債務整理をしたい方

個人再生で必要な費用と払えない場合の対処法を徹底解説

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個人再生をすると、高額な借金があっても大きく減額してもらえるので、大きなメリットがあります。返済がきつくなっているので、これから個人再生したいと思っている方も多いでしょう。

しかし、個人再生をすると、高額な弁護士費用がかかるのではないかが心配になるものです。

一般的に、弁護士というと高額な費用がかかるイメージがあり、実際にも個人再生は手間がかかる手続きなので、任意整理よりも、高額になることが多いです。

そして、どうしても費用を用意できない場合、どのように対処したら良いのでしょうか?

今回は、このような疑問を解決するため、個人再生をするときにかかる費用についてどこよりも詳しく解説していきます。

Contents

1.個人再生でかかる費用の種類

個人再生の費用には、「実費」「弁護士費用」があります。

実費とは、裁判所に支払う費用や郵便切手の費用など実際にかかる費用のことです。

実費は弁護士に手続を依頼せずに自分で手続きをしたときにも必要です。

そして、弁護士費用は、個人再生の手続きを弁護士に依頼したときにかかる費用です。

個人再生は、裁判所を利用した非常に複雑な手続きなので、素人が1人で進めるのは難しいです。そのため、ほとんどの人が弁護士(または司法書士)に手続きを依頼します。

個人再生をするとき、「弁護士費用の支払いを避けたいから、弁護士に依頼しない」ということは、あまり考えない方が良いでしょう(た自分一人で申し立てをしたらどのくらいの費用になり、どのようなデメリットがあるのかは、後の項目で説明をします)。

2.個人再生でかかる「実費」

それでは、実際に個人再生を進めるとき、どのくらいの費用がかかるのでしょうか?

まずは、実費から確認していきましょう。

2-1.申立印紙代

個人再生をするときには、まずは裁判所に対して個人再生の申し立てをしなければなりません。このとき、裁判所の手数料がかかります。支払の際には、収入印紙を買って、申立書に貼付して提出をします。

個人再生の申し立て印紙代は、1万円です。

2-2.郵便切手代

個人再生をするときには、債権者に連絡をするための郵便切手が必要となります。債権者数にもよりますが、だいたい数千円程度はかかると考えましょう。

2-3.官報公告費用

個人再生をすると、「官報公告」が行われます。

官報公告というのは、政府が発行している機関誌(新聞のようなもの)に、債務者の氏名や住所、裁判所での決定内容などが掲載されることです。

個人再生が行われているということは、債権者にとって重要なことなので、そのことを世間に知らせるために官報公告が行われます。ただ、実際に官報を読んでいる人はほとんどいないので、これによって個人再生を家族や勤務先、友人などに知られる心配は不要です。

官報公告を出すためには費用がかかるので、裁判所に「予納金」という方法で納めなければなりません。金額は、だいたい13000円くらいです。

2-4.個人再生委員の予納金

個人再生では、「個人再生委員」という人が選任されることがあります。

個人再生委員とは、個人再生の手続きに関わって、債務者との面談などを行い、裁判所にさまざまな意見を言う人のことです。

最終的に再生計画案を認可するかどうかについての意見を述べ、裁判所はその意見内容を参考にして再生計画案を認可するかどうかを決めるので、個人再生委員は非常に重要です。

そして、個人再生委員が選任される場合、個人再生委員への報酬が必要です。これは、「個人再生委員の予納金」という形で、裁判所に納めます。

●予納金が必要になる場合

個人再生委員の予納金は、どのようなケースでも必要になるわけではありません。個人再生委員は、選任されるケースとされないケースがあるためです。

東京地方裁判所やその管内の裁判所では、原則として全件個人再生委員を選任する運営をしています。

これに対し、それ以外の裁判所では、個人再生委員が選任されないことが多いです。

他の裁判所で個人再生委員が選任されるケースは、内容が複雑な場合や何らかの問題があるケース、弁護士がついておらず本人申し立てのケースなどです。

●予納金の金額

予納金の金額は、弁護士が代理で個人再生を申し立てるケースか本人申し立てのケースかによって、異なります。

東京地方裁判所の場合、弁護士が代理で申し立てをする場合には、個人再生委員の予納金は15万円となります。

これに対し、本人が自分で申し立てをするときには、25万円となります。本人申し立ての方がいろいろと不備があり、個人再生委員の手間が増えるからです。

●予納金の支払方法

予納金を支払うときには、裁判所で支払を行います。弁護士にお金を渡しておけば、弁護士が裁判所で予納金の納入の手続をしてくれます。

支払方法については、毎月の分割払いとなります。

月々の支払金額は、ケースによって異なります。具体的には、個人再生手続き後、どのくらいの金額の支払いが必要になるかによって決まります。個人再生委員の予納金の支払は、手続き後の債権者への支払の予行演習のような見合いも持っているためです。

そこで、たとえば手続き後に債権者に月々3万円の支払いが必要になりそうなケースであれば、予納金の支払も月々3万円となりますし、手続き後に月々5万円の支払いが必要になりそうなケースであれば、予納金の支払は月々5万円となります。

●予納金を支払えなかったらどうなるのか?

個人再生の手続きにおいて、予納金の支払いは非常に重要です。

予納金を支払えない場合には、個人再生後も債権者への支払をできる見込みがないとして、個人再生の手続きを開始してもらえなかったり、再生計画案を認可してもらえなかったりするおそれがあるためです。

そもそも予納金は個人再生後の債権者への支払と同額で設定されています。

そこで、予納金の支払いができないということは、手続き後の債権者への支払ができないということにつながります。お金の工面が難しい場合でも、予納金は必ず確実に支払う必要があります

3.個人再生でかかる「弁護士費用」

次に、個人再生でかかる弁護士費用について、順番に見ていきましょう。

3-1.法律相談料

個人再生をするときには、まずは弁護士に相談をしなければなりません。

すると、法律相談料という費用がかかります。法律相談料の金額は、30分5000円(+税)程度です。

ただ、最近では多くの弁護士事務所において、無料の法律相談サービスを行っているので、そういったサービスを利用したら、無料で弁護士のアドバイスを受けることができます。

無料相談は、普通の民間の弁護士事務所、法テラス、弁護士会などで行われています。

相談の結果、弁護士を気に入って個人再生を依頼したいと考えたら、その弁護士に対応を依頼することができます。

3-2.着手金

弁護士に実際に個人再生の手続を進めてもらうときには、「着手金」という費用がかかります。

着手金というのは、弁護士に何らかの手続を依頼する際、当初にかかる費用です。

原則的には一括払いが必要で、手続きが途中で失敗したとしても返ってくることはありません。

個人再生の着手金の金額は、依頼する事務所によって大きく異なります。また、個人再生の手続きによっても、相場が異なります。

●小規模個人再生と給与所得者等再生による違い

個人再生の手続きには、「小規模個人再生」「給与所得者等再生」という2種類の手続きがあります。

小規模個人再生は、サラリーマンでも個人事業者でも利用できる、原則的な個人再生の方法です。

これに対し、給与所得者等再生は、サラリーマンや公務員などの給与所得者が利用することができる特別な個人再生の方法です。給与所得者等再生の場合、小規模個人再生よりも手間がかかるので、費用が高額になることが多いです。

小規模個人再生なら、着手金の相場は30万円~50万円くらいですが、給与所得者等再生の場合には、40万円以上になることが多くなってきます。

●住宅資金特別条項がある場合とない場合

個人再生では、「住宅資金特別条項」という特殊な手続きを利用することができます。

これは、住宅ローンがある人が個人再生をするときに利用することができる手続きで、住宅ローンの支払はそのまま残し、その他の借金だけを減額することができるという非常に都合の良いものです。

たとえば、住宅ローンがあって、他にサラ金から500万円の借金があるとします。このとき、住宅ローンの支払いを止めると、家が競売にかけられてしまいます。

そこで、住宅ローンだけはそのまま支払い続け、500万円のサラ金だけを100万円に減額してもらうことができるのです。住宅資金特別条項は、住宅ローン特則と言われることも多いです。

住宅ローン特則を利用すると、一般のケースよりも手間がかかるので、弁護士の着手金も高額になります。

一般的に、住宅ローン特則を利用しない場合には、小規模個人再生の着手金は30万円~40万円くらいですが、住宅ローン特則を利用すると40万円~50万円程度になることが多くなってきます。

●個人再生で着手金が安くなる・高くなるパターン

個人再生をするとき、着手金が安くなるのは「小規模個人再生で、かつ住宅ローン特則を利用しないケース」です。だいたい30万円~40万円くらいで依頼できるでしょう。

逆に個人再生をするとき、着手金が高くなるのは「給与所得者等再生で、かつ住宅ローン特則を利用するケース」です。だいたい、40万円~50万円、ときにはそれ以上になるでしょう。

3-3.報酬金はかからないのが普通

弁護士に対応を依頼すると、「報酬金」が発生することが多いです。報酬金とは、事件が解決されたときにかかる費用のことです。

ただ、個人再生の場合には、報酬金はかからないことがほとんどです。

そこで、個人再生でかかる弁護士費用の中では「着手金」が最も重要となってきます。

4.個人再生でかかる費用のモデルケース

以下で、個人再生をするときに、具体的にどのくらいの費用がかかるのか、モデルケースを見てみましょう。

4-1.小規模個人再生、住宅ローン特則なし、個人再生委員の選任あり

まずは、小規模個人再生で、住宅ローン特則を利用しなかった一般的なケースです。東京地方裁判所で手続をしたため、個人再生委員が選任されたとしましょう。

この場合、以下のような費用がかかってきます。
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4-2.小規模個人再生、住宅ローン特則あり、個人再生委員の選任あり

次に、小規模個人再生をした場合で、住宅ローンがあるので住宅ローン特則を利用した場合を考えてみましょう。東京地方裁判所で申し立てをしたので、個人再生委員が選任されました。

この場合、以下のような費用がかかってきます。
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4-3.給与所得者等再生、住宅ローン特則あり、個人再生委員の選任あり

次に、給与所得者等再生を利用した場合で、住宅ローン特則を利用した場合を考えてみましょう。個人再生委員も選任されたとします。

この場合、以下のような費用がかかってきます。
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金額としては最も高くなります。

5.自分で個人再生をしたら、どのくらいかかるのか?

ここまで見てきて、「高い!これなら自分でやったほうがいいのでは?」と思われたかもしれません。

それでは、自分で個人再生の手続を進める場合、どのくらいの費用がかかるのでしょうか?

この場合、かかる費用は上記でご紹介をした「実費」の部分です。

個人再生委員が選任されない場合と選任される場合とで異なりますので、それぞれについて以下で説明します。

5-1.個人再生委員が選任されない場合

個人再生委員が選任されない場合、かかる費用は以下の通りです。
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5-2.個人再生委員が選任される場合

個人再生委員が選任される場合、個人再生委員の予納金が必要です。

金額は裁判所によって異なりますが、東京地方裁判所の場合には、原則25万円です。そこで、かかる費用は、以下の通りとなります。

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このように、自分で申し立てをすると、弁護士に依頼するより、金額面では大きく減額することができます。

しかし、費用だけを見て自分で手続きをすることは賢明な判断ではありません。

自分で手続きをすると多くのデメリットがあるからです。

次に、そのデメリットについて説明していきます。

6.自分で個人再生の手続を進めるデメリット

自分で手続をした方が費用を安くすませることができるなら、自分で個人再生をした方が良いのでしょうか?

実際には、そのようなことはありません。自分で個人再生をすると、たくさんの大きなデメリットがあるためです。以下で、その内容を紹介していきます。

6-1.手続きがスムーズに進まない

個人再生は、他の債務整理手続と比べて、大変複雑な手続きです。

裁判所に対して申し立てをしなければなりませんが、その際にも必要書類がすべてそろっていないといけませんし、その後もスケジュールに従って確実に手続を進めていかなければなりません。

作成しなければならない書類も多く、不備があると、その時点で手続きが止まってしまいます。

素人では、対応が困難なので、自分で手続きを進めようとしても、どうしたらよいのかがわからなくなってしまうでしょう。

実際に、自己破産や個人再生を申し立てようとして裁判所にやってくる当事者の方もいるのですが、書記官から「弁護士に相談した方が良いですよ」と促されることも多いです。

当事者が自分で手続をしようとすると、スムーズに進むことはまずありません。

6-2.途中で失敗するおそれが高まる

個人再生を進めていくときには、いろいろと守らなければならないルールがあります。

たとえば、財産目録や債権者一覧表には正確に記入しなければなりませんし、再生計画案では正確に残債務と返済予定債務を計算することが必要ですし、再生計画案の提出期限もあります。

自分で対応していて、このような決まりを適切に守れない場合、個人再生の手続きが途中で廃止されたり再生計画案が不認可になってしまったりします。

また、個人再生では、債権者と連絡を取って再生計画案に賛成してくれるように根回しをしなければならないこともあります。

弁護士に依頼していたら、弁護士が債権者に連絡をして事前に交渉をまとめておいてくれます。これに対し、自分で手続をしていたら、誰もそのようなことはしてくれないので、債権者から異議を出されます。

すると、再生計画を認可してもらえなくなって、個人再生に失敗してしまいます。

6-3.個人再生委員の予納金が高くなる

個人再生では、個人再生委員が選任されることが多いです。

特に、全国で一番個人再生の受任件数が多い東京地方裁判所では、全件個人再生委員が選任されるので、この記事を読んでいる方の多くも、申し立ての際には個人再生委員が選任されることになるでしょう。

本人申し立ての場合、弁護士申し立ての事件よりも予納金が高くなってしまいます。

弁護士申し立てなら予納金は15万円ですが、本人申し立ての場合、25万円になるので、10万円も高くなってしまいます。

自分で手続をしたら大変な苦労を伴うのに、それによって10万円も費用がかかるなら、自分で手続きをするメリットはほとんどなくなると言っても良いでしょう。

6-4.大変な手間がかかる

個人再生は、非常に手間のかかる手続きです。まずは、申し立て前に債権者とやり取りをして取引履歴の開示を受けて、債権者一覧表を作成しないといけません。

そのほかにも、集めるべき書類も非常に多いですし、作成しなければならない書類もたくさんあります。しかも、内容が専門的なので、作成しようとすると、いろいろな調査をしなければなりません。書き方を間違うと、裁判所から訂正するように言われるので、さらに手間がかかってしまいます。

弁護士に手続を依頼していたら、こういった手続きはすべて弁護士がしてくれるので債務者自身は何もしなくてよいのですが、自分で手続きをする場合には、すべての手続きを自分でしないといけないので、大変な苦労を伴います。

6-5.家族にも秘密にできない

借金をしている人は、家族に秘密にしていることが多いです。個人再生をするときにも、「できれば家族には知られたくない!」と思っているのではないでしょうか?

この点、弁護士に手続を依頼すると、家族に知られずに個人再生を進めることができます。弁護士が債権者や裁判所とのやり取りの窓口になってくれるので、債務者宅に連絡や通知が来ることがないためです。

弁護士に個人再生を依頼すると、その時点で債権者からの支払の督促がなくなしますし、債権者への支払もしなくて良くなります。

これに対し、自分で個人再生をするときには、債権者や裁判所とのやり取りを自分で進めないといけないので、すべての連絡は、自宅宛に届いてしまいます。そこで、家族にまったく気づかれずに最後まで手続きをすることは不可能です。

また、自分で手続きをするときには、債権者が必ずしも督促を止めてくれないので、債務者という立場のまま、いろいろな書類集めなどの作業をしなければならないという問題もあります。

 

以上のように、自分で個人再生をしようとしても、うまくいかない可能性が高いです。また、自分で申し立てをすることにより、予納金も高額になってしまいます。

せっかく個人再生をするのに、失敗してしまっては何の意味もありません。

個人再生をするときには、目先の費用を節約するよりも、プロである弁護士に任せるべきです。

7.個人再生の費用を支払えない場合の対処方法

「個人再生をしたいけれども、何十万もの費用がかかるなら、やっぱり諦めるしかないのか…」と考える人がいるかもしれません。

費用を用意できない場合には、どのように対処したら良いのでしょうか?以下で、考えられる対処方法を紹介していきます。
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7-1.無料相談を利用する

まずは、無料相談を利用することが鉄則です。

無料相談は、単に弁護士のアドバイスを無料で受けることができるだけでなく、弁護士探しにも役立つからです。

弁護士を探すとき、まずは無料で相談を受けられると思ったら、躊躇なく申込みをして、いろいろな弁護士から話を聞くことができます。

無料相談を受ける方法は、いくつかあります。

代表的なものは法テラスの無料相談と各地の都道府県の弁護士会が実施している無料相談、それと民間の法律事務所が実施している無料相談です。

これらのうち、法テラスの無料相談や弁護士会の無料相談では、債務整理に強い弁護士を選ぶことができないので、民間の弁護士の無料相談を利用することをお勧めします。

弁護士のウェブサイトを検索して、内容を確認して、債務整理に強そうな弁護士事務所に申込みをして、まずは無料相談を受けましょう。

7-2.複数の事務所を比較する

費用の支払を抑えるためには、複数の事務所の費用を比較することが重要です。

個人再生の費用は、事務所によって大きく異なるからです。

小規模個人再生にするのか、住宅ローン特則を利用するのかなどによってもかかる費用が異なってくるので、自分の状況や希望をしっかり伝えて、見積もりを出してもらいましょう。

いくつかの事務所で無料相談を受けて、もっとも費用が安く、弁護士が親身になって丁寧に仕事をしてくれそうな事務所を選んで依頼すると良いです。

7-3.分割払いをさせてもらう

個人再生委員の予納金については、その都度払いになることがありますが、それ以外の個人再生にかかる費用は、依頼時に一括払いするのが原則です。ですが、債務者は、借金に追われているので、依頼時にこのようなまとまった金額を用意することが難しいことも多いです。

その場合には、費用の分割払いができないか、相談してみましょう。

ホームページに「分割払い可能」と書いてある事務所はもちろんのこと、そのような記載がない事務所であっても、相談をすると分割払いさせてくれるところがあります。

その場合、だいたい月々数万円単位での支払となり、個人再生の手続きが終了するまでの間に支払を終えるように金額を設定することが多いです。

7-4.親族などに立て替えてもらう

自分で費用を用意できない場合、親や兄弟、友人や恋人などに立て替えてもらう方法があります。誰か、頼める人がいたら、頼んでみるのも1つの方法です。

7-5.小規模個人再生を利用する

個人再生には、小規模個人再生と給与所得者等再生の手続きがありますが、このうち、小規模個人再生の方が、費用面や金額面で有利です。

お金がないなら、小規模個人再生を利用すべきです。

1つには、小規模個人再生は、給与所得者等再生よりも、弁護士の着手金が安いです。10万円くらいは安くなることが多いです。

また、小規模個人再生を利用すると、手続き後の債権者への支払額も小さくなることが多いです。

給与所得者等再生の場合「可処分所得の2年分以上」のお金を支払わなければならないという基準が適用されます。「可処分所得の2年分」は、小規模個人再生の最低弁済額よりも大きくなることが多いため、給与所得者等再生を利用すると、可処分所得の2年分の債務が残ってしまい、結果的に支払金額が大きくなってしまうのです。

そこで、サラリーマンや公務員の場合であっても、大口の債権者が反対しているなど特殊な事情がない限り、小規模個人再生を利用すると良いでしょう。

7-6.法テラスを利用する

弁護士費用を用意できないなら、法テラスの利用をお勧めします。

法テラスと言えば、「無料相談」のイメージが強いかもしれませんが、ここでおすすめしたいのは、「民事法律扶助」という手続きです。

「民事法律扶助」とは、法テラスが弁護士費用を立て替えてくれる制度です。

弁護士の着手金と実費を立て替えてもらうことができるので、利用者が自分で弁護士に費用を支払う必要がありません。

その後に法テラスに対して月々分割で費用を償還していけば足ります。月々の償還額は、標準的に1万円ですが、支払が苦しい場合には5千円程度に抑えてもらうこともできます。

●法テラスを利用すると、費用が劇的に安くなる!

法テラスを利用すると、かかる費用が非常に安くなることが大きなメリットとなります。

具体的な金額は、債権者数によって異なります。
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いかがでしょうか?

普通に弁護士に個人再生を依頼すると、最も安い小規模個人再生、住宅ローン特則なしのパターンでも、最低30万円程度の着手金がかかるのですから(しかも、ここに消費税と最低2~3万円程度の実費が加算される)、これと比べて法テラスの基準がどんなに安いかわかっていただけると思います。

しかも、上記の法テラスの立替基準では、小規模個人再生と給与所得者等再生の差もありませんし、住宅ローン特則を使うか使わないかによる差もなく、一律です。

そこで、住宅ローン特則を利用したい場合などには、法テラスを利用するメリットはより大きくなります。

●法テラスでも、依頼する弁護士を選べる!

法テラスを利用する場合、「依頼する弁護士を選べないのでは?」と思われていることがあります。これは、法テラスで無料相談を受けるときに、相談を受ける弁護士を選べないため、民事法律扶助でも同じだと思われているのです。

しかし、民事法律扶助を利用するときには、依頼する弁護士を選ぶことができます。

法テラスと契約している弁護士であれば、上記の法テラスの立替基準の金額で、月々の分割償還を利用して個人再生を依頼することができるのです。

そこで、弁護士費用を用意出来ない場合には、法テラスと契約していて、民事法律扶助を使って受任してくれる弁護士を探すことをおすすめします。

月々5000円程度の償還であれば、ほとんどどのような人でも可能でしょうから、「弁護士費用を用意出来ない」という悩みはほとんど解消されるはずです。

ただし、後ほど説明しますが、官報費用や個人再生委員の与納金は自己負担になるため、注意してください。

8.費用を用意するときの注意点

以下では、個人再生で上記の手法を使って費用を用意するときの注意点を紹介していきます。

8-1.分割払いをすると家計がきつくなる

個人再生で弁護士費用を分割払いにすると、支払いが苦しくなるおそれがあります。

それは、個人再生では、手続き中にも裁判所に対し、予納金の支払いが必要になるためです。

個人再生委員が選任されない裁判所でも、毎月の積立金が必要です(金額は、予納金と同様、手続き後に支払いが必要になると予想される金額です)。

そのため、弁護士費用を分割払いにすると、裁判所への支払と弁護士費用が重なってしまい、非常に支払がきつくなるのです。

弁護士費用の支払いのために裁判所への支払ができなくなったら個人再生に失敗しますし、かといって弁護士への支払いを停止したら、手続を進めてもらえなくなります。

弁護士費用を分割払いにするときには、裁判所への予納金(積立金)支払と両立できるのか、しっかり検討して金額を決定する必要があります。

8-2.親族などに立て替えてもらうとトラブルの種になることがある

親や親族、友人や恋人などに費用を立て替えてもらうと、それらの人との人間関係が悪化する可能性があるので、注意が必要です。

たとえば、親にお金を出してもらったら、他の兄弟から白い目で見られたり、後に親が亡くなって遺産分割をするときなどに揉め事になったりする可能性があります。

また、恋人や友人にお金を出してもらったら、後に人間関係にヒビが入り、うまくいかなくなってしまうこともあります。

個人にお金を出してもらう場合には、こうしたリスクにも気を配っておく必要があります。

8-3.法テラスを使う場合の注意点

法テラスを利用すると、費用も安くなって支払も楽なのでとても良いのですが、注意点もあります。

●予納金は自己負担

法テラスで立替を受けられるのは、弁護士の着手金と実費のみです。予納金は、立替の対象になりません。

そのため、官報公告費用の予納金と、個人再生委員の予納金は、自己負担となります。

個人再生をすると、全額立て替えてもらえる、と思っていると期待が外れてしまうので、覚えておきましょう。

●資力基準がある

法テラスは、経済的に余裕がない人の支援のための機関です。そこで、利用するためには、資力が一定以下である必要があります。

収入や資産が一定以上ある人は、法テラスの審査に落ちてしまうので、民事法律扶助を利用することができません。

法テラスの以下のページで資力基準をチェックすることができますので、気になる方は参考にしてください。
http://www.houterasu.or.jp/service/taimen_soudan/

●弁護士の受任までに時間がかかる

法テラスを利用するときには、収入や資産について基準を満たしているかどうかを調べるため、資力審査を受けなければなりません。

この手続きのため、だいたい2週間程度かかってしまいます。その間は、弁護士が正式に受任することができないので、債権者からの督促が届き続けることになります。

自費で弁護士に依頼したら、すぐに弁護士が受任通知を送ってくれて、債権者からの督促も止まるので、それと比べると法テラスにはデメリットがあります。急いで手続きをしたいときや、自宅に督促が来たら困る場合などには、法テラスの利用は向きません。

まとめ

今回は、個人再生の費用の相場と、費用を用意できない場合の対処方法を解説しました。

個人再生の費用は確かに結構高いですが、無料相談や法テラスの民事法律扶助などを利用すると、実はかなり楽に弁護士に対応してもらうことができます。

自分で個人再生をしても、個人再生委員の予納金が高額になるだけで、手続きもスムーズに進まないので、おすすめできません。

法テラスを使えたら楽に弁護士に依頼できますし、使えないときでも、弁護士に相談したら、分割払いなどいろいろな対処方法の相談に乗ってくれるものです。

借金問題に困っているなら、まずは一度、債務整理に強い弁護士の事務所に無料相談の申込みをしてみましょう。

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