債務整理をしたい方

個人再生に反対する業者が出た場合の対処法について

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個人再生の中でも、原則的な「小規模個人再生」をするときには、債権者の決議が重要です。過半数の債権者が反対すると、再生計画が認可されずに個人再生が失敗してしまうからです。

個人再生を成功させるためにも債権者に反対されないことが望ましいですが、もし反対されてしまったらどうすればいいでしょうか?

個人再生で業者が反対するのはどのようなケースであり、失敗しないためには、どのようなことに注意したら良いのでしょうか?

今回は、こうしたケースについて対処方法を解説していきます。

1.個人再生で業者が反対した場合どうなるか?

個人再生をすると、借金を大きく減額してもらえますが、減額を受けるには、裁判所で再生計画を認可してもらう必要があります。

再生計画というのは、「個人再生後、このようにして借金を返済して行く予定です」と言う内容を記載した計画書です。そして、裁判所で再生計画を認可してもらうには、債権者による賛成が必要なのです。

ただ、債権者が全員賛成しなければならない、というわけではありません。「過半数」の債権者が反対しなければ、再生計画を認可してもらうことができます。

過半数ですから、「半分ちょうど」の場合は含まれません。ちょうど半数の債権者が反対したときには、ぎりぎりで再生計画が認可されることになります。

半分より少しでも多い債権者が反対したら、再生計画は認可されないのです。

ただし、人数だけでなく「債権額」も問題となります。

つまり、総債権額の半額以上を占める債権者が反対した場合にも、書面決議は否決されてしまいます。

たとえば、「債権者が5社、債権総額1000万円、A社~D社が各100万円、E社が600万円のケースというケースを考えてみましょう。

この場合、A社とB社とC社が反対したら、5社のうち3社が反対しており過半数の債権者が反対しているので、再生計画は認可されません。

また、E社一社のみが反対した場合、E社は過半数の債権額である600万円の債権者ですから、やはり過半数の債権者が反対したことになり、再生計画が認可されません。

そこで、個人再生を成功させるには、特に大口の債権者に対して配慮しておくことが大切です。

再生計画が認可されなかったら、借金が減額されないまま、個人再生の手続きが終了してしまいます。

すると、その後も借金全額の支払い義務が残りますし、債権者からも督促や取り立てが続きます。裁判もされますし、給料や預貯金の強制執行も行われるでしょう。

最終的には自己破産せざるを得なくなります。

2.個人再生の「書面決議」のポイントについて

個人再生を成功させるためには、「書面決議」において知っておくべきポイントがあります。以下では書面決議の基本から個人再生を成功させる方法について説明します。

2-1.個人再生の書面決議とは?

個人再生において、債権者による決議はどのような方法で行われるのでしょうか?

一般的に「決議」と言うと、実際に債権者が集まる機会があるようにも思えます。

しかし、実際の個人再生の場面では「書面決議」という方法で決議がとられます。

「書面決議」とは、裁判所から債権者に通知を送り「異議がある場合には、書面で提出して下さい」と連絡する方法による決議です。実際に集まるのは、債権者にとっても裁判所にとっても手間だから、このように簡略化されているのです。

そこで、異議がない債権者は、書面を提出しません。誰も異議書面を提出しなければ、債権者全員が賛成したことになって、再生計画が認可されます。
特に積極的に「賛成します」と言ってもらう必要はないので、比較的賛成に傾きやすい決議の方法と言えます。

ただ、もしここで、過半数の債権者が裁判所に対して異議を出してきたら、先に述べたように再生計画が認可されないことになります。

2-2.書面決議に付する決定のタイミングと異議の提出期間

書面決議は、裁判所における「書面決議に付する決定」という決定にもとづいて行われます。

「書面決議に付する決定」とは、「債務者が提出した再生計画案を、債権者の書面決議にかけます」という内容の決定です。

書面決議に付する決定が行われるタイミングは、「個人再生の最終局面」です。

個人再生が終わりに近づくと、債務者が再生計画案を提出し、裁判所がその内容を確かめます。そして、特に間違いなどがないと判断されたら、裁判所が「書面決議に付する決定」をして、その再生計画案を、債権者全員に対して送付します。

このとき、裁判所は、期限を区切って(約2週間くらいです)、期限内に異議を出すように案内します。異議がある債権者は、期限内に裁判所に対して異議通知を出す必要があります。

期間内に異議の提出がなかったら、無事に再生計画案が認可されるということになります。

2-3.書面決議に付する決定時に、債権者の不信を買わないことが大切

書面決議が行われるのは、このように個人再生の終局場面ですから、そのときまでに債権者の不信を買わないことが大切です。

個人再生申立時には特に問題がなくても、その後に債権者ともめてしまうことにより、書面決議で反対される可能性があります。

反対に、個人再生申立前には険悪な状態であっても、その後話し合いや根回しをすることによって、書面決議時に和解ができていたら、反対されずに済みます。

個人再生を成功させるには、債権者の意向に対しても常に配慮しておかなければなりません。

決議を行う個人再生は「小規模個人再生」のみ

ちなみに、個人再生には「小規模個人再生」と「給与所得者等再生」という2種類の手続きがありますが、再生計画が認可されるために債権者による同意が必要な手続きは、個人再生の中でも「小規模個人再生」のケースのみです。

小規模個人再生は、会社員や公務員などの安定した収入がある人だけではなく、アルバイトやパート非正規雇用者、契約社員、自営業者やフリーランスなどの人でも利用できます。個人再生の中で、原則的な手続きとなります。

これに対し、給与所得者等再生とは、会社員や公務員などの給与所得者や年金生活者など、特に収入が安定している人のみが利用できる、特別な個人再生の手続きです。(これらの詳細については給与所得者等再生とは?小規模個人再生と比較しながら詳しく解説を参考にしてください)

給与所得者等再生の場合、債権者への支払金額が高くなることが多く、収入が安定しているために、最後まで支払いが行われる可能性が高いと判断されます。債権者への不利益が小さいので、要件を満たしていたら、当然に再生計画案が認可されます。
債権者の意見を聴取されることはありませんし、業者が反対していても、無関係に再生計画を認可してもらうことができます。

これに対し、小規模個人再生は収入が安定していない人でも利用できることから、原則通り、半数以上の債権者による賛成が必要とされるのです。

4.個人再生に反対することが多い業者とは?

次に、実際にはどのような業者が個人再生に反対することが多いのか、見ていきましょう。

4-1.消費者金融、カード会社

まず、消費者金融やクレジットカード会社、信販会社などが債権者となっているケースです。

これらの通常の貸金業者は、個人再生に反対することがほとんどありません。

個人再生に反対すると、債務者が自己破産してしまう可能性が高くなり、そうなると、一円も回収できなくなります。それよりは、個人再生によって、一部でも支払いを受ける方が、大きなメリットがあると考えているのです。

こうした業者の場合、何か大きなトラブルが起こって特に目をつけられない限り、書面決議で異議を出してくることはまずないので、安心して大丈夫です。

銀行も、民間の金融機関であり、同じような判断をしているのか、個人再生に反対することは少ないです。

4-2.日本政策金融公庫

日本政策金融公庫は、政府系の金融機関です。事業用ローンや教育ローンなどの融資をしているので、利用している方も多いでしょう。

日本政策金融公庫は、個人再生に反対する債権者として有名です。

ただ、必ずしも反対するわけではありません。

日本政策金融公庫は、2008年までは「国民生活金融公庫」という名称でしたが、中小企業金融公庫と合併して、現在の日本政策金融公庫になりました。
国民生活金融公庫の頃は、個人再生に反対することが非常に多かったのですが、最近では、反対しないケースも増えています。

ただ、日本政策金融公庫で借入をしている場合には、事前にしっかりと話し合って、反対されないように根回ししておく必要があります。

4-3.信用保証協会

住宅ローンなどを利用しているときには、信用保証協会が保証していることが多いです。住宅ローンを滞納すると、信用保証協会が一括払いをして、信用保証協会が債権者となります。

信用保証協会は個人再生に反対することが多いので、注意が必要です。

保証人の場合、もともとの債権者に多額の債務を一括払いしているのにかかわらず、一度も返済受けられないまま一方的に債務を減額されることになるため、もともとの貸付人以上に受けるダメージが大きくなるからです。

また、信用保証協会を利用するのは住宅ローンなどのケースが多いため、債権額が多額になりがちです。

信用保証協会1社で債権額の過半数を超えてしまうことも珍しくないので、個人再生申立前には、信用保証協会の比率をしっかり確認しておく必要があります。

4-4.共済組合

公務員の場合、共済組合から借入をしていることがあります。

共済組合を利用すると、低金利で借り入れができたり、担保なしで住宅ローンを組めたり、いろいろと大きなメリットがあるからです。

しかし、公務員が個人再生をしようとすると、共済組合は再生計画に異議を出すことが多いです。
公務員に甘い顔をしていると、世間の風当たりが厳しくなることなどが影響しているのかもしれません。

ただ、公務員の場合、給与所得者等再生を利用できるので、共済組合が反対しても特に問題にならないことがほとんどです。

それよりも、共済組合を対象にすると、職場に個人再生を知られてしまうことの方が重大です。

職場に知られても免職にはなりませんが、事実上、仕事を続けにくくなったり、昇進昇格に響いたりする可能性もあります。

公務員で共済組合から借入をしている場合には、個人再生や自己破産するよりも、できるだけ任意整理で解決する方が望ましいでしょう。

任意整理なら、対象とする債権者を選べるので、共済組合を外して手続きをすることができるからです。

5.反対される可能性が高いケースについて

以下のケースでは、個人再生をするときに業者が反対する可能性が高くなります。

5-1.おまとめローンがある

借金している方は、「おまとめローン」を利用していることがあります。

おまとめローンとは、複数の借入がある場合に、1社から多額の借入をして、そのお金でこれまでの借金をすべて完済する方法です。おまとめローンを利用すると、その後は新たな1社のみに返済していけば足りるので、借金返済を管理しやすくなるというメリットがあります。

しかし、おまとめローンを利用すると、借金が1社に集中してしまいます。

その後、少しずつ借り増しをしても、おまとめローンの債権額が過半数を超えてしまうことが多いです。この場合、おまとめローン債権者1社が個人再生に反対すると、それだけで再生計画が認可されなくなってしまいます。

おまとめローン債権者も、そのことをわかっているので、強気で反対してくることがあります。

そこで、おまとめローンを利用しているときには、おまとめローン債権者の意向に対し、常に細心の注意を払いながら進めなければなりません。

5-2.借入先が1社のみ

借金している場合、借入先が1社のみということがあります。

たとえば、先ほどのおまとめローンの場合もそうですが、事業資金として借り入れたローンが一社だけのケースや、住宅ローンの返済だけができない場合、奨学金の返済だけができない場合も考えられます。

このような場合、その債権者が反対したら、100%の債権者が異議を出したことによって再生計画が認可されなくなるので、その1社の動向に十分配慮する必要があります。

5-3.個人から借り入れている

借入先は、業者だけとは限りません。個人から借入をしているケースもあります。

親や兄弟ということもありますが、元恋人や友人知人、店を経営していたときのお客さんや紹介された人など、いろいろな人から借り入れる機会があるものです。

このように、個人が債権者の場合にも、注意が必要です。

個人は業者と違い貸付先に債務整理されることに慣れていないので、「法的整理をされたから仕方が無い」と割り切りができないことが多いためです。

「減額など到底受け入れられない」ということで、異議を出す可能性が非常に高くなります。そのため、事前にしっかり個人再生する意味を説明して、理解を求めておくことが重要です。

5-4.トラブルが起こった場合

通常のカード会社などの民間業者相手でも、何らかのトラブルが発生すると、書面決議で反対されることがあります。

たとえば、借入をしておきながら、一度も返済せずに個人再生を申し立てると、再生計画に反対される可能性が高いです。

借入をするということは、通常、「返済する意思」があるということです。

債権者も、返済してくれるものだろうと思って貸付をしています。

それにもかかわらず、一度も返済せずに個人再生を申し立てると、「始めから返済する意思などなかったのではないか」と思われてしまいます。すると、債権者にしてみたら、「騙された」と同じことになるので、再生計画に反対されます。

特に、弁護士に個人再生を依頼してから借り増しをすると、詐欺的な借入だとみなされても仕方ありません。

個人再生をすると決めたら、その後は絶対に借入をしないようにしましょう。

6.個人再生で業者の反対に対する対処法

個人再生で、業者の反対に遭わないためには、どのようにしたらよいのでしょうか?また、実際に反対されてしまったときの対処方法も、確認しておきましょう。

6-1.トラブルの原因を作らない

まずは、業者に反対されないための対処方法です。

消費者金融やカード会社などの場合、通常一般の方法で個人再生を進めたら、反対されることはありません。ただ、上記でも説明したように、詐害的な行為をすると反対されてしまいます。

そこで、個人再生をするときには、トラブルが起こらないように対処すべきです。

返済できない状況になってから借り増しをしてはいけませんし、個人再生直前に特定の業者にだけにまとめて支払いをした場合にも、そのことが後でバレてトラブルになることもあります。

適切な対応かどうかの自信が無い場合には、弁護士に確認して、アドバイスを受けましょう。

6-2.反対されやすい業者には事前に根回しをする

4でもお伝えしましたたが、おまとめローン業者や日本政策金融公庫、信用保証協会など、個人再生申立時に注意すべき業者があります。

こういった業者が含まれているときや、1社から借入がある場合、個人から借入をしている場合などには、事前にしっかりと根回しをしておくことが重要です。

どうしても、個人再生をしないと立ちゆかないこと、個人再生に失敗したら自己破産せざるを得ず、そうなったらほとんど配当は期待できないことなどをきちんと説明したら、反対する予定であった業者も反対しないで再生計画が認可されることがよくあります。

個人が債権者になっている場合には、そもそも個人再生や自己破産の制度自体をよくわかっていないことがあるので、特にわかりやすく説明し、説得しましょう。

そのためには、債務整理に慣れている弁護士に個人再生を依頼して、相手を説得することが大切です。

6-3.給与所得者等再生を利用する

業者がどうしても反対するので再生計画案が認可されない場合には、給与所得者等再生を利用しましょう。

給与所得者等再生を利用すると、多少債権者への支払額が増えてしまうことが多いですが、債権者決議が不要となるので、反対する業者があっても強制的に借金を減額することができるからです。

小規模個人再生に失敗した後、給与所得者等再生を申し立てることは自由にできますので(期間制限などもありません)、給与所得者の方は是非ともこの方法で進めてみて下さい。

6-4.自己破産する

小規模個人再生では債権者が反対したため再生計画が認可されず、給与所得者等再生も利用できないケースがあります。

その場合には、最終的に、自己破産をすると問題を解決することができます。

自己破産するときには、支払い不能状態であり、免責不許可事由がなかったら、基本的にどのようなケースでも、免責(借金を0にすること)を認めてもらうことができるからです。

たとえ、債権者が全員反対しても、要件さえ満たしていたら、借金をなくしてもらうことができます。自己破産は、借金問題解決のための最後の砦とも言える強力な手続きなので是非とも覚えておきましょう。

一般的に、自己破産をするとデメリットが大きいように言われていますが、実際にはさほどの不利益はありません。弁護士とよく相談をして、自己破産すべきケースでは、迷わずに自己破産してしまった方が、状況をスッキリ解決できることが多いです。

自己破産については【永久保存版】3ヶ月で借金0!絶対に知っておきたい自己破産完全マニュアルをぜひ参考にしてください。

まとめ

今回は、個人再生に反対する業者がでた場合の対処方法について、解説しました。

小規模個人再生の場合、過半数の業者が再生計画に反対すると、再生計画が認可されずに個人再生が失敗してしまいます。

ただ、決議に反対しない業者もたくさんいますし、反対する業者であっても、事前にきっちり話をしておけば、反対を避けられることもあります。
どうしても反対されるケースでは、給与所得者等再生や自己破産という解決方法もあります。

借金問題で悩んでいるなら、まずは債務整理に強い弁護士に相談をして、どういった方法が最適か、具体的にアドバイスをもらうと良いでしょう。

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