債務整理をしたい方

過払金を取り戻すための引き直し計算の方法について徹底解説

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過払金請求をするときには、「借金の引き直し計算」が非常に重要なステップとなります。

引き直し計算をしないと、過払金が発生しているのかどうかもわかりませんし、過払金の金額も明らかになりません。

過払金の引き直し計算とはどのようなもので、どのような方法で行うことができるのでしょうか?

そして、過払金が発生した場合、どのような流れで請求すればいいのでしょうか?

今回は、過払金請求をするなら絶対に押さえておきたい過払金の引き直し計算と過払金請求について詳しく解説します。

1.過払金の引き直し計算とは

1-1.引き直し計算は、過払金請求の根本

過払金の引き直し計算とは、過去の借金の履歴を「利息制限法」が定めている制限利率(適正な利率)に直して、借金の本当の残高を計算することです。

引き直し計算は、過払金が発生する理由ともかかわる、過払金請求の根本とも言える作業です。

 ●利息制限法について

利息制限法は、お金を貸し付けるときの利息の上限を定めています。貸金業者の場合の制限利率は、以下の通りです。

  • 貸付金額が10万円未満…20%
  • 貸付金額が10万円以上100万円未満…18%
  • 貸付金額が100万円以上…15%

ところが、過去には、サラ金、消費者金融やカード会社、信販会社は、貸付を行うときに、この上限利率を超える利息で、お金を貸し付けていました。昔の利息制限法には、一定の要件を満たせば、制限利率を超えた貸付も合法になるという規定があったためです。

その後、最高裁が、利息制限法を超える利率での貸付は違法であるという判断を出したため、確実に過払金請求ができるようになったのです。そして、その後、利息制限法が改正されて、上記のような例外規定はなくなりました。

過払金は、利息制限法の制限利率を超過して払いすぎた利息です。

その利息の金額を計算するためには、「もし、利息制限法通りに支払いをしていたら、いくらの支払いが必要だったのか」を明らかにする必要があります。

そして、払いすぎが起こっていた場合には、引き直し計算によって、その金額も明らかになります。

以上のように、引き直し計算をすると、利息制限法の上限利率をあてはめて計算し直すことにより、過払金の発生の有無を確認し、過払金の金額をはじき出すことができるのです。

1-2.引き直し計算は任意整理でも必要

利息制限法引き直し計算は、任意整理でも必要となります。

過去に消費者金融やカード会社に対して高額な利息を支払っていた人が任意整理をすると、利息制限法に引き直して計算をすることにより、払いすぎた利息を借金返済に充てて大きく借金を減らすことができる可能性があるからです。

払いすぎた利息の金額で借金を完済できたら借金返済は不要になり、反対に過払金請求をすることができます。
現在、借金返済中の人が過払金請求できるのは、このパターンです。

2.過払金引き直し計算の方法

過払金請求をしたいと考えたら、まずは過払金の引き直し計算をしなければなりません。そのためには、どのような方法をとれば良いのでしょうか?以下で、説明します。

2-1.取引履歴を取り寄せる

まずは、借入先から「取引履歴」を取り寄せましょう。

取引履歴というのは、当初借入時からの借入と返済のすべての記録です。いついくら借りて、いついくらの入金をしたのか、すべての履歴が載っています。

貸金業者は、貸金業法により、契約年月日や貸付金額、受領金額などの事項を記載して帳簿を保管しなければならない義務を負っていますし、借り入れた人には、貸金業者に対する帳簿の開示請求権が認められています。

そこで、借入先に対して取引履歴の開示請求をすると、相手は拒むことができません。

取引相手の業者に対して、「取引履歴を送って下さい」と電話で伝えるだけで送ってもらえる業者もありますが、書式の決まった開示請求書への記入が必要だという業者もあります。

内容証明郵便で「取引履歴開示請求書」を送ると、たいていの業者は開示に応じるでしょう。

そして、取引履歴の開示を受けたら、「契約当初から現在までのすべての取引履歴」が揃っているかどうか、確認することが必要です。

過去の取引が古い場合や、取引中にいったん完済をして取引が分断されている場合には、当初の取引が開示されていない可能性があるからです。

取引履歴が不完全な場合、請求できる過払金の金額が大きく減ってしまうおそれがあるので、足りない部分があったら、具体的に指摘をして必ず送り直してもらうようにしましょう。

2-2.エクセルの引き直し計算ソフトをダウンロードする

過払金の弾き直し計算をするとき、手計算ですることは絶対不可能とまでは言いませんが、大変な困難を伴います。そこで、通常は専用の引き直し計算ソフトを利用します。

引き直し計算ソフトには、名古屋消費者信用問題研究会という団体が配布しているものが有名で、信用性が高いです。
http://www.kabarai.net/index.html

まずは、こちらのサイトから、「利息計算ソフト」をダウンロードしましょう。

ソフトを起動させるためには、パソコン上でエクセルを起動できる環境が必要です。

2-3.引き直し計算ソフトに入力をしていく

引き直し計算ソフトをダウンロードしたら、ソフトを開きましょう。すると、計算用の画面が表示されます。

まずは、利率を入力します。

利率については、取引金額が1度でも100万円を超えたら15%、超えていなければ18%です。(10万円を下回る取引しかない場合には20%)

入力する部分は、年月日と借入金額、弁済額のみです。

入手した取引履歴の内容を正確に引き写し、淡々と入力作業を繰り返していきます。

日にちや金額を間違えると、間違った金額が算出されてしまうので、正確に入力していきましょう。

2-4.元利金がマイナスになったら過払金が発生している

入力を進めていくと、横の「元利金」の欄に残高が表示されます。

元利金がプラスの間はまだ借金が残っているということです。これが、マイナスになったらその分の過払金が発生しているということになります。

入力を終えたときに「元利金」のところに表示されているマイナスの金額が、最終的に相手に請求できる過払金の金額です。

2-5.訴訟によって過払い利息も請求可能

引き直し計算ソフトを利用する場合、当初の設定にもよりますが、何もしなければ「過払い利息」が加算されています。

過払い利息とは、過払金に加算される利息のことです。

業者は、過払金を返還していないことにより支払い遅延の状態になっているので、年5%の利率で過払い利息が追加されていくのです。

ただし、業者と任意交渉をするときには、相手から「過払い利息をカットしてほしい」と言われることが多いので、引き直し計算によって過払金を計算しても、過払い利息の分は減額されることがほとんどです。

訴訟で判決を出してもらった場合には、裁判所は業者に対し、過払い利息を含めた全額の支払い命令を下します。過払い利息を回収したい場合には、訴訟によって過払い金請求をする必要があります。

2-6.見直しをする

過払金の引き直し計算ができたら、必ず見直しをすることをおすすめします。

特に取引が長期に及ぶ場合などには、途中で間違いを起こしている可能性も高くなるからです。

間違っていると、相手の業者に過払金請求をしたときに「金額が合わない」と言われて、話が進まなくなってしまいます。

取引履歴と照らし合わせて、日にち(西暦と月日)と金額を間違えていないか、順番に見直していきましょう。

2-7.引き直し計算結果を保存し、プリントアウトする

過払金の引き直し計算ができたら、その結果をパソコン内に保存しましょう。間違っていたら、やり直しが必要になることもあるので、そのまま消してしまわないように注意しましょう。

また、特に複数の債権者に対して過払金請求をするときなどには、必ず債権者名をつけてエクセルファイルを保存することをおすすめします。

さらに、計算結果をプリントアウトして、紙の形でも保管しましょう。

2-8.取引の分断がある場合の計算方法

昔借金をしていた人の中には、いったん借金を完済して、その後再度借入を開始している場合があるでしょう。

このような場合、過払金の引き直し計算をするとき、計算方法に注意が必要です。

2度目の取引を1度目の借金から引き続いて1つの計算書で過払金計算をするのか、2度目の取引は別のものとして新たに計算をするのかが問題になるためです。

1つ目の取引(第一取引)と2つ目の取引(第二取引)を一体のものとして計算をすると、過払金の金額は大きくなりますが、別のものとして計算をすると過払金の金額は小さくなります。

そこで、業者側は、一回でも完済されて間が空いていると、ほとんどの場合「取引の分断がある」(別のもの)として、別に計算をするように求めてきます。

しかし、第一取引と第二取引があっても、必ずしも別々の計算にする必要はなく、一連の取引として計算すべきケースがあります。

たとえば、第一取引の完済時と第二取引の借入時の期間が短いケースや、第一取引の終了時に契約書やカードを返却していないケース、契約を解約されていないケース、第二取引が開始するときに業者が積極的に勧誘したケースなどでは、一連取引として扱う裁判例も多いです。

そこで、自分で過払金計算をするときには、短期間の分断が起こっていても、一連の取引として計算をすると良いでしょう。

3.過払金が高額になる場合について

過払金の引き直し計算をすると、過払金が高額になるケースとそうでないケースがあります。どういったケースで過払金が高額になるのでしょうか?

3-1.取引期間が長い

まずは、取引期間が長いケースです。

過払金は、利息を払えば払うほど、多く発生します。そして、借金をしている期間中はずっと利息を払い続けているものです。

取引が長期に及ぶと、当然利息を払っている期間が長くなり、結果的に多額の利息を払いすぎになるので、多くの過払金を取り戻すことが可能となります。

3-2.借入金額が大きい

次に、利用金額が大きい場合です。借金の利息は、元本に対して〇%という形でかかります。

そこで、元本額が大きいと、その分利息の金額も大きくなります。借入金額が高額な場合、かかってくる利息の金額も大きいので、支払いすぎの利息の金額も高額になり、結果的に多額の過払金が発生しやすいです。

3-3.遅延なく返済を継続してきた

借金を、遅延することなく真面目にコツコツ返済してきた場合には、同じ取引期間でも過払金の金額が大きくなります。

過払金は、払いすぎた利息ですから、毎月確実に支払いをすると、その分支払った金額が大きくなります。遅延すると、その月は利息を支払わないわけですから、払いすぎ利息である過払金は少なくなります。

昔から、毎月遅れず借金を返した、という方は計算してみると大きな金額の過払金が発生していることがわかる可能性があります。

4.過払いになっていなくても借金が大きく減る

現在も借金返済中の場合、引き直し計算をしても、過払金が発生していないことがあります。払いすぎ利息があっても、借金の残高の方が大きいので、残債務が残ってしまうのです。

そうした場合、意味がないのでは?と思われるかもしれませんが、過払い利息を借金返済に充てることにより大きく借金が減額されているはずです。

ですので、過払いになっていなくても、業者に対して引き直し計算結果を送付して、残債務についての分割返済の話合いを行いましょう。債権者と合意後の将来利息はカットしてもらうことができます。

このように、引き直し計算によって元本が大きく減ることと、将来利息をカットすることにより、毎月の支払い額を大きく減らすことが可能となり、楽に返済を継続していけるようになります。

5.過払金計算の他のツール

過払金の計算をするとき、エクセルを使った本格的な引き直し計算ソフトを利用する方法は、非常に面倒だと感じる人がいるかもしれません。

もっと簡易な計算方法もあるので、ご紹介します。

5-1.過払金確認チェッカー

借金infoというサイトが提供している過払金計算のサービスです。

借入金と現在の残高、金利と契約期間を入力して「チェック!」をクリックするだけで、簡単に過払金の概算を知ることができます。

http://www.syakkin.info/kabaraichecker.html

5-2.過払金計算機

ベリーベスト法律事務所という弁護士事務所がウェブ上で行っている過払金計算サービスです。借入金額と借入期間を入力するだけで、非常に簡単に過払金を計算することができます。

http://0120-170-316.jp/kabarai-top/keisanki/

5-3.過払金チェッカーサイト

過払金チェッカーサイトというウェブサイトが提供している過払金計算サービスです。
借り入れ金額と金利、契約期間を「クリック」というボタンを押すと、過払金の概算値が表示されます。

http://kabaraicheck.net/

5-4.正確に知りたいならエクセルのソフトを利用する必要がある

上記で紹介した過払金チェッカーを利用すると、10秒程度で簡単に過払金の概算を知ることができるので、非常に役立ちます。ただし、過払金チェッカーでわかるのは、あくまで概算値です。

支払いを遅延していた場合や取引が分断されていた場合などには、思ったほど過払金が発生していない可能性もあります。

また、途中で金利が変更されている場合もあるので、正確な過払金の金額を知りたい場合には、やはりエクセルのソフトで計算をする必要があります。

さらに、過払金チェッカーで過払金を計算しても、その結果によって相手の業者に請求をすることはできません。

結局、過払金請求を進めるためには、必ずエクセルのソフトで計算する必要があるのです。

6.過払金があった場合の対処方法

最後に、引き直し計算によって過払金があることが判明した場合の対処法について説明します。

6-1.過払金請求書を送る

まずは、相手業者に対して「過払金請求書」を送りましょう。

過払金請求書とは、過払金が発生していることと、その返還を求めるための請求書です。内容証明郵便で送付すると良いでしょう。

特に決まった書式はありませんが、「過払い金がいくら発生しているのか」「その返還を求めること」「支払期限」などを書いて送ります。

そして、このとき、引き直し計算をした結果の計算書類も送付する必要があります。内容証明郵便では計算書を送ることができないので、別便で簡易書留などを使って送る必要があります。

6-2.相手と交渉をする

相手に過払金請求書が届いたら、過払金の返還額についての交渉を行う必要があります。

ただし、計算された過払金の全額をすんなり返還してもらえることは、ほとんどありません。

相手は、「経営が苦しい」「他の事案ではすべてこの基準になっています」「これ以上言うなら、裁判してもらうしかない」などさまざまな理由をつけて、大きく減額してきます。

と減額率は、相手の業者にもよりますが、酷い業者では30%以下しか返還しないと言ってくることもあります。

また、過払金の返還方法についても、一括払いが難しいので分割払いを提案してくる業者がありますし、一括払いをするとしても、1年近く先になると言ってくることもあります。

そのような場合には、後述する裁判が必要になることが多いです。

6-3.合意書を作成する

相手との間で交渉を行い、お互いに返還額と返還時期について合意ができたら、合意書を作成します。

合意書には、合意ができた過払金の返還金額と返還期限、返還方法(通常は銀行振込にします)、入金先の口座、精算条項(本件以外に、お互いに債権債務がないことを確認する条項)を入れます。

合意書には、業者と請求者が双方とも署名(記名)押印して、日付を記入します。

2通作成して、それぞれが1通ずつ所持することとなります。

このように、合意書ができたら後は期限が来るのを待っていれば、約束通り支払いが行われます。支払期日を過ぎたら、きちんと入金があったかどうか、必ず確認しましょう。

弁護士に過払金請求を依頼している場合には、弁護士の預り金口座に過払金が入金されるので、弁護士が入金の有無を確認してくれます。

6-4.合意ができない場合には裁判が必要

相手と過払金の返還額や返還方法について合意ができないなら、過払金請求訴訟を起こす必要があります。

訴訟を起こすときには、相手業者の営業所のある場所の裁判所が管轄となります。

請求金額が140万円以下の場合には簡易裁判所、140万円を超える場合には地方裁判所で裁判を起こします。

訴訟にすると、過払金の元本だけではなく、5%の過払い利息を請求することも可能となります。

ただ、訴訟をしても、途中で和解することが多いです。和解するときには、請求者側も譲る必要があるので、全額の回収ができなくなったり、過払い利息の支払いを受けられなくなったりする可能性が高くなります。

7. 引き直し計算から過払金請求まで弁護士に任せたほうが良い

ここまでで、引き直し計算の方法や過払金請求の方法までお伝えしてきましたが、これらを個人でやることは非常に手間がかかる大変な作業です。

過払金計算の作業は、すべての取引履歴をいちいち入力しなければなりませんし、正確に記入しなければなりません。複数の業者に過払金請求を行うとなると、非常に手間がかかります。

これを弁護士に依頼することで、取引履歴の取り寄せから、一連の作業を全部してくれるので、依頼者は何もしなくて良くなります。

また、業者によっては、債務者本人が請求してきた場合と弁護士が依頼した場合とで、異なる書式の取引履歴を開示するところもあります(そういった業者は、弁護士が開示請求したときの方が、わかりやすい取引履歴を開示します)。

さらに、相手の業者と交渉をするときや過払金請求訴訟を起こすときにも、弁護士が代理で交渉をする方が有利です。

本人が交渉をすると大幅な減額を主張する業者でも、弁護士が交渉をすると、過払金の返還金額を上げる業者があります。

訴訟では、裁判所での専門的な対応が必要なので、素人にとっては戸惑うことも多く、1人で進めるのは大変ですが、訴訟のプロである弁護士に依頼していたら安心です。

このように、弁護士が対応することにより、自分で請求するよりも高額な過払金の返還を受けられる可能性が高くなります。

過払金請求をするなら、引き直し計算も含めて最初から弁護士に依頼すると良いでしょう。

まとめ

引き直し計算は過払金請求のためには必ず必要な作業です。

しかし、その作業はとても手間がかかり、さらに、過払金請求訴訟をするのも大変です。

できれば、ウェブサイトを検索して債務整理や過払金請求に強い弁護士を探し、一度無料相談を受けるところから始めることをおすすめします。

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