万円以下で、1ヵ月で合計200万円の医療費がかかる治療をした場合でも、あなたが負担する医療費は、57,600円で済むことになります。
通常は3割自己負担であり、200万円の3割である60万円を負担する必要がありますが、この制度を利用することで、差額の542,400円は高額療養費として支給されることになります。
この高額療養費の制度を利用する方法は、入院する際に、予め医療機関に「限度額適用認定証」を提出することで、入院時に支払う金額が、高額療養費制度の上限負担額のみで間に合うようになります。
「限度額適用認定証」を取得するためには、健康保険、国民健康保険で、それぞれ以下方法で取得します。
健康保険の場合は、協会けんぽに「健康保険限度額適用認定申請書」を提出する必要があります。

健康保険限度額適用認定申請書
申請書は協会けんぽに郵送するか協会けんぽの窓口に持参することで、「限度額適用認定証」を交付してもらうことができます。
国民健康保険の場合は、市町村ごとで手続きが異なるため、各市役所の保険年金課に連絡の上、手続きを進めてください。

医療費等の負担軽減法その2:保険外併用療養費を利用して医療費を安く抑える
保険のきく治療でも、少しでも保険のきかない治療を混ぜてしまうと、全額自己負担になります。
この問題を回避するために、「保険外併用療養費」という制度が用意されています。
この制度を利用すれば、厚生労働大臣の定める「評価療養」(先進医療など)と「選定療養」(特別な療養環境など)については、保険診療との併用が認められます。
評価療養と選定療養の詳細は、協会けんぽのサイトを参照にしてください。
評価療養と選定療養の詳細

医療費等の負担軽減法その3:入院時食事療養費を利用して1回の食費を260円以下に抑える
医療費の他に入院で発生する費用として食事代があります。
この食事代を1食につき260円以下にする制度が「入院時食事療養費」という制度です。
一般の方が負担する上限額は260円です。
入院時食事療養費の詳細は、協会けんぽのサイトを参照にしてください。
入院時食事療養費の詳細

医療費等の負担軽減法その4:訪問介護療養費を利用して、3割負担で看護師を派遣してもらう
費用負担の問題で入院生活を長引かせたくない等の理由で自宅療養を希望する場合、3割負担のみで看護師を派遣してもらう制度が「訪問介護療養費」という制度です。
この制度を利用することで、自宅で療養をしながら、看護師による療養上の世話や必要な診療の補助を受けることができ、費用負担は3割で済みます。
訪問介護療養費の詳細は、協会けんぽのサイトを参照にしてください。
訪問介護療養費の詳細

以上が、医療費等の負担を軽減する4つの制度です。

6.障害年金を活用して収入を確保する

最後に、万が一、病気やケガで障害を負ってしまった場合は、収入を確保するために6つ目の対処ステップである「障害年金の活用」を検討します。
障害年金とは、病気やケガで心身に何らかの障害が残ってしまったときに、年齢や加入年数に関係なく給付される年金です。
すべての社会保険で貰える障害年金として「障害基礎年金」があります。
障害基礎年金の給付は、障害等級1級と2級のみであり、給付される金額は以下の通りです。

■障害基礎年金で給付される金額

障害等級1級の場合:975,125円/年障害等級2級の場合:780,100円/年障害認定を受けた人に18歳未満の子供がいる場合は、子供1人につき224,500円/年追加。3人目から74,800円/年追加。

また、健康保険に加入している場合は、「障害基礎年金」とは別途で「障害厚生年金」が給付されます。
「障害厚生年金」の給付計算では、最低25年が保障されており、健康保険に1ヶ月しか加入していない若者が事故で障害になってしまった場合でも、給付計算において、勤続25年の人と同条件の年金がもらえることになります。
また、65歳未満の年金をもらえない配偶者がいる場合、家族手当として224,500円の加給年金も貰えます。
障害基礎年金、障害厚生年金の受給要件・支払開始時期・計算方法の詳細は、日本年金機構のサイトを参照にしてください。

障害基礎年金と障害厚生年金の詳細

7.まとめ

今回は、病気やケガになってしまった場合の収入補償を中心に、住宅ローンが払えなくなった時の6つの対処ステップについてみてきました。
病気やケガで収入が途絶えてしまった場合は、この記事を参考に対処法を実行してみてください。

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