競売を回避するための完全マニュアル

競売の立ち退きで必ず知っておきたい知識と3つの対策

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あなたの不動産が競売で落札されると、すぐに強気な姿勢の買受人から「いついつまでに退去してほしい」と連絡がきます。これを立ち退き交渉といいます。

あなたはどう対応すれば良いでしょうか?無視するとどんなデメリットを被るのでしょうか?不安やわからないことでいっぱいだと思います。

でも、まずは安心してください。立ち退きには対策があり、上手く対処すれば、あなたにとって有利な形で解決することができるようになります。

今回は、競売後の立ち退きの流れ、費用、そして買受人との交渉で役に立つ考え方のポイントや対策について内容を紹介していきます。

1.立ち退き(強制退去)までの流れ

あなたの物件が競売で落札された後、2ヶ月程度であなたは強制退去を強いられます。居座っても連れ出されますし、荷物も強制的に運びだされてしまいます。

思っていたよりも急過ぎますか?でもこれは法律で決まったことで、仕方のないことなのです。

具体的にどのような流れで手続きが進んでいくのか、ここで確認しておきましょう。

流れその1: 買受人による落札・代金納付

あなたの不動産の落札者である買受人が代金を納付した時点で、所有権があなたから買受人に移ります。

流れその2:買受人による裁判所への引渡命令の申立て

競売手続きには、買受人が簡単に不動産の引渡しを受けられるように「引渡命令」という制度が用意されています。

通常は、強制退去を強いる権利(債務名義)を獲得するには裁判を起こす必要があり、裁判で勝って債務名義を獲得するまでに約3ヶ月~6ヶ月程度の時間を要します。

これでは時間と手間がかかり過ぎ、誰も競売物件をまともな金額で買わなくなってしまいます。

そこで、「引渡命令」という制度が設けられ、申立てから約2~3日程度で引渡命令が発令され、とても簡単・スピーディーに不動産の引渡しが受けられるようになったのです。

買受人は、代金納付をしたその日の内に引渡命令を申立てることが可能です。

流れその3:裁判所による引渡命令の発令

所有者以外の占有者がいる場合は、審尋といって、引渡命令を発令して良いかどうかを裁判所は調査するので、発令までやや時間がかかります。

申立てが適法であると判断されたら、「買受人に不動産を引き渡しなさい。」という命令があなたに対して発令されます。

流れその4:裁判所による引渡命令の告知書の発送

引き渡し命令が発令された旨は、あなたに書類で告知されます。

告知のあった翌日から1週間以内であれば、あなたは引渡命令の発令について不服申立てができますが、ただ単に時間を稼ぐための不服申立ては却下されますので、時間稼ぎでこの不服申立てを利用しようとしても役に立ちません。

流れその5:引渡命令の確定

告知のあった翌日から1週間を経過すると、引渡命令が確定し、買受人は強制的にあなたを退去させる権利(債務名義)を獲得します。

流れその6:買受人による執行文付与申立て・送達証明申請

買受人が、あなたを強制的に立ち退かせる準備として、裁判所に執行文付与申立て・送達証明書申請を行います。1~2週間で買受人は執行文と送達証明書を入手します。

流れその7:買受人による強制執行の申立て

買受人は、債務名義・執行文・送達証明書の3点セットが手に入ると、あなたを強制的に追い出すために、裁判所に強制執行の申立てを行います。

流れその8:明渡しの催告

強制執行が申し立てられて2週間くらい経過すると、執行官があなたの不動産(自宅など)に訪問して、「今日から1ヶ月経過した日に強制執行を断行します。なので1ヶ月以内に退去してください。」と説明して、強制執行を断行する日を示した紙をあなたの不動産に貼って帰ります。(あなたが留守でも勝手にカギを解錠して、紙を貼って帰ります。)

また、執行官が連れてきた業者によって、家財道具の搬出・運搬・保管の見積り、売却できそうな物の売却価格の見積り、処分する際の処分費用の見積りがその日に行われます。

時間的には約30分~1時間で終わります。

流れその9:強制執行の断行・立ち退き

強制執行の断行といって、強制的にあなたは不動産から追い出されます。もし荷物をまだ持ち出していなければ、これも強制的に運び出されてしまいます。そして、カギを交換されて手続きが完了になります。あなたが強制執行の邪魔をすると公務執行妨害になり逮捕されます。まさに強制的な断行です。

運び出されてしまった荷物は、1ヶ月間倉庫で保管されます。荷物が必要な場合は裁判所に行って荷物に引き取りの手続きを行ってください。(当然ですが、荷物の引き取り費用はあなたの負担です。)

荷物がいらなければ、1ヶ月後に勝手に処分されます。

以上が強制退去までの流れです。

★建物明渡猶予制度とは?

アパート・マンションの入居者などの「賃借人」も引渡命令の対象になりますが、代金納付から6ヶ月間の立ち退き猶予期間が与えられます。これを建物明渡猶予制度といいます。
なお、すでに競売開始決定が為されているアパート・マンションに入居してしまうと、この制度の対象外の賃借人となり、6ヶ月の猶予期間は与えられないので注意しましょう。

2.立ち退きで発生する高額な費用に注意する

注意が必要なのは、強制執行の申立てをしたり、荷物を強制的に持ち出したり、保管したり、処分したりする費用の問題です。これらの費用は、もともと債務者であるあなたの負担なのですが、手続きを迅速に進めるために、強制執行を申し立てた買受人が一旦負担して、手続き完了後に、あなたに請求する形をとります。

では費用はいくらぐらい発生するのか?というと、普通の戸建住宅で約100万円はかかります。

目安を以下の表で確認しておきましょう。

■強制執行手続き目安費用

費用名目 目安費用 備考
強制執行申立時予納金 約7万円 裁判所により異なります。
催告時 執行補助者日当 約2万円 断行の際に荷物を搬出・運搬・保管・売却・処分等の費用を見積もる業者への費用です。
催告時 カギ解錠費用 約1万円 留守の場合を想定し、カギ屋さんにも来てもらうための費用です。
断行時 執行補助者日当 約3万円 荷物を搬出・運搬・保管等を取り仕切る業者への費用です。
断行時 カギ交換費用 約2万円 カギ交換の費用です。
断行時 家財道具等 撤去費用
(搬出費、運搬費、保管費、作業員日当等)
約50万円~200万円 荷物の量、室内の広さによって大きく異なります。目安は1万円~1.3万円/㎡。50㎡であれば約50万円~56万円、100㎡であれば約100万円~130万円が目安です。

表をみて気が付いたと思いますが、強制執行を断行する際の「家財道具等の撤去費用」が費用の大部分を占めます。普通の引越業者と異なり、費用はかなり高めです。

なので、強制執行の断行をされる前に、荷物と一緒に引越しをするほうが良いでしょう。

3.立ち退き対策 3つの方法

立ち退きは高額な費用を請求され、しかも強制的に追い出される嫌な手続きなので極力避けたいものです。ここでは立ち退きの被害を抑えたり、回避したりするための対策を3つ紹介します。

3-1.立ち退き対策その1:引越費用・立ち退き料を買受人からゲットする方法

競売で落札されてしまうと、あなたは後2ヶ月ちょっとで強制的に追い出されるわけですが、任意で退去するにしても、引越費用や立ち退き料がどこかから支給されるわけではありません。

なので、競売期間中に支払いを止めているお金を貯金して、引越費用を確保しておくが大切だと説明しました。でも、貯金ができなかったり、できたとしても引越するには費用が全く足りなかったり等の事情がある方もいるでしょう。

そのような方は、早期退去を条件に、引越費用・立ち退き料の名目で買受人からお金を支給してもらう交渉を行う必要があります。ここではその交渉を行う際の2つのポイントを紹介します。

引越費用・立ち退き料を買受人からもらう上で大切な2つポイントは、「早期退去」と「強制執行費用の高額化」です。より詳細をみていきましょう。

ポイントその1:早期退去(1ヶ月以内)を行うため、競売中から引越しの準備を進めておく

早期退去とは、およそ落札・代金納付から1ヶ月以内が目安です。早ければ早い程良いでしょう。1ヶ月を経過してしまうと、買受人は強制執行の申立てを行うでしょうから、そこで10万円程のお金を使用することになります。更に時間が経過すると、買受人は強制執行時に家財道具等を搬出・運搬を行う業者にキャンセル料を支払わなければキャンセルできない時期に差し掛かります。そうなってからでは、買受人も後に引けず、あなたがとれる費用もとれなくなってしまいます。

なので、なるべく「早期退去」を行えるように、競売中から引越しの準備を進めておきましょう。

ポイントその2:強制執行費用が高ければ高い程、あなたが貰える引越費用・立ち退き費用は高くなる

強制執行費用は、買受人が一旦立替えて支払い、後であなたに請求できる費用ですが、あなたが無一文であれば、買受人はわざわざ費用をあなたに請求しません。請求してもお金を持っていなければ回収できないからです。

さて、あなたの引越費用・立ち退き費用を買受人が支払う上で、買受人が基準とする金額は何になるでしょうか?答えは、強制執行費用です。

想定される強制執行費用が100万円超の時に、「30万円の引越費用を用意してくれれば1ヶ月以内に荷物を持って退去する。」という提案を買受人は呑んでくれるでしょうか?恐らく呑むはずです。

なぜなら、そのほうが買受人にとってはメリットがあるからです。

では、引越費用・立ち退き費用をより多くもらうにはどうすれば良いでしょうか?

答えは、強制執行費用を高くすることです。

ではどうやって高くするのか?

答えは、荷物を増やすだけです。荷物が多ければ、想定される強制執行費用も高くなりますので、その分引越費用・立ち退き費用も高くとれる可能性が高まるわけです。参考にしてみてください。

3-2.立ち退き対策その2:任意売却を活用して自宅をリースバックする

そもそも競売で落札される前に、競売を回避して、任意売却という方法で自宅を親族等に売却する方法で立ち退きを防ぎます。

親族等に安く自宅を購入してもらい、あなたは安い賃料でそのまま自宅に住み続けるのです。

これで競売も立ち退きも回避できます。詳しいやり方は「リースバックで自宅を売却して引き続き自宅に住み続ける方法」を参照にしてください。

3-3.立ち退き対策その3:個人再生で競売を取り下げる

以下の条件にすべて該当する人は、個人再生を活用して、競売を取り下げることができる可能性があります。

  • 住宅ローンを除く無担保債務が5000万円以下
  • 将来において継続的、または反復して収入を得る見込みがあること
  • 保証会社が代位弁済をしてから6ヶ月が経過していない

もし、すべての条件に該当する場合は、個人再生の活用を検討しましょう。

個人再生のリスケが利用できると、

  1. 住宅ローンの延滞が無かったことになり、競売が取り下げられる
  2. 融資期間を延長することで毎月の返済額を減らせる
  3. 無担保債務は最大90%カットされる

などのメリットがあります。競売が取り下げられれば、もう立ち退きの心配もなくなります。

詳しくは「個人再生を利用して、リスケ・借金圧縮をする方法」を参照にしてください。

4.まとめ

今回は、競売後の立ち退きの流れ、費用、対策について内容を紹介してきました。

強制執行の立ち退きがいかに強烈で、あなたにとって負担の大きい手続きかわかってもらえたと思います。この記事を参考にして、なるべく競売を回避するようにし、回避できなかった場合でも、引越費用や立ち退き費用をもらえるように上手く交渉を行ってみてください。

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