債務整理をしたい方

任意整理ができない・断られる11種のパターンと対処法について解説

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借金が増えすぎて、毎月の支払いができない時、「任意整理で解決できるのでは?」と思っている方は多いと思います。

しかし、任意整理は、誰でもできるわけではありません。弁護士や司法書士に依頼しようとしても、断られてしまう例があります。

今回は、任意整理ができない場合や断られるケースとはどういった場合なのか、またどうしても任意整理したい場合にどうしたら良いのか、解説していきます。

1.任意整理ができない場合

以下のような人は、任意整理をすることができません。または、任意整理をしても失敗してしまいます。

1-1.収入が足りない、まったくない

任意整理をすると、借金の利息や遅延損害金をカットしてもらい、元本だけの返済にしてもらうことができます。このことで、多くの人が、月々の支払額を減らして、借金問題を効果的に解決することができます。

しかし、任意整理をするとき、借金を0にしてもらえるわけではありません。多くの場合、元本はそのまま残るので、手続き後に返済をしなければならないのです。

そのため、その支払いができるだけの最低限の収入が必要となります。

手続き後の返済額を支払えるだけの収入が無い人(低収入・無職など)は、任意整理することができません。

●収入がなくても任意整理できるケース

ただ、収入がなくても、任意整理できるケースがあります。まずは、専業主婦です。

専業主婦は、自分では働いていないので収入がありませんが、夫の給料が入ってきます。そこで、夫の給料から支払いができる限り、任意整理することができます。

任意整理では、誰の収入かが問題にならず、とにかく毎月の支払いさえできたら良いからです。この点、個人再生では、必ず本人名義の収入が必要なので、専業主婦では利用できません。

また、年金生活者も、働いていませんが、支払いが出来るだけの十分な年金があれば、任意整理することができます。

さらに、夫と別れて養育費や児童手当で、ぎりぎりの生活している人などでも、何とか切り詰めて手続き後の支払いができるのであれば、任意整理することが可能です。

1-2.借金額が大きすぎる

任意整理ができない2つ目のパターンとして、借金額が大きすぎるケースがあります。

任意整理をするとき、基本的に元本はそのまま残ってしまいます。

そこで、借金額がもともと大きすぎる場合には、減額できずに全額残ってしまうので、整理しようと思ってもできないことがあるのです。

たとえば、借金額が500万円の場合、5年で支払うとしても毎月83000円以上の支払が必要です。このような高額な金額を毎月確実に5年間払おうとすると相当厳しいです。借金が1000万円を超えてくると、ほとんど任意整理で解決するのは不可能になるでしょう。

よほど収入が高い人なら任意整理できるかもしれませんが、金額が大きくなると、個人再生の方が得になるので、あえて任意整理で多額の支払いをするメリットがありません。

個人再生については、個人再生を利用して、リスケ・借金圧縮をする方法で詳しく解説していますので参考にしてください。

1-3.一度も返済していない債権者がいる

任意整理をするとき、1回も返済していない債権者がいる場合に注意が必要です。

この場合、その債権者は任意整理の話合いに応じてくれない可能性が極めて高くなります。

このことは、貸す側の立場になって考えてみるとわかります。

お金を貸すときは、返済すると約束してもらうから貸すのです。始めから返すつもりのない人にお金を貸すことはありません。

ところが、1回も返済せずに任意整理するような人は、始めから返済する気持ちがなかったと思われてしまいます。

返すつもりがないのに借りるのは、詐欺ですから、債権者にしてみたら納得がいきません。

そのような場合、任意整理の交渉には応じず、約定通り、全額返済を求めてきます。しかも、個人再生や自己破産をしても失敗する可能性が高くなります。

個人再生では、債権者が再生計画案の認可に反対する可能性が高くなりますし、自己破産するときには、免責不許可事由に該当してしまいます。

借金をしたら、たとえ支払いが苦しくても、必ず返済実績を作ってから債務整理しましょう。

1-4.自分で交渉して失敗する

任意整理をする時、自分で交渉をすることで失敗するケースがあります。

任意整理では、手続き後にどのような形で借金返済を続けていくのか、債権者との間で話し合わないといけません。そこで、ある程度の交渉力が必要となります。

弁護士や司法書士であれば、交渉のプロですから、債務者の利益を最大限に引き出せるように、適切に交渉を進めて合意に導いてくれます。

これに対し、素人の債務者が自分で交渉を進めても、スムーズに進まず失敗してしまうことが多いです。

交渉が決裂してしまうこともありますし、合意ができたとしても、債務者に非常に不利な内容になっていて、手続き後の支払いが苦しくなってしまうこともあります。

1-5.債権者が話し合いに応じない

任意整理が失敗するパターンとしては、債権者が話し合いに応じないケースがあります。

任意整理では、債務者が直接債権者と交渉をして、借金の返済額や返済方法を決定しなければなりません。そのためには、債権者が話合いの席につくことが必須です。

しかし、業者によっては、一切任意整理の交渉を受け付けないところがあります。

こうした債権者がいると、その債権者の借金を整理することは不可能ですから、そのまま支払いを続けるしかありません。 

もしその借入額が大きく、その借金を整理しないと問題を根本的に解決できない場合には、任意整理を諦めざるを得なくなります。

1-6.選んでいる専門家が悪い

任意整理が失敗するパターンとして、選んでいる専門家に問題があるケースがあります。

たとえば、任意整理があまり得意ではなく、なかなか事件に着手せずに放置したり、着手してもなかなか話を先に進めなかったりする専門家も中にはいます。

また、業者の中には、特定の事務所の弁護士や司法書士とは話をしない、という姿勢のところがあります。

そのような業者が相手の場合には、避けられている弁護士や司法書士以外の専門家に対応を依頼しなければなりません。

2.専門家に任意整理を断られる人

次に、任意整理をしようとすること自体は可能ですが、弁護士や司法書士に依頼しようとしても断られてしまうパターンです。

依頼を断られてしまうとそもそもの問題を解決することができませんので注意しましょう。

2-1.生活保護を受けたい人

借金をしてしまう場合、生活苦が原因になっていることも多いです。

このような場合、借金を整理しても、収入がない限りまた同じことの繰り返しになってしまうので、生活保護を受けたいと希望することがあります。

しかし、生活保護を受けたいのであれば、任意整理をすることはできません。

任意整理後の支払いを継続している限り、生活保護を受けることができないからです。

生活保護は、借金返済している人には支給決定されません。

確かに、法律上は「借金があると、生活保護を受けられない」ことにはなっていません。しかし、実際の運用として、借金支払いをしている人は生活保護の審査を受けにくくなっていますし、受けられたとしても落とされてしまうことが多いです。

生活保護のお金の財源は、大切な国民の税金なので、借金返済などには使わず、純粋に生活費に使われるべき、という判断があるためです。

そのため、任意整理後、生活保護を受けたい人には、任意整理は向きません。

なお、どうしても生活保護を受けたい方は、生活保護申請・受給後に、自己破産をして借金を整理する必要があります。

2-2.生活保護をすでに受けている人

生活保護をすでに受けている人が弁護士や司法書士に任意整理を依頼しようとすると、断れることが多いです。

これについても、先ほどと同じ理屈です。生活保護のお金は借金返済に使われるべきではないと考えられているので、生活保護の受給者は、役所から「借金をしないように」と言われます。

借金をしても、すぐに生活保護を止められるわけではないのですが、改善指導を受けることになりますし、改善ができなければ、実際に生活保護を止められてしまうおそれもあります。

任意整理をすると、結局その後に借金支払いが続くので、改善したことになりません。

生活保護を止められたくなければ、自己破産をすべきです。

自己破産なら、借金を0にしてもらうことができるので、生活保護受給中の人の借金問題を有効に解決することができます。

2-3.費用の支払いができない

弁護士や司法書士に任意整理を断られるパターンとして、費用の支払いができないケースがあります。

任意整理を専門家に依頼すると、当然費用が発生します。金額的には10万円以上になることが多いでしょう。こうしたお金は、当初に一括払いを求められることがあります。

しかし、そのような金額を用意できない債務者も多いです。その場合、費用の支払いができないことを理由に断れてしまいます。

また、費用の分割払いができる専門家もいますが、分割払いにした場合、途中で支払を滞納したら、その時点で任意整理の手続きを止められたり、最終的には辞任されてしまったりするおそれがありますので注意してください。このような場合は、3-4で解説する「法テラス」の活用も検討してみましょう。

任意整理の費用について気になる方は任意整理にかかる費用から安く抑える方法まで全解説をご覧ください。

2-4.要望が大きすぎる

債務者の中には、ときどき要望が大きすぎる方がいます。

たとえば、大きな借金があるにもかかわらず、「絶対に月々〇円以下にしてほしい」と言ったり、たくさんの債権者がいるのに「絶対にいついつまでにすべてを解決してほしい」と言ったり、「毎月5000円ずつの(少額の)分割払いにさせてほしい」などと言ったりする場合です。
それが可能な場合には依頼を受けてもらうことができますが、不可能な場合には断られます。

弁護士や司法書士に対応を依頼するときには、無理を言い過ぎることなく、専門家によるアドバイスをきちんと聞いて、妥協できる点は妥協する姿勢が大切です。

2-5.コミュニケーションがとれない

弁護士や司法書士に断られる人に非常に多いパターンが、「依頼者(あなた)と連絡がとれない」というものです。

弁護士などに任意整理を依頼した当初は、依頼者も緊張しており、電話等にも対応するのですが、弁護士などが介入することによって債権者からの督促が止まったら、まるですべて解決したような気になってしまい、弁護士などから電話がかかっても出なくなってしまうのです。

何度電話しても出ない、手紙を出しても返事がない、ということになってくると、弁護士や司法書士は辞任するしかなくなります。

辞任されたら、とたんに債権者から支払督促の連絡が入り続けるようになりますし、再度同じ弁護士や司法書士に「やっぱりお願いします」と言っても、対応してもらえません。

3.どうしても任意整理したい場合の対処方法

どうしても任意整理で借金問題を解決したいなら、以下のような点を見直してみましょう。

3-1.安定した収入を得る

任意整理をするときには、収入がないと失敗してしまいます。

手続き後は3年~5年程度の期間中、返済を継続しなければならないので、収入を安定していることも必要です。

今の収入が低い人や不安定な人は、まずは転職したり結婚したりするなどの方法で、収入を安定させる必要があります。

3-2.良い専門家に依頼する

任意整理を成功させるためには、良い弁護士や司法書士を選んで依頼する必要があります。

債務整理に強い専門家は、相談者ごとにどのような債務整理手続きが最適かを判断し、もっとも適切な方法を選択してくれます。

また、任意整理の交渉もうまいので、交渉が決裂したり、不利な条件を押しつけられたりするリスクが減ります。

さらに、たとえば1回も返済していない債権者がいる場合など、債務者側にリスク要因がある場合には、きちんと指摘してくれて対処方法を教えてくれます。適切な対応をすることができて、任意整理に失敗するリスクを軽減できます。

弁護士や司法書士にも色々な得意分野があるので、専門家を選ぶときには、なるべく債務整理に積極的に取り組んでいる事務所の弁護士や司法書士に依頼しましょう。

3-3.専門家のアドバイスに従う

任意整理を進めるとき、頼りになるのは弁護士や司法書士などの専門家です。

素人判断で対応すると、色々な問題が起こります。

そこで、任意整理を成功させたければ、こうした専門家のアドバイスにはきちんと従いましょう。

弁護士から連絡が入ったら、きちんと対応することは必須です。電話に出なかったりメールを無視したりしていると、「連絡がつかない」と判断されて辞任されてしまうかもしれませんし、あまり力を入れて取り組んでもらえなくなったりします。

わからないことは何でも聞いて、疑問を解消しながら、二人三脚で上手に手続を進めていきましょう。

3-4.着手金無料の専門家や法テラスを利用する

弁護士費用や司法書士費用が足りないから任意整理できないケースがあります。

そういったケースでは、着手金無料や費用分割払いができる弁護士や司法書士を利用するか、法テラスの民事法律扶助を利用することをおすすめします。

民事法律扶助
民事法律扶助とは、弁護士や司法書士の報酬や裁判の費用を支払うことが困難な方のために、国などの公的な資金で援助を行うこと。

着手金無料の弁護士や司法書士を利用すると、当初の費用支払いは不要で、解決したときに基本報酬金等の報酬金を支払ったら足りるので、手元にお金がなくても依頼しやすいです。

分割払いの場合も、当初のまとまった金額の支払いが不要なので、手元にお金がなくても任意整理を依頼できます。

法テラスの民事法律扶助を使った場合には、弁護士費用や司法書士費用をいったん法テラスが立替払いしてくれるため、依頼者は弁護士等に直接費用を支払う必要がありません。後日、法テラスに月々5000円~1万円ずつ払っていけば良いので、非常に楽です。

3-5.他の債務整理方法を検討する

最後に、他の債務整理方法を検討すべきケースがあります。

本人が「任意整理したい」と考えていても、別の債務整理の方が向いているケースがあるためです。

たとえば、本人が「自己破産は嫌だから任意整理したい」と思っていても、実際には本人が思っているほど、自己破産に大きな不利益がないため、明らかに自己破産すべきケースがあります。

本人が「個人再生はできない」と思い込んでいても、実際はできるケースもあります。

そこで、任意整理ができない場合に別の債務整理方法を検討してみることは、借金問題解決のために非常に有効です。

まとめ

今回は、任意整理ができない場合や、弁護士・司法書士に任意整理を断られる場合について、解説しました。任意整理をするためには、最低限満たすべき条件があります。

ただ、どうしても任意整理ができない場合、他の債務整理方法で解決できることも多いです。

借金問題で苦しんでいるなら、まずは債務整理を得意とする、良い専門家を探して相談してみましょう。

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